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【22.01.24】交番みたいなカフェ

2022年1月24日(月)

この日も新規のお客様が多かった。
少し前に、有名なインスタグラマーさん?が
お店の動画を載せてくれてからフォロワーも増えたし
いつもと違う客層のお客様が増えたように思う。

ちょっと強めのお客様に圧倒され
「ふぅ〜」と思いながら奥のキッチンで作業をしていると
チリンチリンとドアのベルが鳴った。

急いで出ていくと、そこにはご年配の女性が
冬にもかかわらず上着なしで、何も持たずに立っていた。
”もしかして・・・”と思いながら
「どうなさいました?」とお声かけすると
「道に迷ってしまった」と。

ゆっくりお話をしてみると、名前もうろ覚えで
どこから来たかもわからないとのこと。
ただ、「誰かが迎えに来る」とだけおっしゃっていたので
外も寒いのでお店の中で待っていましょうか、ということに。
接客の合間を見てお話をしていると、住所を思い出したと。
でもその住所はこのお店の住所。
区画分けが綺麗にされておらず周辺も同じ住所だと
保健所の方が言っていたのを思い出し、
「もしかしたら裏のお宅かもね」と会話をしていると、
居合わせた女性のお客様が「留守番しているので
見てきてもらってもいいですよ」と。
初めてなのにこんなことをお願いしてもいいのかしらと
思いながらも、ご年配の女性と裏のお宅を見に行った。

一緒に確認に行ったけれどそのお宅ではなかったので
お店に戻ると、新規のお客様が待ってみえた。
事情を話すと、「全然いいよ」といいながら
注文後はご年配の女性のお話相手になってくれた。

先ほど留守番するよと言ってくださったお客様が
「お姉さんは手が離せないと思うから」と
警察へ電話をしてくださった。
子供のお迎えがあるから、と、警察に伝えたお客様自身の
お名前と電話番号の書いたメモをくださって
「中途半端にごめんなさい」と先にお店を出られた。
本当に優しいお客様だった。

その後警察がきて、色々と質問をしていた。
お外にパトカーが止まっているのを見て
ご年配の女性のご家族が迎えにきてくれた。
いつも来てくれる近所のおじいちゃんだった。

お迎えが来てくれてホッとしつつも
大事にしてしまってごめんね、と思っていた。

警察官のおばあちゃんへの質問の仕方が
なんだか高圧的で嫌だな、と思っていたら
そこに居合わせたずっと前から通ってくださっている
お客様からも大ブーイングだったから笑えた(笑)

その後、いつものおじいちゃんが
いつも買わないコーヒー豆を買いに来てくれた。
お礼をしに来てくれたんだなってすぐにわかった。


そして午後にはまた、
「隣のお店の方にお金を返したいんだけど
お店がやっていないからどうしよう」と
迷い人が訪ねてきた(笑)

返しておいてほしいと言われたけれど
もちろんお金は預かれないので
一緒にお店を見に行って休んでいることを確認して
また明日来ようね、と納得してもらった。

その時居合わせた常連さんに
「ちゃんと共感もして、でもできないことはできないと伝えて
納得させて帰ってもらうって、すごいね」
と言われたけど自覚がなかったものだからびっくりした(笑)

いろんなことがあった1日だった。
他のお客様には、
「ここは本当にいろいろな人が助けを求めにきて
交番みたいな役割も果たしてるねw」
と言われた(笑)

交番は…だけど、誰もが気負わずに
フラッと立ち寄れる場所にしたかったので
ちょっぴり嬉しかったりもした。

うちのお店に来てくださるお客様が
みんなそろって優しいことが
またさらに嬉しいのだった。

めざせ「かもめ食堂」

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