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春雨

 ゴミ出しに出たら、小雨だった。
 しずしずとふりつづける。
 ちょっとひるんで、天を仰ぐ。明るくはある。

「春雨じゃ、濡れて行こう」
と、胸が喋る。ふふふ。慣用句。

 思い出がよみがえるのはこんなとき。
 資格試験の学校へ行っていたとき。若い人の中で学ぶ我ら4人(中年?かな)はいつの間にかグループになった。
 その、長老株の江戸っ子のお姉さん。
「今朝出ようとしたら、雨降ってたでしょ、傘探してたのね、
そしたら、おかあさん(お姑さん)、『春雨は婆の皺伸ばし、さっさとお行き』って、こうよ。まったく!」
「そいで、〇〇(孫の名)が笑って飛び出そうとしたら『春雨とばばあの苦言は後で効くんだからね、傘かぶってきな!』って。どうよ!」

 みんな、どうしているかな?

 さあ、あったかいコーヒーでも飲もう。

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