いい仕事をするために、仕事をしない時間を大切にする

つい先日、2015年の今頃に数週間だけやってた血圧測定記録が出てきた。そこには血圧と一緒に起床就寝時刻が記入されていて、それによると毎日25:00とか26:00とかまで起きてたらしい。血圧は上が100を超えた日は3日だけ、ほとんどの日が上が90前後の低血圧。ずっとうっすら具合が悪く、仕事は終わらないしミスも多いし仕事以外の時間は疲れていて寝てばっかりで。なにか病気なのかと思って病院にかかったら、低血圧過ぎるからって高塩分食と着圧ストッキングを勧められたあの頃。今思えば睡眠不足(長さだけでなく質も含めて)、その根っこには長時間労働とか深夜労働があって、就労時間と仕事量は比例しないってことを理解してなかったんだなって思う。

「仕事を最優先する」ってことをはき違えている、と指摘されたことがある。「仕事を最優先する」とは、起きてる時間の全てを仕事に使うことでも、ましてや寝食を忘れて仕事することでもない。いい仕事をするために、健康な心身であること。いい仕事をするために、新しい情報に触れたり、視野を拡げたり、ひとに会ったり、仕事以外の時間を充実させたりすること。当時の私は「仕事が終わらないから」習い事を諦め、「仕事が終わってないのに」遊びに行くなんて考えられず、「仕事のために」できるだけ長時間、パソコンに向かっていた。調子が悪いから病院やマッサージには行ったりしていて、それが「いいパフォーマンスを上げるための時間とお金の使い方」だと思っていた。

ところが。

睡眠を削るほど働くと、出来上がる仕事の量はみるみる減っていく。
疲れが蓄積するほど働くと、手戻りが増えて積み残しの仕事が増える。
さらに、驚くべきことに、仕事だけしていても仕事はうまくならない。

「仕事を最優先する」というのは、「もっといい仕事ができる自分になる」ということのはずなのに、インプットがないから新しいものは生まれないし、疲れていて眠いから仕事のスピードは落ちるし、挙句の果てにミスを多発するなんて逆行もいいところだ。ちっとも仕事のためになっていない。好きなこともやりたいことも我慢して、「仕事のために」どころか仕事の足を引っ張っていただなんて。

毎日毎日積み残しが増えていくのは、時間が足りないからじゃないんだ。だって、元気なときには30分でできることが、疲れていたら何時間かかっても終わらないなんてザラだと思いませんか?「仕事が終わらないなら寝ないでやれ」みたいな発想はほんとにナンセンスで、むしろ寝てないから終わらないんだよ。人間、8時間労働くらいがちょうどいいパフォーマンスを発揮するように設計されてるんだ。起床から15時間後の集中力って酒飲み運転レベルらしい。そんな状態で働いて、無事故で済まそうなんて無茶な話ですよ。まず寝よう。

それと。最近思うのが、そんな労働環境で楽しく前向きにモチベーション高く働くなんて、私には無理なんだなってこと。そしてそれが結果として、仕事の質・量も左右しているってこと。お仕事なので手を抜くわけではない。いただく金額分の仕事はする。だけど、私という資源を大事にしてくれない現場に対しては私もそれなりの働きしかしたくないし、愛情をもって親身になってプラスアルファを生み出そうという気にはなれない。「私という資源を大事にしてくれる」というのは、言葉で賞賛されるとか労われるとかもあるんだけど、それよりもずっと、私が活躍できる働き方を尊重してもらえるかどうか、なんだな。

集中して仕事して、ほかの時間はほかのことをするからこそ、仕事の時間にいい仕事ができる私。集中して働くから早く仕事が終わるのだけど、その分で仕事を追加したら意味がないことを許容してくれるひとたち。
すべてのひとにヨガを勧めているのも、ぶっちゃけ、ヨガじゃなくてもいいんです。ただ、睡眠時間の他に、仕事から完全に離れる時間を持ったほうがいい、ということ。ヨガはそれにとても向いているから勧め続けるけど、歌うでも踊るでも泳ぐでもなんでもいいと思う。

大事なことなのでもう一度書く。
仕事だけしていても仕事はうまくならない。

いい仕事ができるようになりたいなら、あるいは積み残しのない日々を送りたいなら、長時間労働と深夜労働をまずはやめてみる。日中の元気な時間にばりばり働いて、早く終わったからもっと仕事しよう、じゃなくて仕事じゃない時間を愛でてみる。

みんながみんな、両手挙げて賛成してはくれないだろうけど、私はこれからもこの考えをベースに生きていくと思います。

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