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そぞろ歩きのみつけもの 大谷石

 秋風が吹いた。やっと夏が終わったと見える。今日の散歩はらくらくだった。いつもより多く歩いてしまって、相棒は後が怖いと言った。

 この街を歩いていると、大谷石の塀にであう。お屋敷の周囲、銀行のあった場所、青味がかった穴ぼこだらけの石の塀。多分、その向こうの蔵造りの家も中は大谷石だろう、と見当をつけて、時代の贅沢にため息する。
 土蔵は土を練って作るから土蔵と言ったのだと思うが、ここらあたりの倉は大谷石を土台に作ったものが多いと聞いた。
 大谷石は火災に強いんだよ、と、そのとき、教えてくれた人が言ったのだ。

 大谷石とは、栃木県の大谷町付近一帯で採掘される軽石凝灰岩の石材で、柔らかく加工がしやすい、昔から外壁や土蔵などの建材として使用されてきたという。

 軽石凝灰岩だから、穴ぼこだらけ。空気の力で熱伝導が小さいのだそうだ。しかも、細工しやすく、相対的に軽い。

大谷石の塀

 今ではブロック塀ばかりで、新規に大谷石の塀を作るという話は聞かない。もう取れないのかもしれない、と調べてみた。
 「埋蔵量」で検索すると、宇都宮市の公式Webサイトがヒットした。
 『その埋蔵量は約6億トンと推定されており、昭和40年代の最盛期には、採掘事業場は約120ヶ所、年間出荷量も約89万トンまで増加したが、その後は年々減少し、平成21年度の採掘事業場は12ヶ所、年間出荷量は約2万トンまで減少している』

地下採掘場地下空間

 どうやら、すごい穴【大部分は地下採掘で地下数10メートル~同100メートル以上のところも】が空いていて・・・跡地利用も積極的らしい。
 最初に書いてあったのは、資料館+付属の「地下採掘場跡」。
 また、
➀1年中気温がほぼ一定に保たれている→貯蔵庫
②大谷石はエチレンガスを吸着する働きがある→野菜や果物の貯蔵。
 両方とも貯蔵でしたね・・・トピックとしては ↓ 。
・政府米(古々米)の保管庫として利用されたこともあります。
・近年、多彩な農産物の貯蔵庫として使われています。
・ワインや日本酒、ハムなどの熟成や貯蔵にも用いられています。

 以上です。大谷石の塀や工作物があると、思わず手を触れたくなります。
 そうか、凝灰岩なんですね。
 資料館に行ってみたい、と思ったことでした。

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