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グッドモーニング名古屋・コーヒー&サンドウィッチ

おはよう世の中。今日も素晴らしい1日になりそうだ。
そのように思わせてくれるのは、素晴らしいモーニングのおかげである。
モーニングとはそのままの意味ではなく、朝ごはんという狭義の言葉の方を今回は差している。なぜか、それは美味しいからです。モーニングにおいて、基本的には「眠いんでもうちょい寝させて」的な意見が私の頭の中を跋扈するわけでありますが、それが朝ごはんともなると、俄然元気が出るわけです。素晴らしい言葉(と胃袋)の魔法。


名古屋でモーニングを食べている。メイチカと呼ばれる数ある名古屋駅の地下街の一区画。朝、東京を早く出て、新幹線に乗り込み、モーニングの時間にここにやってきた。用事まではまだ時間がある。なのに早くきたのは、そう、モーニングを食べるためだ。いつもは布団の中で「んむんむ」と足を伸ばし縮みさせてまどろんでいる時間には新幹線に乗り込み、らんらんとした顔で名古屋を(それこそ)まっすぐに目指したのは、美味しい珈琲とサンドイッチを食べるためだ。どうしてもお腹が減りそうだったので、駅のコンコースで北海道の印がついたパン(美味しい)を実は買って車内で食べたのは内緒です。誰に。


さて、名古屋の地下街は大変な迷宮なので、新幹線を降りてJR口から、早速迷った。迷うかなあ、と思っていたら案の定迷った。こっちかなあと思って進む方法はたとえ2択の道であったも間違うのが常なのだ。そういう星に生まれてしまったから仕方がない。
朝の名古屋の地下。十数分ほどあっちでもない、こっちでもない、あれここはさっきでたとこだ、またJR口に戻ってしまった。なんてことを繰り返して、やっとついたのが友人に薦められた(というか美味しそうなサンドイッチを送りつけてもらった)目当ての喫茶店、「コンパル」がある名鉄地下街の一区画、(であってるのかな)メイチカである。嬉しくてメイチカの写真をとってしまった。ただの地下街なのに僕にとってはここがモーニングの場所であるわけだから、間違いなく思い出の場所になること請負いなしなのである。そんなことしていたら結局メイチカの中でも迷う。十字の道を行ったり来たりして、(案の定こういう時行き先は十の字の4本目の道なのだ)やっとつく。


モーニングの良いところは、さあ、今日を充実した1日にしよう、という活力に満ちているところである。ランチもその点午後を頑張るという活力になるが、大抵は胃の消化を頑張ることで、やりたいことは進まなかったりするものだ。その点モーニングは、1日を、頑張ろうなのだ。眠くならないようにランチまでのパワー分のサンドイッチくらいと濃いアイスコーヒー、ベスト=適切だ。アイスコーヒーは特別に濃く抽出した熱いものを氷の入ったグラスに一気に入れる。コーヒーの香ばしくてコクのある旨味がそのままにアイスで楽しめる。そしてサンドイッチはまず昼までは絶対に持つだろうというサイズのものが二枚。しかし上品なサイズで片手で颯爽と食べられるくらい。同じくらい上品な紳士は片手にkindle fire HDで世界の動静なぞを監視するのだろう。僕はスマホで猫の動画(可愛い)を見る。


サンドイッチの中には絶妙な加減の目玉焼きとキャベツそしてソース。味は淡すぎずにしかしそれなりの濃い味で、まさに励ましのサンドイッチというものだ。良い朝にするためには、それは輪郭がぼんやりしているものではダメで、きっかりとした味でかつしつこ過ぎないその絶妙な加減が求められる訳であるが、その点これは完全に近かった。名古屋のモーニングはもはや文化のレベルまで到達しているのだろう。食文化としてのモーニング。ただの料理、ただの珈琲をだす店ではなく、モーニングというある種の行事を提供しているのだ。ただの栄養と喉越しだけではなく、活力と満足感(そしてお得感!)を僕たちにもたらしてくれるのだ。なんと素晴らしい朝ごはん。文化とはいうまでもなく、それはただの個人や店の積み重ねだけではなく、それらが集結して、一つの空気感だったり、一体感として存在するそのどっしりとした基盤だ。スタンダードがあるからこそ、個性が良い形で発露する。それがそれなりに長い時間をかけて重なりあらゆるところで分岐し一つの有機的なシステムとなったものが文化だ。モーニングの文化も多分にもれず、素晴らしいものを僕に提供してくれる。その中には清濁合わせだった混沌と深みがある。そしてモーニングの場合はついでに美味しい。食べることの文化とはそういうことである。

朝ごはんを家で食べる時には、ついつい時間が惜しくて、1日分の珈琲を手で淹れる時にその香りを嗅ぎながら、グラノーラに牛乳かヨーグルトを合わせたものをショリショリと食べる。香りをご飯のおかずとする奴があるがあれの朝ごはん版である。牛乳に珈琲の香りを足してミルクコーヒーにして味わうわけです。そして淹れ終わったら、一口飲んでみて、今日は中々良い加減だ、とか、よくばって量を淹れすぎて薄いな、とか思うわけだ。
その点お店でのモーニングではそんな心配はない。コーヒーにモーニングセットで、と店員さんに話しかければ、最適な味のコーヒーとサンドイッチが手元に届くわけだ。否応無く、ただ今日が素晴らしい1日になるという予感が運ばれてくるわけだ。
さあ、今日も1日良い1日になりますように。良い朝を過ごした皆様に幸あれ、できれば美味しいコーヒーもあれ。(もっと言えば美味しいサンドイッチもあれ)
家で朝ごはんをするときも、モーニングと呼ぶことができるくらいには、頑張ってみようかなあ。週に1日くらいは。

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