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特集ドラマ「幸運な人」(@NHK BSP)を見ました!

特集ドラマ「幸運な人」(@NHK BSP)を見ました!

昨日の「note」に引き続いて「がん」に関するテーマのブログです。
脚本:吉澤智子、音楽:原摩利彦、出演:生田斗真、多部未華子ほか、制作統括:上松圭、プロデューサー:城谷厚司 吉永証 谷紗耶香、演出:一木正恵。

このドラマとってもTV的でした、TVの特性を活かした、しかもNHKじゃないと出来ないような試みがなされています。実はこのドラマの直後に「『幸運な人』ドラマ制作舞台裏~がんと幸せをめぐる対話~」というメイキングドキュメンタリー番組が放送されました。

そこで語られたのは原作者の脚本家である吉澤智子さんの夫ががんを患い闘病後なくなったという事実があったことです。そんな経験をされた吉澤さんが、改めて「がん患者」とその家族のお話である本作をお書きになったことなどがドラマを見た後だったのでシンクロしていきました!

NHKではこうしたドキュメンタリードラマとでもいう手法があり過去、何度か制作されています。若年性認知症になった方をドラマにしたもの、そのドラマは途中で実際のモデルになった本人がドキュメント映像として出演されていました。題名は「認知症:ともに新しい時代へ ドキュメンタリードラマ『母、立ち上がる』」(@NHK総合)というもの。そのディレクターである元同僚の赤坂恵美子さんは2017年のATPドラマ部門の優秀新人賞を受賞しました!プロデューサーも元同僚である坂部康二さん!赤坂さんはその受賞式でとにかく、ずーっとそのモデルとなるお母さんのそばに居たとのこと。
今でいう中京テレビ制作の「ヒューマングルメンタリーオモウマい店」のディレクターとお店の人との交流みたいなものを感じました。

本作はドラマだけで基本構成されているのですが、肺がんになった夫役の生田斗真さんががん患者とがんについての話をするシーンがあるのですが、そこに集まった方々は実際にがんを経験された方々ばかりだったことが、ドラマ放送後の「制作舞台裏」の番組で公表されます。
俳優の相島一之さんがその中におられたので、これは俳優を仕込んだものだと思っていたのですが、実は相島さんも「がん」を経験されているそうです!そんなエピソードを聴くとスタッフの意気込みを感じました。そして、こうしたことがものすごくTVらしいな!と思うのです!ドラマと舞台裏をセットで見せる。そして実際のドキュメントの事実を舞台裏で語る。これは現在進行形のお話なんだな!ということがわかる。その同時間性というのか同時代性みたいなことは映画や配信ドラマとは違うメディアの活用の仕方なんじゃないかな?と思ったのです。

がんになった夫の生田斗真に向き合う妻の、多部未華子。この夫婦が撮影前に実際に「がん」を経験した人にお話を聴いたりしての役作りをされているのを舞台裏のカメラは丁寧に追っています。そして、生田斗真はものすごい意思で体重制限をされたのかも知れません。90分のドラマの撮影に1か月かけたという民放の連続ドラマではありえなかったような丁寧な撮影、しかもたぶん、働き方改革が行われたいい意味で正しい現場だったのではないでしょうか?そうしたことなども含めて番組作りの規範を示すことも「公共放送」の別の意味での使命なのではないでしょうか?

吉澤さんの描く夫婦は「がん」という現実に向き合いつつもユーモアを忘れない、バカなことを言い合う感じがとてもリアリティを感じさせてくれました。
そして、私の経験でもあるのですが…。例えば本当に大切な人を失ったばかりの時は涙も出ない、ある種呆然とした感覚のまま時間が過ぎていきます。そして、かなり時間が経って、ある瞬間に感情が突然あふれ出して嗚咽するように泣いてしまうという経験をされたことはありませんか?私は生涯の中でまだ数回しか経験していませんが…。生田斗真が「がん」になってから初めて感情があらわになるシーン。そしてそれにただ寄り添うだけの妻の多部未華子の姿を見て、そのままでいいんだ!というよう気持が生まれて来たのです。

再放送は未定だそうですが、NHKオンデマンドで見られるそうです!

(写真はNHKさんのHPから引用させていただきました。引用元:https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2023126923SA000/?spg=P202300329000000

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