見出し画像

子育てにおいて、「問題を先取りして言語化しておくこと」はとても大事かもしれない

子育ては問題の連続。

そのひとつひとつを心配し、子どもが悲しまないように事前にレールを引くことは過干渉だと思います。でも時に、親の不用意な一言で子どもに大きく傷を負わせてしまうこともあるでしょう。

「親がうまく言語化できないゆえに子どもを傷つけてしまう」

それを避けるために、いくつかの問題を先取りして、親同士で話し合って言語化しておくことは大事なことかもしれません。

娘4歳。保育園で男の子にちょっかいを出される

ことの発端は、4歳娘が保育園で、特定の男の子に「かわいくない」「ぬりえが下手」などとちょっかいを出され始めたことでした。

このことを夫と共有したら、夫が「へぇ~その子は娘のことが好きなんだろうね」と言いまして、わたしにはとてもショックだったのです。

というのも、わたしは小学校5年生のころ、特定の男子に「ブス」「毛深い。猿みたい」「お前のことなんて誰も好きになんねーよ」などと言われ、ふでばこを隠されたり、心無い言動でいじめられていた経験があるからです。

しばらくたって「好きだからちょっかいを出していた」と言われたときは、「好きなのにいじめるとか意味わからん、あんたなんか死んじゃえ」と相手のことをほんっとうにキライになりましたね。

好きだからちょっかいを出す。でも言われたほうはちょっかいではなく、いじめだと感じる。

わたしは先ほど、「娘がちょっかいを出された」とあえて書きましたが、娘が傷ついているならば、それはいじめです。親が「その子は娘のことが好きなんだろうね」とプラスの意味で発言したら、娘はさらに傷つくと思うのです。


もしいじめにあったら、もし痴漢にあったら、そのときどう答えるか

今回の出来事は、わたしが夫に共有したことに対して、夫が感想を述べただけです。娘に直接言ったわけではない。だから、まだ何も起こってはいません。

でも私は過去の経験から、それに過剰反応してしまいました。もし娘に直接言っていたとしたら、ちょっとゾッとしちゃいます。「好きなんだろうね」というのは、つまりは「だから許してあげてね」「好かれてよかったね」なんて意味合いも含むと思うから。その一言は、「許せない私が悪いのかな?」「好かれているのにイヤな気持ちになるのはダメなことなのかな?」と余計な苦しみを産むかもしれない。

少し飛躍した考えかも知れませんが、もしこの先、いじめにあっているとか、痴漢にあったとか、そういうことを告白されたとき…

「どうして言い返さなかったの?」
「もっと強くなりなさい」
「露出の高い服を着ていたんじゃないの?」
「だから夜は出歩くなって言ったのに」
「女として見られているんだからいいじゃん」

こういうことを言い出しかねないのではないか?という心配も心をよぎったくらいです。もちろん、夫に娘を傷つけるつもりなんてありません。でも、ついうっかり発言したことで、取り返しのつかない傷を負わせることもあります。

とっさの一言には価値観が多いに反映される

もちろん、全ての事柄に、事前の答えを用意することは不可能です。大人同士の会話なら、お互いの意見をぶつけながら考えを軌道修正していけるので、事前に考えておく必要はないのかも。

でも幼い子どもに対して、親は絶対的な存在であるわけです。親の考えを「それが正しいのだ、間違っているのは自分なのだ」と思ってしまう可能性が高いので、いざというときにどう答えるべきか、自分なりの考えを親同士で議論しておくことは大事なことだと思います。

今回のことは、わたしも夫も、自身の経験から極端な方向に行きがちでした。好きな女の子をからかっちゃうのは男あるあるでしょ?という夫と、それはいじめでしょ!と息巻く妻と。

とっさの一言は自分の経験から引き出されるものになるので、それが偏った意見ではないか、どう対応するのがベストなのか、事前に親同士で話しておくのがいいかなと思った出来事でした。

娘その後

娘にどう思ってるのか聞いてみたところ、はじめのうちは悲しんでおり、「このぬりえ下手なのかな?」などと言ったりもしましたが、「今日も言われたから、もう○○くん大ッキライだからあっちいって!って言った」とたくましいこともあり、あまり大事にならないようオブラートに包みながら保育園に報告しました。

どうやらその男の子は定期的にトラブルを起こしているようで、先生の方でも声をかけたり見守ったりしていくとのこと。娘に対しても、たまに遊びを邪魔されることはあるものの、最近は問題なく過ごせている様子。

誰になにを言われても、娘はめっちゃかわいいこと。ママの大事な宝物だということ。それは毎日伝えていこうと思います。ぬりえもね~下手とか言われるのありえないくらい上手なんですよ。壁に貼って、たくさん褒めています。いつもいつもうまく行くわけじゃないけれど、たくさん愛情を注いでいきたいと思うのでした。

おしまい。

いただいたサポートで子どもに絵本を買います!