月兎葉音(つきとはね)ーコトノハー

詩。散文。ひとりごと。

月兎葉音(つきとはね)ーコトノハー

詩。散文。ひとりごと。

最近の記事

表現の向かう先は何処

まず、そもそもの定義が曖昧だからなぁ。 何をもって「詩」とするのか、又は成立するのか。カテゴライズするのもされるのも、本来は可笑しい話なのかもしれないな。 批評者が一つの詩について評したり論じたりする事は、ある意味その書き手の外枠を決めてしまい、独自の色を喪失させてしまう行為にも成り兼ねない可能性があるのでは…?、などと思ったりもする。(予め、わたしは全くの素人です…) 自由であって良いはずの表現。それを挫くような(場合もある)評との関係は、果たして正解と言えるのか否か。

    • ひとりごと

      何故だろう。詩集を含め、本を読む為に欲する場所が、自宅ではなく日常の延長線上にある非日常の空間なのは。読書が特別なものとは思わない。けれど、特別な場所で読みたくなる。それは、読書は特別な行為ではなくても、手にしている「本」という形には、特別を感じるからかもしれない。 例えば、自分が詩を書く事や書いた詩を、特別なものとは思わないし異質だとも感じない。が、記してきた言葉たちを一冊の形にした時、そこには何とも言えない特別感が生まれたのだ。 だから、沢山の方が作り上げた「本」には

      • 『扉をさがす追憶』

        累積した肌膚を 何処まで脱いだなら 満ち溢れる養分を 持て剰していた頃への遡及が 叶うのでしょうか 置き去りにした悔い 蓋をしたナマモノ 振り払ったのは手と視線 刻まれてゆく皺の溝に 刺青の如く彫られ消えない残像 そして偶像 戻れる手段など有りはしない 然れど夢を見る、もしも、などと 目の前に座するウンベラータの葉脈が 今日も瑞々しい熾烈を まざまざと見せ付けてくるから 届かないと知りつつ、 それでも 届けたくて書き続けた文(ふみ)の束を 焼却するという選択肢は い

        • 「さよなら」

          心が叫んでいる。苦しい。もういいと。決して口には出せない言葉に埋もれ呼吸を忘れる。嗚呼、もうこのまま窒息でもすればいいのか。どれだけ願っても望んでも欲しても叶わない事は既に解っていた。しかし、それでも構わない。僕はただ正直で在りたいが為に自分を信じた。君を信じ続ける気持ちにも偽りはない。 これからも其れは不変だ。しかし想いは膨らみ過ぎてしまった。心が破裂したんだ。あの日、あの時に。裂けた心から溢れ出したのは血の泪。痛みを感じる事が出来れば救われたのか。僕の痛覚は麻痺してしま

          『碧に』

          碧に 溶けてしまいたいんだ また 身体中で感じたいんだ だから 待ってろって叫ぶんだ ひとり 想いを馳せて歌うんだ いまを 生き抜いてみせるから いつか 再会を果たしたときは 一緒になって歌おうぜ 一つになって笑おうぜ 碧に 溶けてしまいたいから 僕は 明日を跨いでやるんだ 碧に 抱かれて眠るそのときを ただ 夢に見ながら駆けるんだ ※過去詩加筆・修正

          書けない理由(わけ)

          うぅむ、難しいな。書きたいのに書けない。だけれど、いまの自分が詩を書けない理由は分かっている。引きこもり生活が長すぎて何の刺激も受けていないからだと察している。しかし。受けたいとも思っていないのだからこれまた厄介だ。穏やかな日々であることだけを願って生きているから、自然と刺激を避けている現状である。 ふぅむ…。本を読んだり映画やテレビを観たり音楽を聴いたり、誰かと会話したり。そういう刺激も大事だが、まずは外に出なければならぬか。とても気力が必要だし緊張もするが、このままでは呆

          ひとりごと

          色々と思うことはあるけれど、考えてもどうにか出来るわけではないから。ただ間違った方へ倒れてしまわないように踏ん張るしか他にない。何が正しいのかもよく分からないけれど。 不安と寂しさに負けてしまわないように。何年も取り憑かれたままで足掻いても振り払えなくて、この先もずっとそうやって時だけが流れてゆくのかと思うと、虚しさが押し寄せてきて飲み込まれてしまいそうになる。その波を被っても立っていなきゃいけないのかすら、もう分からない。 ひとを愛するって、愛してしまうのって、その時点

