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poésie(と詩っぽいもの)

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詩っぽく綴ったものをまとめています
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記事一覧

弊害。理想の人間像と。(詩っぽいもの)

理想の人間像。 理想があるのはよいことだ。 漠然としたそんな考えが世間にはあるように思う。 その逆で「こうまでして生きていたくない」「こんな人間にはなりたくない」そんな人間像も、普段顕在化していなくとも人の意識にはあるように思う。 単にわたしが感じている世界にはそういうものがある それらがあるように感じる世界にわたしは生きている でも思ったんだ。 気づいてしまった。 こうはなりたくない―――そう思う影で常にその人を裁き続けていることを。 こうありたい―――その理想

「いい人」になりたいという歪み

優しくしたい 傷つけたくない どんな人でも受け入れたい 誰かを否定したくない そんなことされたら「こころが痛い」 そいういうことはやらないって決めて生きてきた されて嫌なことはしないって でも知らないうちに傷つけたら? そんな怖さから たくさんの知識を求めた 生きるのさえ 怖くなった * * * 「誠実でありたい」という願いは 既にある不誠実を肯定していることに過ぎない 同じように 光の中を歩むような人であることを願うのは 今ある「そうでないもの」を肯定

やさしさの調べ(詩)

誰にも言い訳しなくていい。 誰の期待にも応えなくていい。 自分を否定しないで、自分だけは自分の理解者でいてあげて。 あの日親が言ったこと 「おまえは馬鹿だね」とか 「あんたって我儘な子ね」とか 優しくないとか、容量が悪いとか、グズだとか・・・ ・・・・・・ ・・・――――――― あなたはそれを受け入れて その通り生きようとしてしまったかもしれない あなたは優しいから とっても親を想っているから 理解されない孤独と反発心を抱えながらも 期待される道を

めぐるあい めぐるいのち(詩)

人は愛のエネルギーを食べて生きている 口にしているものから 愛を感じて 満たされる いのちは愛でできている 食べ物はいのちでできているものと そうでないものがある ひとはいろんな形で愛を表現して生きている だけど その表現から愛を受け取れないでいることもある 愛を見つけられずに彷徨っている だから ひとは口からそれを受け取ろうとする 愛が欠けているように感じると 愛を見失っているようにふるまうと それに応じた形で埋めようとする 今は食べ物のすが

躁と鬱(ひとりごと)

双極性障害。 今はそう呼ぶようになったそうだ。 誰だったか芸能人がカミングアウトしたとか。 今の時代は心の問題について皆が打ち明けやすくなったのかな? わたしが子どもの時はカウンセリングを受けに行くなんてとっても敷居が高いこと、秘め事のような問題だったように感じた。 「イエローピーポーが来る」なんて茶化しもあった。 精神疾患の人を黄色い救急車が迎えに来るのだと。 そんな嘘のような言葉が怖かったのは、その言葉の裏にある「レッテル」が正体なんだと思う。 社会からのはみ出

紫陽花(poem)

やさしくなりたい。そう切に願う。 やさしさを伝えられる人になりたい やさしく伝えることができる人になりたい そう願い、求めているのに 気遣ってかけたことばのはずなのに どうして暴力をふるったような後味がするのだろう 尊重して温かく見守ると決めたはずなのに どうして無力さを理由に見捨てたように感じられるのだろう (わたしは冷酷だ) たとえば昼寝する猫の背中のように 雨上がりの土の匂いのように 柔らかな日差しに揺れる木の葉の影のように そこにいてもいいよ いつでも

RE: BIRTH の海 (poem)

自分の感情に気づくのが下手だ 扱いが下手だ わたしの中は大抵いろんなものが溢れていて 朝から謂れもなくうきうきしたり 淀んで倒れこみたいような気分だったりする わたしは多分とても扱いにくいこどもだった わたし自身が自分の扱いに手を焼いているように 感情にはふたをする 由来も正体もしれないものには丁度いい (でも限界だったんだよ) 感情は見えないけれどエネルギーだから 消えてなくなったんじゃないから 大切な人を傷つけてしまったという痛みと 傷ついた大切な人の痛み

