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ハゲと心臓の話。

薄毛の人は心臓病になりやすいって本当? 共通する特徴とは「薄毛の方は心臓病にかかりやすい」なんて話を聞いたことありますか?
ひどく乱暴な物の言いの都市伝説のような話ですが、実は根拠があります。
その根拠と関係性についてご紹介しましょう。

東京大学医学部が発表

東京大学医学部の特任准教授である原一雄氏のチームが行った研究で、次のような発表がされています。
具体的な概要としては「頭頂部の脱毛はすべての参加者において冠状動脈性心臓病(Coronary heart disease)との関係性が認められた」というもの。
「つまり頭頂部に薄毛の症状が見られる方は、心臓病になりやすい」という衝撃の発表でした。
また薄毛が進行すればするほど、心臓病に対するリスクも上がるということです。

ハイリスクな頭頂部の薄毛
この研究チームはなんと11年もの間、およそ37,000人もの欧米人男性についての調査と経過観察を行いました。その結果「頭頂部の被毛が薄い人は、そうでない人に比べて、心臓病にかかるリスクが30%以上高い」ということが分かったそうです。
薄毛の部位によっても心疾患の発症率は変わりますが、「頭部の被毛が薄い=心疾患の発症率が高い」という結果には変化はありませんでした。
しかし、注目したいのが「頭頂部の被毛が薄い人は、最も心臓病に対するリスクが高い」という結果が出たということです。
なぜハゲと心臓病に関係があるの?
この二つに関連性があるのは、成長期に骨格を男らしくしたり筋肉を成長したりするテストステロンという男性ホルモンに原因があるためです。
テストステロンは、血管の状態を正常に保つ効果があります。テストステロンは、一酸化窒素(NO)の分泌を促します。一酸化窒素が分泌されることで、血管や臓器に有害な不純物が溜まるのを除去できるのです。しかし、このテストステロンは加齢とともに減少していきます。このホルモンの減少が心筋梗塞や静脈硬化などを引き起こす原因のひとつとなるのです。
では、なぜテストステロンの減少が薄毛につながるのでしょうか?
テストステロンは、5αリダクターゼという酵素の影響を受けてジヒドロテストステロンに変化することで、AGAを発症します。ジヒドロテストステロンにつながるテストステロンが少なければハゲにはならないはず……。
しかし、他にもハゲにつながる理由があります。それが、インスリン抵抗性です。インスリン抵抗性とは、体内でインスリンが正常に働かず血糖値を下げられない状態のこと。実はインスリン抵抗性になると、ジヒドロテストステロンの影響を強く受けてしまうのです。
インスリン抵抗性は、メタボや糖尿病へのリスクを高めます。このインスリン抵抗性と先ほどのテストステロンの減少によって、心臓病とハゲの関連性が生まれるのです。
ちなみにジヒドロテストステロンの影響は、頭頂部に表れやすいと言われています。頭頂部の薄毛がハイリスクだというのはこのためです。
健康な血管を保つためにテストステロンを維持しよう上の項目で述べたようにテストステロンには、血管を正常に保つ機能があります。そのため、テストステロンを維持することが大切です。
当然、日常生活の影響を大きく受けます。
まず食事は三食、バランスよく摂取しましょう。植物性タンパク質やビタミンBやEを積極的に摂取するのがおすすめです。また、睡眠時間も重要です。毎日最低でも6時間以上の睡眠を取るように心がけることも大切です。
意外かもしれませんが、薄毛と心臓病の関係性は深いと言えます。
頭頂部が最近不安だという方も、そうでない方も、節制を心がけ、健康的な生活でフサフサの髪と心臓病リスクの低い生活を手に入れましょう。頭頂に脱毛がある男性は、ふさふさ髪の男性に比べ、心筋梗塞や狭心症など心臓病の危険性が高い傾向にあると、東京大学の研究者が発表した。年齢が上がるとともに男性ホルモンが減ることが影響しているという。
東京大学医学部の原一雄特任准教授(内科学)らの研究チームが、英医学誌「BMJ Open」に4月3日付で発表した。

 研究チームはこれまでに発表された医学論文6本を調査した。欧米の30~80代男性約3万6,990人を11年以上経過観察したデータから、頭部の脱毛や薄毛の進み具合と心臓病の発生率との関係を調べた。

 その結果、頭頂に脱毛のある男性は、髪のある男性に比べて、冠状動脈性疾患のリスクが32%高く、特に60歳以下のリスク上昇は44%に達することが判明した。
心臓病のリスクは、「つむじ付近のみ」、「額から頭頂部」、「耳の上から頭頂部にかけて全体」の脱毛でも上昇したが、頭頂近くの脱毛がもっともリスクが高いことが分かった。薄毛や抜け毛進行には、遺伝とともに男性ホルモン(テストステロン)が深く関わっていることが近年の研究で分かっている。男性ホルモンの分泌は20歳代をピークに、その後加齢とともに低下していく。今回の研究について、「男性ホルモンの減少と心臓病の発症は関連があるのでは」という指摘がある。
特に頭頂部の発毛は、男性ホルモンの影響を特に受けやすいと考えられている。頭頂部が薄毛になっても、後ろ髪がふさふさな男性も多いのは、男性ホルモンの影響があるからだ。
男性ホルモンは男性的な骨格や筋肉質の体を作るだけでなく、動脈硬化を抑制し、心筋梗塞などの心血管の病気に対するリスクを減少させる。
中年男性に多くみられる下腹の出っ張りや筋肉や持久力の衰えは、男性ホルモンが減少し起こると考えられている。また、筋肉の減少による基礎代謝の減少、脂肪組織の増加にも影響している。
「脱毛や薄毛と心臓病の関連については、今後も詳しい調査を行う必要がありますが、今回の研究は、特に若い人で頭頂部の脱毛が起きている場合は、心臓病のリスクが高まっているという結果になりました」と研究者は述べている。
「心臓病は食事や運動などの生活習慣を健康的に変えていくことで予防できます。危険性の高い人には、健診を定期的に受け、肥満の解消や禁煙などの生活習慣改善に努めることが勧められます」としている。

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