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もしもあなたが振り込め詐欺の被害にあってしまったら…

このnoteは振り込め詐欺にあったらどうすればその被害を少しでも回復できるかをまとめた記事です。実際の振り込め詐欺被害者からの取材を基に「振り込め詐欺の被害にあったその後」をまとめました。昨今では色々な詐欺が横行しています。古典的な電話での詐欺、融資金を謳った詐欺、SNSを利用してキャッシュレス決済を使った詐欺等々、特にSNS経由の振り込め詐欺は少額で泣き寝入りしてしまったり、未成年が被害にあったりする事例もあります。
読み進める前に、一つだけ厳しいことを書き残しておきます。今、この記事を読んでいるあなたは詐欺という犯罪に巻き込まれています。それは他人事でもなんでもなく、犯罪組織及び個人に大切なお金を搾取されたのです。その認識をしっかりと持って、この先を読み進めてください。

振り込め詐欺かな?と思ったら

振り込め詐欺の被害にあった!とあなたが気が付いたとします。ここで焦って警察に電話してもうまく話せるかどうかわかりませんよね?警察や銀行などに駆け込む前にやっておかなければいけないことがあります。それは「被害にあった証拠を集めること」です。

詐欺は人間の心理をついた犯罪です。「困った人」からお金を搾取する目的で近づいてきます。その方法は手紙かもしれません、メールかもしれません、もしかしたらSNSでのやりとりも考えられます。証拠を集めるとは詐欺に合うまでの経過を読み取れる資料を集めることです。例えばTwitterのDMとかメールのやり取りも証拠になります。
TwitterのDMは加害者のアカウントが消えてしまうとなかったことになりますから、そうなる前にスクリーンショット(以下スクショ)を撮っておきましょう。

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やり取り全てをできればプリントアウトしておくのもいいですね。時系列で話がわかるようにまとめておくことも重要です。

次に、振り込んだ明細を必ず残しておきましょう。銀行振込なら自身の口座に誰へ振り込んだかわかるように記帳したり、明細を保管したりしましょう。
LINE PayやPey Peyなどのキャッシュレス決済を利用したコンビニ払いの場合も同様です。振込先がスクショで送られてくるのであればそれも証拠として撮っておきましょう。

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※やり取りをこの様にスクショして、パワーポイントなどに貼り付けてまとめれば便利です。
次から説明する手順は同日に行ってください。順番はどちらでもOKです。

警察に届けを出す

警察に被害届を出しに行きます。この時、最寄りの派出所ではなく、お住いの地区地域の警察署に行ってください。派出所だと時間がかかってしまいます。また、詐欺という事件は経済事件なので、事件事故とは少しだけ毛色が違います。

警察署について、受付みたいなところで「振り込め詐欺の被害にあったので、被害届を出しに来ました。」と言ってください。ここで気弱な感じだと気圧されてしまいますので「犯罪に巻き込まれて怒ってるんだ!」位の意気込みで行きましょう。

被害届を出しに行くと、必ず2課という経済犯罪専門の部署に通されて事情を聴取されます(カツ丼は出ません)。そこで揃えた資料を見ながら時系列に説明していきます。結構な時間を取られますので、そのあたりは覚悟して望んでください。被害届は事の大小に関わらず必ず受理されます。捜査の経過などは警察が調べてから報告があると思います。その時は指示に従ってください。

銀行に詐欺の被害にあったと報告する

もしあなたが銀行口座へ入金したならば、犯人の銀行口座を凍結させることができます。この作業は警察へ行く前に一報入れておいたほうがいいと思います。振り込んだ銀行でしか受け付けてくれませんので、振込先の銀行を検索して、その支店に直接電話したほうが話が早いと思います。

これをやっておかないと被害者は増える一方です。何よりも犯人は振り込まれたらすぐに口座からお金を引き出します。凍結させないと口座にお金が残ってないなんてこともあり、戻るはずのお金が戻ってこなくなります。

よって警察に行くよりも先に銀行口座を凍結させましょう。これも自身で用意した資料に沿って「ここの口座に振り込んだ」と説明し、振り込みの明細も残している旨伝えてください。早ければその電話の直後に凍結されます

キャッシュレス決済での相談窓口各社まとめ

キャッシュレス決済を使用してコンビニから振り込んでしまった場合、こちらは手順が少々複雑です。LINE PayやPay Payにまずメールを送らないといけません。各社お問合せ先があるので、そちらに簡単に問い合わせを掛けます。

LINE Pay

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PeyPey

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LINE Payはログインが必要なようです。アプリを入れないといけませんね。PayPayは上記のリンクからお問合せができます。
各社あまり長い文章が書き込めないので「振り込め詐欺にあったようです。送り先は写真送ります」との一文で返信が帰ってきます。この時、キャリアメールだと受け取りづらいのでG mailなどのブラウザメールでやり取りするとスムーズです。

G Mailを利用されたことない方は下記リンクから作れますので作ってみてください。

やり取りはもしかしたら根掘り葉掘り聞かれるかもしれないし、すぐにはアカウント停止などの処理を行えないかもしれません。が、ペイメント各社は金融業の資格を持っているので業務形態は違いますが、銀行と同様です。臆することなく問い合わせましょう。

被害金額を少額でも取り返すには?

警察に被害届を届けた、銀行にも連絡して口座も凍結した!で実はこの事件は終わりません。ここからが長いのです。時系列を追って説明すると…

・警察は銀行と協同で犯人の内定を始める
・銀行は預金保険機構経由で同事件の公示を掛ける
・警察は内偵調査の途中、ネット犯罪であれば情報開示請求を裁判所から取る
・内偵調査後に逮捕、犯人取り調べ
・銀行は公示期間で募った被害者数を確認
・銀行口座に残っている金額を被害者が分配

ざっとこんな感じで、約2ヶ月は掛かります。ここで注意してもらいたいのは犯人の銀行口座にお金が残っていなかったら、分配金は0です。また、少額しか残っていない場合はほぼ0に近い金額です。

幸運なことに犯人が逮捕されたと連絡があったら、民事裁判にて被害額に慰謝料を加算した損害賠償請求を行えますが、額が少額だと弁護士費用のほうが高く付きます。それにすでに破産かそれに近い状況に犯人は置かれるので、請求しても支払い能力がなければ支払われません。
これが刑事事件の顛末で、少額詐欺をゲーム感覚で行う神経の持ち主は反省どころか何とも思っていません。なので集団で被害を訴えて、5年ほど刑務所に入ってもらうように仕掛けるしか今の所やり返せないのです。なんだか切ないですね。

以上、詐欺被害にあった時、あった後、どの様に行動するべきかをまとめました。
この記事は取材を基に構成して、また新手の詐欺が発生したらどんどん情報を更新していきます。

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詐欺の被害が減りますように…。願ってやみません。

長文にお付き合いいただきありがとうございました。

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