新作「ディスクロニアCA」クラファン開始を前にして〜「物語×VR」で突き進んできたMyDearest社を知ってくれ〜

(はじめに)なぜこれを書いているのか?

私はMyDearest社員ではないし、商業ライターでもない。
そんな私がこの記事に筆を走らせているのは、MyDearestという会社の熱意に感化されているからに他ならない。

圧倒的な熱意と挑戦によってVRアドベンチャーの金字塔を打ち立てたMyDearestという会社は、本当に凄いのである(語彙力)。
しかもその躍進は今なお衰えを見せないどころか、ギアを上げて突き進んでいる真っ最中だ。

ちょうど昨日10/28に詳細が発表された新作『ディスクロニアCA』においてのコンセプトは『数あるゲーム企業よ、(VRの魅力に)気付け!!』だ。

強気の発信を続けるMyDearestという企業を、時系列に沿って紹介したい。
(今回は作品の中身よりも、MyDearest社の足跡を重視して記述する)

VR元年・2016年での設立と苦しい冬

MyDearest社は2016年4月に設立された。VR元年と呼ばれた。定義としては「一般の消費者向けのVRヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)が、各社から一斉に発売され、市場に出回り始めた年」である。
 ↓出典↓

しかし、コンテンツの充足度合い等々の問題とARの勃興によって、時代は一変し「VRの冬」と呼ばれる時代に突入する。

MyDearest社CEOの岸上さんも、「この時期は投資家に話に行っても聞き入れてもらえることが限りなく少なかった」と語っていた。

それでもめげずに株主を探しつつ、MyDearest社は「VRノベル」「VRマンガ」といった「物語×VR」の先駆け的作品を制作していた。

VRでは数分から、長くて十数分で終わるアトラクションのようなコンテンツが大多数を占めていた(今でもその傾向はある)。しかしMyDearest社は、数十分かけて物語を堪能するコンテンツを作った。

自分が動いてないのに激しく視点が動いたりする場合に、「VR酔い」は起こる。MyDearest社のコンテンツは、物語を読み込む、眺めるという特性上、「VR酔い」が起こりにくく、初心者にも優しいものとなっている。

来たるべき春

2018年5月の徳島マチアソビにて、VRミステリーアドベンチャー『東京クロノス』の制作が発表され、クラウドファンディングが開始される。

その当時、新進気鋭のイラストレーターでありキャラデザインを担当したLAMさんが独立を決めるきっかけとなった作品でもある。
「シルエットと色でキャラクターを判別させやすくする」というMyDearestの思想とLAMさんの「力強い眼」の表現は、VR空間で遺憾なく発揮された。

東京クロノスのクラウドファンディングにおけるキーワードに『制作共犯者』がある。
これは、「一緒に作品を創っていく仲間」ということであり、お互いが熱量を同時に感じることができるファンイベントが、月一回ほどの高頻度で開催された。会場で募った案が、ゲーム中に採用された事例もある。
この「ファンと製作者が近しい距離感で共に作品を創り上げていく空気」「共犯者という合言葉」は、その後のクロノスシリーズ作品を一貫していくことになる。

そして、ファンからの根強い支持もあって、VR機器の大手でありプラットフォームを持つOculus(Facebook傘下)が1000以上あるVR作品の中から8つしか選ばない”Oculus essentials”(イチオシ作品)として選出された。

その後も「発売後ファンコミュニティー(東国ユリア生誕祭,マチアソビ,クリスマスイベント)」や「小説『渋谷隔絶・東京クロノス』発売」など、東京クロノスの世界は広がりを見せた。

躍進の初夏


そしてTokyo Game Show2019(TGS2019)で『Project MEGALiTH』として発表された新作は、2020年初夏、SFインタラクティブアクションゲーム『アルトデウス:BC』として正式発表され、クラファン実施。前作を遥かに凌ぐ1650人2000万円オーバーの超成功となった。

ここで大事なのはお金よりも人数。692人から倍以上の注目度を集める作品となっている。
これは前作をプレイしてから「何故もっとはやく知ってクラファンに参加しなかったんだ!」と悲嘆をこぼした『東京クロノス』ファンや、引き続いての共犯者たちだ。
『アルトデウスBC』ではコロナの関係もありほとんどファンイベントが開催されなかったが、代わりに「クロノスアジト計画」が始動。Twitterの鍵アカウントを用いたオンラインでのファンコミュニティを形成し、作品に出てくる店の名前を一緒に考えたり、ここでしか見られない制作途中の風景・資料などが公開され、ファンと製作者がオンラインでフラットに交流する場が形成された。

『アルトデウス:BC』は2020年10月に発売された「Oculus Quest2」のプラットフォームにおけるローンチタイトル(最初から遊べる作品)として選出され、前作からパワーアップした没入体験と、夢に見た巨大ロボット操縦アクション、長大で濃いストーリーなどから各種ゲーム評価サイト(国内外)で高得点を記録。
ついには群雄割拠の大一番「ファミ通・電撃ゲームアワード2020」において、コンシューマータイトルもある中でアドベンチャー部門の最優秀賞を獲得した。

VRのタイトルでこの栄誉を勝ち取ったのはアルトデウスが初である。
辛く苦しい冬を耐え、VRアドベンチャーへの挑戦で春を勝ち取り、より進化した体験で初夏を迎えたMyDearestは、次の一手を打った。

(おわりに)VRの盛夏を手繰り寄せる

このような流れの最先端が、冒頭に名前を出した『ディスクロニアCA』だ。

今回は東京クロノス、アルトデウスの正当後継作品とも見ることができる「ミステリー×SF」というジャンルになっている。今までより一層インタラクション(プレイヤーの行動できる幅)が増やされ、ゲーム性が高いものとなっている。Nintendo Switchでも発売されるので、VR機器を持っていない人にも安心だ。Switch版は、ただ単に「VR作品をSwitch化した」ものではなく、「Switchだからこそ楽しめるNon-VRな作品にする」と開発者は言う。

様々な試行錯誤を続け、この挑戦の裏側でも新たな「サービス型VRコンテンツ」を制作しているMyDearestという会社は、これからますます勢いを増して、VR世界に盛夏を手繰り寄せてくるだろう。
もしこの記事を読んで、MyDearest社や作品に興味を持ってくれた人がいるなら、一度クロノスアジトへ寄ってみてほしい。

ここから、Discord(コミュニケーションアプリ)で形成されているファンコミュニティへアクセスできる。限定コンテンツや、これから始まる祭りを最前線で楽しめるだろう。

そこでの空気を感じて、もし余裕があったら、本日10/29の20:00から始まるクラウドファンディングにも参加してみてほしい。ゲームのダウンロードキーがお得にゲットできたり、ここでしか手に入らない返礼品が多い。中にはエンドクレジットに名前を刻めるものや、ガヤとして参加できる権利、アートブックや台本などもある。

制作共犯者が増えてくれることを祈って、この記事を〆る。
「一緒に」盛夏を手繰り寄せよう!!!!!!




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