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#0 私の勝てるデザイン

ひとりは苦しい。みんなとなら楽しい。
デザインの習得でもがいている人とデザインをもっと使いたい人へ。
僕はどこまででもついていきます。

勝てるまで。
勝てるデザインより引用

本の巻末はこう締め括られている。

勝てるとは何なのか。

勝てるデザインとは何なのか。
知りたい方は実際に本を手に取って
読んでみてほしい。
あなたなりの勝てるが何なのか。
読んだ後にはわかるかもしれないから。


今の私にとっての「勝てるデザイン」は「売れる」デザイン

タイトルにもあるが、私はクリエイターさんなるものではない。ただのしがない会社員。家電量販店勤務を経て紆余曲折あって今は某メーカ営業をしている。
どこのお店でもそうだと思うのだが、商品説明してほしいときに販売員は捕まらないときがある。

そんなときの救世主が「手書きPOP」様である。ただのPOPではなく、「手書き」というところがポイントだ。

メーカが用意するPOPや展示什器はもちろんありがたい。あるのとないのとでは天地ほどの差がある。例えるならアイドルを売り出すのに必要なステージ演出が展示什器で、商品添付販促POPが衣装みたいなものだ。アイドルより目立ちすぎてはいけないけれど場を際立たせてくれる存在。けれど量販店は所属アイドルが非常に多いし、大人の事情によって「推し」も変わる。なにもしなければ埋もれて売れずに終わってしまう。我々にとってもPOPの存在は売りたい商品を説明してくれる「販売員さん」なのである。

完結に分かり易く、よんでイメージが沸くが大事で、これはこの勝てるデザインに載っている「一撃でわかるデザイン」に共通している内容だと思う。


昔話にはなるが、某フランスメーカの商品を販売する際に同僚が「メイド イン フランス」という一言POPを商品に添付した(複数ラインナップがある中、フランス製は1商品しかなく他は中国製だった)結果爆発的にその商品だけが売れ続けメーカの在庫切れが発生した。
接客のときに使うトークの一部をPOPにした事例。フランスの国旗を描いて文字を書き足しただけのシンプルなPOP。

今となっては担当者がかいた手書きPOPだったからそれが味になって良かったのかな、とも思う。

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今は量販店を離れメーカー営業となったけれど、自社の推しを売り出すべく販促手書きPOPの研究は楽しい。

「商品を知らない販売員もしくはお客様が売り場を訪れた時に手書きPOPをみればカタログなしでも内容を把握できて、これがよさそうだと思ってもらえるレベルのPOPを作る」ずっとこれを意識してPOPを考えて作っている。


今回このタイミングで勝てるデザインを読んでまだまだできることはたくさんあるな、と再認識した。デザイナーではないけれど、商品(アイドル)を勝たせるデザインを勉強しよう。


著者、前田高志というひと

業界人ではない私にとって前田さんは「有名な任天堂から独立したクリエイターさん」
きっと小さい頃から絵が上手で、美術系の学校を出てゲームの会社に就職して才能があってうーん…私とは別世界の住人だな。という勝手な印象(想像)を抱いていた。どんな人物かは、本を読んだり、前田デザイン室に参加するとわかるかも。
小さな頃から絵に興味はあったけれど、成長するにつれ周囲に上手な人が現れたりで次第にコンプレックスを持つようになってしまった前田さん。かくゆう私も含めて似たような環境で絵の世界から離れたひと多いのではないかと思う。
私はたいして努力もしていないのに、報われないことが怖かったから普通に進学して憧れのデザインや美術の世界遠巻きにみていた。そして大人になった今も胸の内でくすぶり続けている。
しかし前田さんは高校3年で進路変更し予備校通って浪人して見事美大に合格。それだけ諦めきれないことがあるって本当に羨ましいと思った。私も今思えばやってみたらよかったのにね。後悔先に立たずというやつ。
本の文章から伝わってくる人間味あふれる前田さんという人物が少し近くなったように感じた。(勝手に親近感)

彼の進路には美大でも会社でも常に自分より優れ、何でももっているようなひとがたくさんいて心が折れる。逃げたい。逃げても救われない、報われないかもしれない、努力するしかない…どうやったら効率良くなる?ひたすら研究する。何事も直向きに取組む鬼努力のひとだった。こんなに情熱を傾けられることがあるっていいな。
彼は自分のことを凡人といっていたが、凡人であっても発信し努力を続けていけば…自分の目指す場所に少しでも近づいていくということをこの本を通じて教えてくれたように思う。
好きじゃないとそこまで情熱は注げない。とも思う。四六時中その事ばかり考えて、夢中になれることに出会えてるなんて…本当に羨ましい。


さいごに。

本のタイトルがデザインなので構えてしまうけどガチガチのデザイン本ではなく、著者前田さんの人生年表を紐解きながら、今だったらこうして勉強するし「ダサいデザイン」はこうして生まれるとか、会社経営についての考え方であったり人と人との繋がり方や情報発信の重要性など「今」の前田さんだからかけた本のなのかな。デザインとか関係なく読み物としていろんな人に読んでほしい。デザインは特別じゃない、みんな何かをデザインしているという言葉もよかった。読み終えたあと、デザインじゃなくても何か新しいことに挑戦したくなる後押しをしてくれる本だ。


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