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動画をやるならまずはモンタージュ理論を

映像世紀が終わり、動画の時代となって10年くらいでしょうか

スマホの登場により動画を見る環境は劇的に変化し、また動画を撮影・編集するコストもハードルも一気に下がり、誰もが動画制作を出来る時代となりました

2019年から2020年にかけて動画制作をし始めた人も多くいると思います

動画編集は激重でハイスペックなパソコンでしかできなかった時代が懐かしい程、お手軽にスマホのアプリで編集できます

写真もそうなんですが、動画撮影も編集も誰にでも出来てしまうんですよね

しかしというか当然というか、完成度の質はアマチュアとプロでは歴然とした差があります

ポジショントークではなく、プロとアマに差がなかったらダメなんですよ
プロである以上は当然の自負だと思っています

自分が思うプロとアマの差は動画に「意図」込められるかどうかだと思っています

なぜ、そのタイミングでカットするのか、なぜそのエフェクトを入れるのか、なぜそのテロップを入れるのか、なぜなぜなぜなぜ

何となくカッコいいからでエフェクトを入れるということはなく

すべて意図があって選択をしています

すべてのカットにおいて意図を説明できるかどうか

「意図」があるかないかの差は「訴求力」があるかないかに繋がっていきます

とは言え、動画を作っていて画が寂しいから賑やかしが欲しいなと思うことがあり、賑やかしでエフェクトを入れることはあります

それは賑やかしという「意図」で入れているということです

ただし、最近もしかしたら動画の使われ方、動画を使う側の「意図」そのものが変わってきているかもとも思っています

PR用の動画は紹介するものがメインで、あくまで動画はツールというかサブ的な役割ではありました

ただ、現在のように情報が高速に流れていく時代だと動画のサブ化がより進みつつも、動画を入れているというブランディングに重きがあるのかなと

動画の中身よりも動画を発信に入れるということそのもののにある程度の価値が置かれているため、中身よりも決められたフォーマットの動画が好まれるという動画のコンビニ化が進んでいるのかもしれません

つまり、動画の中にエフェクトを入れるのではなく、情報の賑やかしとして動画を発信の中に入れるという使われ方をしているのだろうなと

動画もコンビニと専門の2極化に進んで行くんだろうなと思います

という話はさておき、どんな動画を作るとしても基礎は大切です

動画の基礎というとやはり「モンタージュ理論」になるだろうなと

【モンタージュ理論について話したyoutube】


モンタージュはロシアのエイゼンシュタインが発明した映像の見せ方です

というより、現在に続く映像→動画の歴史はモンタージュから始まっていると言っても過言ではありません

モンタージュ理論を簡単に説明すると、後ろの映像は前の映像の影響を受けて新たな意味が現れるというものです

死体のアップと驚いた人の表情のアップのカットがあった場合

一つ一つは独立していますが、この2つを繋げると

死体のアップ→驚いた表情のアップにすると、驚いた表情は死体を見たからだと、驚いた表情に「新たな意味」が現れます

これが「モンタージュ理論」です

モンタージュ理論が発明される以前は、観客に状況を把握してもらうために引きで撮っていました

死体のカットのアップと驚いた表情の人のアップではなくて死体と驚いた人を同時に見せるショットで撮られていました

小さなころから映像や動画に触れている人たちにとっては(もちろん自分もですが)当たり前すぎる内容なので、ここを勉強するという意味が分からないかもしれませんが、自分は今でもはっきりとモンタージュ理論を意識をして動画を作っています

岩井俊二監督と庵野秀明監督の対談本「マジック・ランチャー」の中で、現在の映像作家はモンタージュ理論に縛られている、モンタージュ理論を超える理論を発明したら億万長者になれる

というようなことが書かれていました

岩井俊二監督や庵野秀明監督クラスでもモンタージュ理論を意識して作品を作っているということですね

なぜこれほどモンタージュ理論が大切なのかというと、動画の本質はカットにあるからです

撮影素材のどこからどこまでを使い、どことどこを繋げるか

映画「カメラを止めるな」が話題になったのは30分のノーカットを実現したからというのがあります

30分のノーカットは本格的な撮影をしたことがある人ならどれだけ大変かが分かり、助監督やスタッフの緊張感を考えるとスゴイ!という気持ちよりもゾッとする気持ちの方が強い人も多いと思います

この作品はある意味では映像の持つ本質カットを逆手に取ったともいえるわけです

上記のツイートのような状態がなぜ起こるかを考えた時に、もしかしたらモンタージュ理論がどういうものか分かっていないのではないかという仮説が立てられます

カットとカットのつなぎの大切さ、モンタージュ理論の大切さを意識していないからエフェクトでわちゃわちゃなる動画を作るのではないかと

カッコいい動画はありなんですが、伝えたいものことをしっかりと伝える、つまり「訴求力」のある動画を作るにモンタージュ理論を意識することです

モンタージュ理論は、目の前に流れているカットは1つ前のカットの影響を受けているということです

つまり、1つ前に出したテロップならその文字に目の前のカットは影響を受けているうことですね

↑さらりと書きましたが、ここめちゃめちゃ重要です

動画を作ることは今は簡単で、沢山の動画を作り量を質に変えることができるかもしれませんが、動画のルールというか基礎を同時に勉強していくとよりいいと思います

その場合、動画と調べずに映像と調べてみるといいかもしれないですよ

最後までお読みいただきありがとうございます それだけでとても嬉しいです ただ読んでくれただけで イヤ本当に読んでくれただけで十分です 本当に嘘じゃないよ