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読書感想文「出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと」

タイトルの「出会い系」という単語とは裏腹に、やりたことって?仕事って?自分って?と向き合える内容だった。
ヴィレヴァンの店長で既婚の主人公が、旦那との別居をきっかけにいろんな人に出会って世界を広げていく話。
本が好きな人ならイメージしやすいと思うが、自分が読んだ本を人に勧めるのは緊張する。「気に入ってくれるかな」「読みたいテイストと合っていたかな」「本を好きになってくれるかな」
そんなことを思いながらすすめる。

主人公の奈々子さんもそう。
本が好きでそれを人に勧めるのが好きだった。別居をきっかけに出会い系サイトに登録をし、「本を勧める」武者修行を始める。
そこで「こんな人がいてもいいんだ。」と思い、「もっとすごくないとダメなんだ。」という気持ちが軽くなっていく。

知らない人と会うのだから何かすごいものを提供しなきゃ。自分なんかじゃ足りない。私がそう思う気持ちも軽くしてくれた。

次第に奈々子さんの価値観も広がっていく。
自分から会いたい人にコンタクトを取り、会いに行く。
今までは知らなかった友達、知り合いが増えていく。
自分のことを人見知りだと言っていたとは思えない。
次第にやりたいことを見つけ生き生きとしている奈々子さんを見て、
素敵だな。私だったらどうだろう。なれるかな?と考えることが出来た。

奈々子さんが本をすすめる際に聞いた一言で「読後どんな気持ちになりたいですか?」という一言がある。
私自身が本を選ぶときに基準にしていたものが言語化された。

本は知識を得るものだと思われがちだが、私が本屋さんで何を読もうかなーと本を見ている時は、
「悲しいから思いっきり暗く悲しみに浸りたい」
「最高にハッピーだからふわふわな砂糖菓子みたいな気分になりたい」
「なんか退屈。スカッとしたい」
「ただただ感動したい」
今の気持ちがこうだから、こういう気持ちになりたいと感じて本を選ぶことが多い。

私はそれは本の内容ではなく、ただ心の動きを生むためにしているものであまりいいものだと思っていなかった。
もっと本質的に内容に向き合わなくてはだめだと。
しかし、そういう読み方をしてもいいのだと気づくことが出来た。

読後の気持ち


・誰かに本をすすめてみたい!
・すすめてもらいたい!
・いろんな人に会って世界を広げたい!
・私のやりたいこと、なりたい姿って何だろう?

どんな人にすすめたいか


・一歩を踏み出すのに勇気が出ない人
・人に本をすすめてみたい人
・なんとなく今を変えたい人(劇的な変化ではなく気づいたら変わっていたという変化)
・普段あまり本を読まない人

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