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Eテレ 続・冤罪の真相 代償なき正義はあるか?


2023,9のNHKスペシャル続報

12.27大川原化工機の国賠請求判決にあわせて
Eテレで刺激強めの番組になっている

事件の詳細はニュースサイトに委ね、
今回の事件心理構造や未来を考えたい

「メタ職業」と「リアル労働」

番組最後に内部告発したと思われる警察関係者の心情の吐露がある
「思い描いていた警察官像と全く違う」

強い信念をもってなろうとした職業感としての警察官=メタ職業
日々の労働として捏造につきあう公安警察=リアル労働
今回のケースは象徴的に開示されてしまったのではなかろうか?

内部告発者が誰かはともかく、ひとりではなく、捜査担当を含めた若手一群が「No!」を突きつけたのではないか?

育ってきた環境、教育と倫理観によって
「清濁合わせ飲む」の「濁」への許容度が大きく変わってきている事に、上層部は気づかなければならない

かつて、リアル労働を職業感に整合バランスしていた何かが確実に消えていて、
今やバラバラに存在している辛苦
裁判証言「まあ、捏造ですね」に繋がるのではないか?
驚くほど乾いた虚無な一言だが、
その裏に美しいまでに冷徹な正義を感じる

公安警察といえども、
「あってはならないリアル労働」は
「あるべきメタ職業」によって破壊される
時代の変化に沿った、正しい変化であり、正しい進化ともいえそうだ

私を含め「濁」に生きていた人々には辛い変化かもしれないが、
あるべき正義への勇気を評価し、
大人として公安組織の在り方自体の修正を行う時が来ている

忖度的「シン・黄禍論」

やはり経済安保=チャイナバッシングが背景にあったようだ
公安事件として、成立させるためには外事容疑性が必要で、敵性国の関与を物語形成する必要がある
「中国、韓国なら喜ぶ政治家も多い。
これがアメリカなら何も起こらない」

黄禍論というのが20世紀初めにあった
ドイツの近代民族主義の発端でドイツ皇帝ヴィルヘルム2世が遅れたグローバル化の掛け声として、アジアを敵視する外交政治思想だ
ヴ2世はWWIで破れ、民族排他思想が受け継がれナチス内政ユダヤ排斥にたどり着くわけだが、
状況に違いはあれど、アメリカによるチャイナバッシングな現在とよく似た精神構造で今も「黄禍論」と言えそうだ

ただ、アメリカはモンロー主義=孤立主義の国で一次大戦以降世界の警察化した20世紀が異常な100年で、トランプによって急速に先祖返りし外交思想も時計の針を戻しつつある
あくまでも「DEAL」取引による守備的な政策で、
中国のみならず日本もバッシング対象になりそうだが、成長性も乏しく老化した島国は、アゴで使っておくぐらいの外交方針なのだろう

そんな21世紀において、日本の官僚たちはどう考え動いているのか?
いつも気になっていた
アメリカ的な指示があって同調して政策で動くのか?
そもそも指示などなく「忖度的追従」で動くのか?

この事件の発端はどうあれ、アジアの日本が大陸側をバッシングする「韓国ホワイト国除外」によって、検察が勢いづくあたりが興味深い
確実に日本独自の政策だが、各官僚間に連携はなく、相互に忖度的な気分で行政、司法が起動することがよくわかる情景だ
さらに同じ黄色人種の東アジアを標的にした物語こそが政策効果が高いという
「シン・黄禍論」だろう

こうした官僚の思考構造は江戸末期の事なかれ安泰幕閣的な匂いがし、
この国本当に大丈夫か?と思ってしまう

代償なき正義はあるか?

公安の若者たちの内部告発を考えると、忖度的な官僚的思考や日々の労働と、信念に基づく職業倫理はいつか正しく裏返る時が近いことを予感させてくれる
勾留中に亡くなった方もいる不幸な事件だが、この内部告発こそが唯一の救いだ

告発によって、内部調査をおこない
起訴取下げに至った意思決定は良識を感じるし、ギリギリ評価できる

どうか、勇気をもつ未来ある若者達を失望させることが起こさないよう、この先も良識ある大人として行動できることを切に願いたい

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