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#テレビドラマ感想文 光る君へ 第二回 平安クリエーターの物語

1000年前平安時代の女性の話とあって
かなりプロット、脚色が自由で意外に楽しい

男性がほぼ「藤原」で登場人物の名前が頭に入らないのが困りものだが、
時代とクリエーターを描いたドラマとして見れば、楽しみな一作

まひろと三郎の物語


現代に置き換えれば、
総理を狙う議員の3男ダメ息子と
有名教授の利発な秀才娘
ぐらいな関係だろうか?
今でも出会いはありそうだ

ドキュメンタリー調の源氏物語を書くということは、相応に取材力が必要だろう
同じ宮中=職場とはいえ、
女性が男性の光源氏を描くとなれば、
恋愛とまではいかずとも、
書き手はある程度モデルを知っていたから生き生きとキャラクター転換できた
そんなクリエーター目線な
「源氏物語はなぜ作れたか?」が
自由なプロットに組み込まれていてスキ

まひろが「平安イケジョ」というより
どこかイタく描かれるのは、
親しみやすい虫めずる姫風な不思議女子ということだろう
そういう意味では、吉高さんのキャスティングはぴったりだ

代筆業で恋バナ鍛錬

口語と文語は明確に分かれており
文語はまだ漢文であり、
歌だけが和文体を許された時代
さらに正規の書簡は男性が漢文体で残し
和文体の特権は女性にこそあった
1000年前の文学ジェンダーギャップ

恋は歌で手紙として伝える
紙すら希少な時代で、木板だっただろう
届けられなければ、男たちは軒先で歌ったかもしれない

代筆業とはそんな恋歌ゴーストライター
和歌が感情を表現するコンテンツで
手紙に文字というアナログプラットフォームを知的に操るという意味では、
今なら15歳tiktokerに近いかもしれない

有名教授の娘が「私、踊れるから!」と
tiktokで誰かの代わりに踊っている姿はやはり不思議な子だ

歌の文化は早くから広まってはいたが、
奈良期に書かれた万葉集の防人の歌も、徴兵された戦士と家族自身が詠んだのではなく、
同じようなゴーストライターが頼まれて歌を作り
お守りとして持たせたような感じもする

ただ、あんなに閉じこもった部屋で
カトリック神父が告解を聴くような姿で、恋話を聞くだろうか?
むしろ、占い師のように話を聞きそうだ

いずれにせよ、若い頃の代筆業で
恋バナ鍛錬し、他人の恋愛を言語化し磨いたから源氏物語を書けた
というプロットは現実感があっていい

そんなことまで考えさせてくれる
第二話でした
篤姫以来、女性大河完走できそうな予感がします

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