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Niantic Trading Post (BETA)が楽しいって話

この記事は Ingress & Wayfarer Advent Calendar 2022 (その2)の12月7日分として、はりぽがお送りします。


Niantic Trading Post (BETA) とは

Niantic Trading Post (BETA)(以下、Trading Postと言います)は、Niantic社が2022年11月12日(つまり、約1か月前)に開始した、「NFTを利用したデジタルBIOカードの収集・交換」ができるウェブサービスです。

位置情報ゲーム「Ingress」のプレイヤー(以下、エージェントと言います)たちが、ゲームのイベントで流通したカードに倣って作るようになった名刺代わりのカード、つまり「BIOカード」を、NFT技術を取り入れることによって、デジタルでも同じような体験ができるようになるのではないか? というのが、Trading Postのねらいであると理解しています。……というのも、Trading Postに関する公式のアナウンスは目につくところでなされていないからです(笑)

ちなみに、Trading Postを運営しているのは、買収されてNianticの一部門となったSpotX Gamesという集団です(Twitter: @spotxgames)。

SpotX Gamesは2022年5月にNianticに加わった後、8月にはIngress運営チームやエージェントとミートアップ(交流会)をしていました。今思えば、この頃に得た知見がTrading Postの開発に生かされていたのでしょう。


Trading Postを始めてみよう

Trading Postのウェブサイトにアクセスしたら、いつもIngressで使用しているアカウント(Google、Facebook、またはApple)でサインインしましょう。これで準備は完了です。

やることは大きく分けて3つ。

  1. カードを作る

    1. フレームを含むパックを獲得する……11/12~13の2日間は不定期でパックを獲得できるタイミングがありました。記事執筆時点では売り切れ状態が続いていますが、12/10~11(XMアノマリー:エピファニー・ドーン横浜&ミッションデー横浜が開催される期間)には再びパックが配布される可能性が濃厚です。

    2. 他の人からフレームを送信してもらう、または交換してもらう……親切な人から送ってもらいましょう。

    3. フレームを消費して、カードを作る(1組のフレームが10枚のカードになる)……画像1枚と、タイトルと説明文のためのテキストが必要です。同じ内容のものを何組作っても構いません(が、仕組み上「同じ種類のカード」として扱われるのは1組10枚だけです)。画像の著作権・肖像権を侵害したり、無許諾の画像を使用したりしないように十分注意しましょう。

  2. カードを見る

    1. 自分が所有しているカードを見る

    2. 他の人が所有しているカードを見る……ほかのユーザーを検索することができます。また、新着カード一覧からはそのカードを所有している人が誰か分かりますし、カードの詳細画面では作成者が表示されます。

  3. カードを送信する、または交換を申し込む

    1. カードを送信する……他の人のプロフィールページにある「Transfer card to XXX」というボタンを押して、自分が所有しているカードを選ぶと送信できます。一方的な送信であることに注意してください。

    2. カードの交換を申し込む……こちらは1対1のカード交換です(フレームの場合は1組)。他の人が所有しているカードのページにある「Make Offer」というボタンを押し、代わりに提供する自分が所有するカードを指定すると、申し込むことができます。

    3. 申し込まれた交換に応じる、もしくは拒む……交換の申し込みには応じても(Accept)拒んでも(Reject)よいですし、1枚のカードに対して複数の申し込みを受ける場合もあるので、その時はどれかに応じると自動的に他の申し込みを拒むことになります。

ざっくりした書き方になってしまいましたが、以上がTrading Postの基本的な遊び方です。


こんなカードを作ってみた!

まずは、2016年に作ったBIOカードの画像を使った「復刻版」カード。裏面に入れる説明文は字数が限られているので、元のカードよりも短くせざるを得ませんでした(泣)


続いて、11/20のミッションデー四日市に合わせて作り、「実際に合えた人に送ります!」と意気込んでいたカード。
Trading PostのカードにはアニメーションGIFも使用できることから、見よう見まねでGIFを初めて作り、「箔押し加工」をイメージした効果をつけています。


ちなみに、Trading PostではNianticの社員のみなさんもアカウントを持っていて(社風からして当たり前という感じもしますが)、タイミングがよければカード交換に応じてもらえるようです。
aceことJohn Hanke、GPC2CことBrian Rose、tristeeleことThiaなど(NianticBrian、NianticThia、NianticHildaといったアカウントもありました)。spotX Gamesのメンバーもアカウントがあるようです。


そして最後に紹介するのは、僕が持っていないカードです。その名も「Epiphany Dawn」。

説明文には「The only way to get this Legendary card is by meeting one of the Trading Post team members during the beta release of the Niantic Trading Post at Epiphany Dawn LA 2022.」と書かれており、現時点では最も希少なカードだと思われます。
横浜では似たようなカードが配布されるのかが気になりますね。欲しい!


みんなでデジタルカードを交換しましょう!

何が言いたいかというと、Nianticがなんか新しいおもちゃを作ってくれたみたいだから、みんなで遊んでみましょうよ! ということです。

ベータ版ということもあって粗削りな部分があったり、長続きする保証がなかったり(長続きとは?)という側面もありますが、こういうサービスは多くの人が使ってこそ洗練されていくものだと思いますので、気軽にやってみてはどうでしょうか。

僕は今週末の横浜の思い出をカード化するのもいいな~、なんて考えています。


余談:NFTで実現する(かもしれない)バーチャル体験

気軽にやってみよう! というのが本旨なので、NFTの話は余談として書くことにします。

エージェントの間でBIOカード交換・収集が人気を博するようになり、「BIOカードを写真に撮って閲覧・管理できるアプリ」なんかも出ているようですが、あくまでBIOカードは紙媒体があってこそだという風潮があるように思います。

対面で渡す、あるいは郵便で送るというのが一般的な交換・収集のやり方であることから考えると、「手間をかけて」「限られた数の相手に」「挨拶や会話といったコミュニケーションを伴って」行うというのがBIOカード交換・収集という体験の価値であると言えるのではないでしょうか。

BIOカードをデジタル化したものを交換・収集するのであれば、電子メールで送るとか、zipファイルをダウンロードするとか、いくらでも効率的にやることができますが、そこでは先に挙げたような体験の価値が失われています。

じゃあNFTを使ったら、その体験をできるだけ損なわずにデジタル世界(Nianticが提唱するところのreal world metaverse)で実現できるんじゃないの? という発想から生まれたのが、Trading Postだったのだろうと思います。

NFT(代替されないトークン)というのを平たく言うと、トークン発行者がデジタルメディアに固有の番号を付与し、所有者や譲渡履歴を追跡することで、そのメディアが複製品ではないことを証明する仕組みです。版画なんかにシリアルナンバーを記して真性を保証するのと似ていますね。

NFTと聞くと「売買して利ざやで稼ぐためのもの」みたいなイメージが先行してしまいがちですが、今のところ完全無料でベータ版が展開されているTrading Postにおいては、デジタルデータのやり取りに「リアルな重み」を与えるためにNFTが使われている、と捉えることができます。

そうやって考えると、Trading Postもけっこうおもしろい社会実験だなあと思えてきませんか?

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