原作のドラマ化の構造
原作のドラマってどうやってできてるの?という質問にお答えするためにざっくりと纏めてみました。実際には個々のチームによって多少やり方が変わったり、日々色々な問題が起こったりするものですが初めての方でもわかりやすいようになるべくシンプルに纏めてみました。
初ノートでレイアウトがうまく整えられていない点ご容赦いただければ幸いです。
1.企画開発期
TV局が出版社からドラマ化権を取得
プロデューサーと脚本家を中心に脚本の作成を行う(初稿の作成)
原作者との確認すり合わせ
脚本改稿
上記のプロセスを繰り返し撮影稿の作成を行います。
主たる変更の要素
キャストのスケジュール(分量が多すぎて撮影日数が合わない)
事務所の要望に夜キャラクターの変更
ロケ地の制限(お城が出てくる映画で予算が足りないなど)
撮影スケジュール上撮影がしきれず欠番となるシーンが発生、前後の繋がりを維持するために一部シーン変更など
Note:製作の構造
TV局手動でキャスティング、大まかな予算策定を行う
キャストのスケジュール、放送予定日など逆算しながら制作会社を選定
制作会社とTV局の間で予算にはまらない部分など協議必要に応じて改稿
局のプロデューサーは制作会社にとってクライアントでありなかなか意見が通しにくい構造があり、予算の増加はなかなかしずらいが、固定されがちなので、演出の要望、事故などで予算オーバーすると潰れる会社もある
大まかな役割分担
プロデューサー
資金面、契約面に関する業務を担当、キャスティングに関しては監督の意向が反映されるされないは企画により異なる
監督
映像化に関する、演出、美術、CGなどのディレクション、大まかに映像内で目に見えるものの方向性を指示する立場
(案件によるため、監督が局の関連会社所属であったり、フリーであったり様々です)
2.プリプロダクション(プリプロ)
撮影に向けた準備期間で徐々にスタッフがチームに参加してくる。
タスク:ロケハン、撮影準備、助演のキャスティング、撮影香盤(スケジュール)、各部の準備など
スタッフ
制作部
ロケ地、制作の進行管理、顎足枕(宿泊、交通、宿泊)の管理
演出部
チーフ助監督(1st AD)がスケジュール調節や制作との連携で重要な役割を締める
撮影部
ロケハンなどに同行し、撮影プランを監督の演出に準じて作成、協議、照明の指示などは一般的に撮影監督、カメラマンが行う一般的にはこの時点ではチーフのみ参加、機材選定等
照明部
演出プランを元に照明プランを撮影監督と共に作成、機材の要望などを制作部に伝える
美術部
美術監督を中心にセットやロケ地の飾りなど予算とプランに応じて準備を進める。セット施工を行う大道具、セットやロケに家具小物で飾りをする装飾、小道具(携帯、文房具など手にとり役者の使用するもの)を纏めて取り扱う。
衣装部
スタイリスト中心に俳優の着る衣装の準備、衣装合わせなど行い全体の衣裳香盤(いつ誰がどのシーンで何を着るか)を作成
持ち道具(カバンなどは衣装部、時計などは美術部で用意したりするが個々の案件によって異なる。
記録
メイキングやスチル担当など、宣伝素材の撮影、現場中に取材やインタビューを行うこともあり。
3.プロダクション(撮影)
プリプロで入ったスタッフに加え各部の担当の現場スタッフの増員が行われる
運転を担当する車両部などもメインはこの時期に参加(状況によるがロケハンなどは制作部で行うことも多いが予算次第)
撮影時は日々の進捗、天候などによって様々な変更が発生する可能性があるが各部署の調節を経て調節を行う、重大な問題、予算がオーバーしそうなものはプロデューサー判断になるが予算以内であれば現場判断になる、予算管理や現場の執行能力に問題があると予算オーバーする原因になりがち
4.ポストプロダクション(ポスプロ)
編集、音楽、CG/VFX、SE(音効)MA(整音)等の作業
携帯の画面などは画面屋さんと言われる人たちが作成した操作できるものをプリプロ時に作成したり、CG/VFXの規模によっては現場立ち会いや素材撮影なども発生
5.宣伝
公開に向けての宣伝、テレビ番組への出演やSNSでの露出など。
素材の準備やタイミングが重要なため情報解禁日が設けられ、PRの必要に応じて所定のリクエストがでたりネタバレ注意などのガイドラインが設けられたりする
6.放送開始
引き続き所定の宣伝を行う
上記は基本映画、ドラマ、CMでも構成は近いものがあります。また爆発シーンや特殊な水中撮影など行う場合は専門のチームが組成されます。
一般的にプロデューサーは複数案件を同時に抱えていたり、放送開始時に後半を撮影中というケースがあったり様々です。
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