あまりにも「もったいない」試合

J2リーグ第10節 vsアルビレックス新潟 @味の素スタジアム
前半0-0/後半1-0 合計1-1

両チームスターティングメンバーと基本フォーメーションはこちら↓


節目の10節

ホワイト体制も気づけば10試合目。筆者としてはもうそろそろ見極めないといけない時期なのかななんて思っている。この試合前の時点で2勝3分4敗、勝ち点9という成績。だいぶ順位的にも低く悩ましいところである。ただ少しずつ改善も見えているなかで、この試合は分岐点になるであろうと考えていた。この日のスターティングメンバーは小池が左サイド起用なことと、端戸のベンチスタートである。
相手は試合前の時点で9位のアルビレックス新潟。この試合の週に片渕監督を解任。後任には昨シーズンにアルビレックス新潟シンガポールを2シーズン務めていた吉永氏が就任。対策のしようがない中でホワイト監督の出方は注目だった。
それではいつも通り攻撃と守備の2局面に分けて振り返りたいと思う。

攻撃

まずは前半。皆さんも思ったかもしれないが、うまく言った攻撃は少なかった。自分がその中で選んだのはレイオフなどを使った中央突破である。それはポジティブトランジションの瞬間に前にいる選手を認知し一気に縦に速攻を仕掛けていた。ただ、これ以上のフィニッシュにつながる攻撃がなかった。

前半目立ったのは、ラスト30mでの質・配置などが伴わなかったことだ。言い方を変えると、前進だけはできていたということだ。相変わらず中盤のトライアングルは機能しており、この日は梶川のハーフスペースでのタスクもうまくいっており梶川の起用は今後も期待したいなと思った。
残り30mの例えとすると、コイッチがサイドに流れても中に選手がいなくなってしまったり、大外レーンの選手に預けても突破にはつながらず、結局フィニッシュシーンは多くなかった。また自陣深くからのロングカウンターも、アルビレックス新潟はネガティブトランジションの際にまず自分の後ろの選手を認識しカバーシャドウしてから前線にプレッシングして、制限する守備がヴェルディにうまくはまりロングカウンターもうまくいかなかった。実際失点シーンを誘発したボールロストのシーンでも同じような守備の形でロストしている。さらに、選手間の距離もあまり良くなくセカンドボールも拾えず上手くいかないじまいの前半だった。

良い攻撃もないまま前半が終わってしまい、後半。コイッチに代わりに端戸の投入から、サイドでのオーバーロードを選択し、そこからの攻略とうまく相手を左サイドに寄らせてからの逆サイドのアイソレーション(若狭、後半途中からは永田)を生かす形になっていた。

この攻撃がうまくできた要因として自分が考察するのは、
1.端戸がハーフスペースでプレーして前進を手助けしたこと
2.梶川が前半のハーフスペースのタスクから抜け出して少し下がって前向きにプレーが多くできたこと
3.1や2によって前半にうまくハマっていた新潟守備のマーキングの基準がずれてボールを回せるようになったこと
4.左サイドの崩し+右サイドでのアイソレーションという攻撃の形ができ、選手たちに迷いがなかったこと

この4つが主な要因ではないかと思っている。

その後ヴァウメルソンが投入されてからは、左サイドに投入されたため突破という特徴がうまく発揮できない時間が多く、最終的にも失速してしまった。この攻撃方法は、守備にも影響を与えていたので後述したいと思う。

あと、永田の右サイドでのウイング起用に関してだが、筆者はアイソレーションから縦の突破ではなくカットインもしくは左足のゴールに向かうクロスが狙いだったのではないかなと思う。

攻撃の総括としては、後半のようにはっきりした攻撃手段があってもいいのかなと思った。ただし選手起用の面ではネガティブな感覚を覚えた。永田も本職の左サイドでの起用ではなく右サイドのウイングだったり、ヴァウメルソンも特徴のドリブル突破の生かせるアイソレーションを実行していた右サイドではなく、オーバーロードを実行しスペースの無い左サイドでの起用だったり、正直腑に落ちない起用が多かった。選手のストロングポイントの生かせる起用を期待したいと思う。

守備

この試合は前半は特に守備が悪かった。この試合の守備の形はこのような形。

相手の2DHにヴェルディのシャドー2枚を当てる形。これは選手の判断ではなく、監督の指示であるので完全に狙った形である。(前半に通訳から「コウタ17!優平10!」という指示があった)ただこの采配は正直良くなかったと感じた。このコウタと優平が相手の、または時にDH、時にはCBまで出ていく場面もあったがそれが完全に仇となっていた。2人が出て行ったスペースの管理ができず、アンカー脇に落ちてきた選手に相手の縦パスを入れられ簡単にライン間への侵入を許していた。また優平が後ろがついてこない状態でフラフラ前に出て行ってしまったり、逆サイドのプレスに行ってもフリックで交わされ自分のいたスペースを使われるシーンなどが多かった。
また上図のような相手の2-2-1-5に近い形の攻撃陣形より、相手DHにコウタや優平が出て行ったことにより完全に中盤の幅不足で縦パスも入るし、ヴェルディが圧縮しても強度が足りずその局面を抜け出されてしまい逆サイドに展開されてしまい前進されてしまったシーンもあった。

前半40分頃からは4-3-3の陣形でプレスに行き相手のビルドアップの妨害が上手くいっていたシーンもあった。

後半では攻撃の際に述べたように、左サイドでのオーバーロードにより自然と攻撃時の距離感が近くなり、ボール奪取後の即時奪回のムーブが自然とできておりかなり守備面は良くなっていた。もちろん相手の運動量が落ちていたのもあるだろう。

またネガティブトランジションの観点から言うと、やはり攻撃時にどうしても中盤のトライアングル3枚が攻撃で前線に行き過ぎてしまい、ディフェンスラインから前線の間が間延びしてしまい被カウンター耐性が相変わらずないなという印象だった。ここに関してはもっと改善の余地があるのかなと思っている。ただ攻撃時のフォーメーションが2-3-5に近い形のため中盤の3の選手にもっとバランスを取らせる必要があるのではないかなと感じた。

まとめ

この試合は両チームともにあまりいただけない失点だったので、もう少しうまくやれば勝てた試合なのではないかと思う。まあたらればになってしまうので何とも言えないが。ただタイトルにも述べたように、失点がもったいなかったのは事実だ。あのようなイージーミスが多かったのでそこが減らせると自ずと勝ち点も増えてくるのではないのだろうか。
そしてついに、節目の10節になった。正直、かなり微妙なラインにあるなと感じている。筆者としてもホワイト監督がもし首になっても正直びっくりはしないと思うが、進歩していないとも言えないのでできれば続けてもらいたいなと思っている。
あとは更新が遅くなってきてるのは、筆者の大学の授業と、コーチをしているためそちらの分析や練習もあるのでご了承ください。今回の分析のように筆者としては少しいまいちなレビューになることもあるかもしれませんが、それでも読んでいただける方がいればうれしく思います。

また来週には番外編として「関東大学リーグ1部・第3節・中央大学vs早稲田大学」のレビューも投稿予定ですので読みたい方がいればぜひお読みください。(もちろんヴェルディもいつも通り投稿予定です)

長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました😊


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