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#映画感想文 クライム・オブ・ザ・フューチャー クロネン版「君たちはどう変態になるか?」


久々にクローネンバーグらしい
B級感たっぷりなグロ映画
待ってました!大スキです 笑
80歳傘寿になっても、
この変態ぶりはもっと賞賛されて良い


クロネン版「君たちはどう生きるか?」

ジブリ好きな感覚の方には
全くおすすめできない映画 笑

痛みを知らない未来
内臓を作り出すボディアーティスト
新しいセックスとして手術を楽しみ、
ライブパフォーマンスする
さらに、感銘を受けて、
顔中に傷、目を縫い付け身体中に耳!
手術を真似するファン達
完全にイカれた人たちだが、
全世界がイカれていると
正常だったりする

異常と正常はクロネン映画で
メインプロットに据えることが多い
正常から異常に移る時、
さまざまな異形のイメージを
人体とくに内臓に置き換えて表現する
そんな作品群ザ・フライ、戦慄の絆、クラッシュ、裸のランチを総括
「君たちはどう変態になるか?」な、
裏総決算的作品

全編内臓感覚で貫く

不気味で居心地のわるい
世界観や映像は裸のランチ
プラスチックはよだれで溶かし食べるは、ザ・フライ
奇妙な医療器具は戦慄の絆
機械の中で二人で手術はクラッシュか?
前世紀以来、他の監督の追随を許さないセルフオマージュたっぷり

「旧来のセックスは苦手」


シナリオはあちこちに飛ぶし、
奇天烈な世界観なのに
説明も少なく、伏線も回収しない
スパイやコンテストなど、情報だけはあちこちに意味もなくバラ撒く
一度見ただけでは全編理解しきれない
省略された、ある意味いい加減さが
居心地の悪さを加速させ、
不気味な映像を強烈に記憶に残こす

クロネン御大は、変態な深淵を覗き込み、さらに自己照射させ映像化する
裏クロネンですぜ、
理解なんてしなくて結構!
計算ずくで作っている感じ
その風貌と相まって哲学的でクールな映像表現

少し痩せて、仙人風

主役ヴィゴ・モーテンセン

それにしても、ヴィゴはクロネンに付き合って、
こんなに芳しい映画によく出演するものだ

アカデミー候補作の直後に出る映画か?笑

ヒストリーオブバイオレンスからの付き合いだが、
表クロネンな作品に、陰のある役はピッタリだが、
まさかブレックファースターチェアで
揺られて新しい臓器を作りながら、
有害プラを喰らって笑顔で終わるのは
ちょっとやりすぎだが、スキ 笑


クロネン御大、元気そうで何よりだ
もう40年好きな映画監督
脚本から作る作家主義は年齢から考えて、
この先数は作れないだろうが、
期待してます!

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