ソロス~悲しみの星(Poem)

人の心を手玉に取り素知らぬ顔で笑う報道番組 黒い影にわたしたちの中の黒い闇が付き従う 手を引かれ踊る 踊らされていると知らないで 残酷なニュース 衝き動かされる 衝動 悲しみ 怒り 目を背けたくなる 耳を塞ぎたくなる 無感情で自分を覆ってしまいたくなる でも 静かなこころで見渡せば ただどこを見ても 痛みを抱えた人がいるだけ 被害者も 加害者も ただ ただ こころが痛いと叫んでいるだけ

諦めないで(poem)

諦めないで 自分を諦めないで だって そんなの1番後回しにしてもできるじゃん 最後の最後でもできることじゃん だから 起きていない未来を悲観して 諦めないで いまできることが どんなに小さく思えても それはあって いのちは 続いているのだから

泣いてもいいんだよ~辛かったよね、痛いよね

「傷つく」ということは幻想なのだとその人は教えてくれた。 わたしたちは本当は誰によっても傷つけられることはない。 もし傷ついたと感じるならば、それは最初から自ら自身に刃を向けていたということなのだと。 その人自身が自分に刃を向けていなければ、傷つけることは不可能なのだと。 その教えによってわたしは自分が持っていた刃に気づいた。 どんなことばも無配慮に使われていいものじゃないと思う。 それはなにより自分の人生の舵をとるものだから。 言霊ということばのとおり、口にしたも

無題~Poem

昨日は突然の伯父の訃報に不慣れなことをした疲れか、気が付いたら寝てしまっていた。 やることはあるけれど仕事もあり。 明日はオープン前の自宅店舗に初めてのお客さまをお迎えすることもあり今日も片付け。 そんな中、見つけたメモから。昔走り書きした詩です。 (こんなのいちいち読んでいるから片付けが捗らないのよね) *+*~*+*~*+*~*+*~*+* ぼくにとって 世界はきみから始まる 「強さ」って何 「弱さ」って何? きみの存在がぼくを強くしているというなら きみ

詩~影の中の光、光の中の影

この世で壱番小さくて弱いものに寄り添って生きたいと思っていた 自分から声を上げる方法もわからなくなってしまったものたち でも その願いは誤りだった それは 無用のことだ 愚かな選択だ ―なるようになる 常に完璧であるこの宇宙のその瞬間の形態 それ自体が常に完成させた表現であるのに なにを手を加える必要があるだろう それでも 頬を伝い落ちる涙を 行き場のない想いたちを ただ掬い取って抱き留めたいと思う 願いとの狭間で生きている 狭間で なにかを変えたいわけじゃ

幻想世界の住人(詩)

自分の中に内側と外側がある 誰にも見せず 密やかに抱え込んでいるもの ホントウ の ジブン 誰の目に触れてもいいよう 人生かけて選び出されてきた 許可されたことば、振る舞い 許可された 「自分」 自分を取り巻く「内側」の世界の外に 比較的質が異なる「外側」の世界が取り巻いている そんなリアリスティックな 幻想 内と外 ”外の世界はコワイ” 内側の世界は 柔らかくて 不用意に 外に出ると 刺し貫かれてしまうかもしれない 矢のような言葉に 正体のないまま膨らむ悪意

窓~彼方からの光(詩)

こころを閉ざさないでいてよかった この命を終わりにしなくてよかった 暗闇の中 もがき続けていた日々 だれの言葉も もう聞きたくないと思った この世は 嘘ばかりだと みんな本当のことを なにひとつ見ようとしていない 目を逸らし 逃げて 口から出るのは 当たり障りのない言葉 そうでなければ 嘘と 誰かを傷つけるようなことばかり 仮面を被った 自分を守るために 壊れないように ただ ただ 日々 生き続けるために だれにも理解されなくていいと思った