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ちょっとだけ距離をおきましょう

 たまに、野津田岳人さんはさびしがりやなのかな、とカンチガイしそうになる。マイボールになると、すぐに味方選手のたくさんいるところに、すいよせられるみたいにして移動するものだから。ボールのあるサイド、ビルドアップする3バック、スローイン、みんながあつまってるところにすりよっていく。でもかなしいかな、ボールはそんな彼に反発するみたいにして、野津田さんの脇や頭上をとおりすぎる。野津田さんのいないほうにとんでいく。すると本人は「あれ?」首をかしげるのだ。こんなはずじゃないんだけど……と。

 ちょっとさびしさのあまり寄りすぎなのではあるまいか。けっこうパスコースの過剰供給になってることおおいし、相手にとっても視野におさめやすいとこにいるのでなんの脅威にもなれてない。そりゃあゲームをコントロールしてる(?)手ごたえもないはずである。

 もうすこしみんなと距離をとってみたらどうだろうか。そんなことをふとおもう。いくら親しいひとのことでも、あんまり近くにいるとちょっとした変化にも気づけなかったりするじゃないですか。だから、ほんのすこしでもいいから距離をとって、みんなをながてみたらいいのにと。もしかしたらおもわぬ発見もあるかもしれないぞ。たとえばみんながなにをしたいのかとか、いまなににこまってるかとかがハッキリとわかるようになるとか。相手のねらいなんてのも見抜けるかもしれない。

 野津田さんがもし、そんなふうにすこし距離をおいて、フカンでピッチを見られるようになって、相手選手の意図を読み、注意やプレッシャーをひきつけながらボールをうごかすようになったら……ぼくはその光景を目にしただけで勝ち点3をとった気分になれる。まちがいない。それに、はなれたところでひとりがんばるガクさんをみれば、チームも「ガクのために!」って燃えるはず。チームのがんばる動機になる野津田さん。いいじゃないか。

 そのためにももうすこし、みんなと距離をとってみてほしいなあ。なんてことをずぶの素人があてずっぽうでモノをいうわけである。

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