          『罹患』

          遍く空に架かる星の大河よ どうか 教えてくれないか これは、恋なのか 朦朧と影にすがり 膝を突き合わせ 無自覚だった意識が覚醒した 痛く 切なく 激しく 儚げを装う強さで 熱を帯び、生まれた まほろぶ時の記憶にさえ それは既に、生きていた もどかしさと 同時に生じた 衝撞(しょうどう)とにまみれながら 我が内に、いた あのひとの心を 透かしたい 明かしたい そして 埋め尽くしたい この熱で あのひとを包みたい 溶かしたい 燃やしたい 焦がしたい 嗚呼 これは 欲

          『銀の羽根の欠片』

          深い亀裂の罪 十字架の重さ 食い込む背中 傷付けた両翼 痛めた胸の内 抜け落ちた心 記憶とは裏腹 巻き戻せない デジタル表示 あの海の星砂 砂時計にして 逆さに置いた 遡ってゆく刻 岐路から辿る 滴り染みた痕 涙に凍る羽根 ひとつひとつ 見つけてゆく この掌に抱き 想い出と共に 浄めるべくと

          『慾』

          問う。我に問う。 それは、心から望んでいるものか。 そして、心から望んでいることか。 幾つもの引き出しを備え持つ主達を 羨ましく思っているだけではないのか。 他人の真似事がしたいのか。 才能や人脈に嫉妬しているのか。 真剣にそれらを手に入れたいと思うか。 お前は、己を解っているのか。 お前は何がしたいんだ。 お前は何が欲しいんだ。 お前に出来ることはなんだ。 お前にしか創り出せない、 そんなものが、そんなことが、 あるとすれば、それはなんだ。 どうなんだ。 それ

          『senseとsentence』

          深い眠りに就いているセンサーを 呼び起こすために油を注す ギシギシと耳障りな声で目覚め 訝しげに 御用済みではなかったのか、と 大きなアクビで応え、 窓の外に広がる光を浴びながら ゆっくりと伸びをしている彼 いつぶりかに呼び起こされ 鈍りきった様子のその体は 果たして使い物になるのか 何とも不明だけれど あの日 縛りつけて眠らせてしまった事を まずは心から詫びておく それから彼に 自分勝手な理由(わけ)を伝えた もう一度 潜らなければならない そして 泉を見つけなけれ

          『ふうせん』

          浮かぶ風船の紐を手にして 嬉しそうに笑っている子とすれ違った その風船のなかには きっと 沢山の楽しいことが詰まっているんだろう それが逃げてしまわないように しっかりと握っているんだろうな 立ち止まって振り返り その子の後ろ姿を見ていたら 色んなことが 本当はもっと単純なのかもしれない、と それでいいのかもしれない、と 思えてきた 難しくあるのが大人だと そんな勘違いをしている自分に、 自分を取り巻く世界に、 色とりどりの風船を プレゼントしてあげたくなった 僕は何を

          『回帰』

          魂が宙をさまよう 宵と闇の狭間で それを見つめている わたしに 何ができるのか わたしは 何も持たないから 選択肢は自ずと少なく だから 唯一、持ちあわせた 言葉を綴り 宙をさまよっている魂に 届ける 魂は それを丸ごと飲み込んで わたしの中に戻り 「おやすみ」と 静かに眠った

          うん。 ちゃんと生きよう。 ちゃんと息しよう。 溺れてばかりじゃ苦しい。 「自分はどう在りたいか」 それが揺らいでしまえば もう立ってらんなくなる。 嫌われていようと どう思われていようと それで わたしが失くなる訳じゃない。 わたしの気持ちが重要で わたしの心がいちばん大事。

          うん。 ちゃんと生きよう。 ちゃんと息しよう。 溺れてばかりじゃ苦しい。 「自分はどう在りたいか」 それが揺らいでしまえば もう立ってらんなくなる。 嫌われていようと どう思われていようと それで わたしが失くなる訳じゃない。 わたしの気持ちが重要で わたしの心がいちばん大事。

          わたしが「詩」を書く理由

          わたしが書いているものは「 詩」とは言えないのかもしれない。“詩のようなもの”とも言えないのかもしれない。だってわたしは何も知らない。何一つ知らなかった。詩、と一言では括れない世界があった事を。「詩」について学ぶ事も、学ぼうとする事もなかった。「詩」は、わたしの思う“詩”だったし、それしか知らなかったから。余りにも狭い世界にいて他を知る由すらなかった。それらが全てだったから。だから現代詩というカテゴリもポエトリーと呼ばれるものも知り得なかった。詩がカテゴライズされるものだなん

          わたしが「詩」を書く理由

          『息吹』

          雨のあと まほろび かがやく 点々たち あくびと 伸びをし さえずり 葉を巡る からから がらがら とどろく 命の継目 陽を浴び 初々しく 蕾芽吹き 繋いだ首 風に揺れ 時を知り 危なげに 生き返る