そして、女性誌を四冊買ったのである。 ___________________ メルカリで写真集を見ていると 女性誌がおすすめに出てくるようになった。 アイドルやグラビアの写真集は おじさんがメインターゲットなのだろうが 女優やタレントの写真集は案外、 購買層が30代前後の女性なのかもしれない。 現代の女性誌は (といっても昔からのように思うが) 必ずと言っていいほど付録がある。 どういったマーケティングなのか そこにはあまり興味がないので わざわざ調べたりはしないが
写真を整理している。 忘れている素敵な写真に再開する 時間を超越した旅みたいだ。 こういうと最もらしいが 大義名分などなく 10TBのHDDの容量がひっ迫していて それが恥ずかしいことに4TBは アダルトビデオなのだから 困ったものである。 エロティシズムを哲学した書物を 昔から収集しているため ここを語り始めると 冗長を極める可能性があるので それはまた別の機会に書くとして。 3代目になるHDDの容量を 少しでも軽くして 初夏から激動になりそうな 撮影に備えようといっ
二十歳の時分に撮った写真を ぼんやりと振り返っていると もう、その時にどんなことを 考えていたのかがわからなくなっていた。 思考することを好み 泡沫のような欲情を拭い 目に見えないものに 時間を割いていたように思う。 漫画、スキップとローファーの八巻に こんなやり取りが出てきた。 「考え事するときって 言葉で考える?」 『まあ、そうだな。言葉。 逆にお前は言葉じゃないなら どうやって考えてんの?』 「オレ? オレはそうだなー なんだろ 砂みたいな……。」
「あなたはもっと外に出た方がいいよ。」 丁寧にそんなことを言われたのは 久方ぶりな気がする。 −−−−−−−−−−−−−−−−−− 突然の呼び出しLINEは 去年末にBarで隣になった中年の男だった。 翌日の朝から撮影が入っているので、 カメラカバンを準備をして 昼から夕方にかけて飲んだ アルコールを抜いているくらいの時間だった。 『20分で着きます。』 エアコンと加湿器を消して、 閉め忘れていたカーテンを閉めると、 決まっていたかのように すっと着る服が決まった。