楸 椿榎

小説家、ゲームシナリオライター、ゲームデザイナー。 小説家になろう、pixivにて同名…

楸 椿榎

小説家、ゲームシナリオライター、ゲームデザイナー。 小説家になろう、pixivにて同名で小説投稿をしています。

マガジン

  • おすすめ五分まとめ

    一作品につき口頭五分でまとめたものを記事にしています。 サクッと読める中から、あなたの気になる作品を探し出してみてください。

  • 創作物集

最近の記事

【ネタバレあり】VR版『ディスクロニア』を終えて

はじめにタイトルにある通り、ネタバレありです。というか、ネタバレしか書く気ありません。 なので、未プレイ・プレイ中・収集中の人は読まないことをオススメします。 これいつもどこまで余白取るか迷うのですが、一画面に映りそうなところまでで。 また、東京クロノス、アルトデウスについて言及する部分もありますが、できる限りネタバレではないように書くので、名前が出てきても怖がらないでください。 それでは、書いていきます。 練り込まれた大ボリューム体感ゲーム今回、ほんとに「これ集める

    • 友達に「絶対好きなやつだから」と言われて見事に好きになった作品:リトルウィッチアカデミア

       どうも、キササゲ ハルカです。  昨日に引き続いて、自分の好きな作品の推薦をやっていきたいと思います。  今回に関しては、(ボイスレコーダーで録るのを忘れたんですが)5分間自分で語ったことを文字にしていく形にします。  文章を書く時に使う5分間と喋る時の5分間の使い方は同じじゃないなと昨日感じて、その差を是正するために試してみました。  それではどうぞ。 概要ログライン(一行説明)  リトルウィッチアカデミア(以下、LWA)は、『魔法が使えないのに魔法使いになりたい

      • 人生のバイブル:TALES OF THE ABYSSについて

         どうも、キササゲ ハルカです。  今回は、自分の人生のバイブルとなったゲーム『TALES OF THE ABYSS』(以下、ジアビス)について、ちょっとまとめたいと思います 背景 まず、なぜこの記事を書こうと思ったかというと、Twitterの方で「好きな作品を五分で説明するのが良い」という呟きを見つけたのが発端です。  今まで友達などに「一番好きな作品なんだ」と語ったことはあれど、ストーリーの物量からうまくまとめられないことが多々ありました。  しかし、物書きの端くれ

        • 8/21ディスクロニア最速体験レポート

          はじめに今回は、クラウドファンディング共犯者枠として、2022/8/21に開催された『ディスクロニア :CA』先行体験イベントに参加してきた。 そこで世界最速となるゲーム体験の感想を、記事としてレポートする。 各パートの感想今回は、各パートごとに分けて感想を書いていきたい。 現実から拡張夢へのダイブ 謎の声に導かれ、現実世界から夢の世界にダイブする。夢の世界は幻想的な魚たちに彩られた、眠りの底。住民の夢が統合された世界で人々は魚となり、悩みなどを抱えた一部の人たちは人の

        【ネタバレあり】VR版『ディスクロニア』を終えて

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        • おすすめ五分まとめ
          2本
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          7本

        記事

          劇場版ゆるキャンが良かったって話

          最初に本記事は映画、テレビアニメのネタバレが含まれます。 流れというより関係性やシーンについてのネタバレです。 ネタバレ無しで映画を楽しみたい方は、ブラウザバックをおすすめします。 背景映画を見て衝動に駆られたので書きます。 背景をなぜ設定しているかというと、間違えて記事を読む人がここまで読んでも大丈夫にするためです。 あとおそらく語り口は興奮のままに書き綴るので少し変になります。 ネタバレあり感想普通にちょっと泣きそうになった 最初に、本作はTV版の数年後、なでし

          劇場版ゆるキャンが良かったって話

          新作「ディスクロニアCA」クラファン開始を前にして〜「物語×VR」で突き進んできたMyDearest社を知ってくれ〜

          (はじめに)なぜこれを書いているのか?私はMyDearest社員ではないし、商業ライターでもない。 そんな私がこの記事に筆を走らせているのは、MyDearestという会社の熱意に感化されているからに他ならない。 圧倒的な熱意と挑戦によってVRアドベンチャーの金字塔を打ち立てたMyDearestという会社は、本当に凄いのである(語彙力)。 しかもその躍進は今なお衰えを見せないどころか、ギアを上げて突き進んでいる真っ最中だ。 ちょうど昨日10/28に詳細が発表された新作『ディ

          新作「ディスクロニアCA」クラファン開始を前にして〜「物語×VR」で突き進んできたMyDearest社を知ってくれ〜

          就活の不安とこれから

          ビジョンに共感したり、進めている事業に興味が湧いたりと会社の情報を色々と見ていると面白い。 だけど、そこに自分は何を求め、何を対価として差し出せるのか、を考えると、急に心の中の灯火が小さくなる。 将来の目的が多岐にわたってしまっているのと、自分の持つ能力に不安を持ってしまってるからだ。 前者は明確化が必要だろう。出ないと、最初の一歩が決めきれない。 後者に関しては、不安があるなら四の五の言わずに能力を身につけるしかない。 今ないなら、今から動き出すのが最速なのだから。 という

          就活の不安とこれから

          自分だけは最後まで自分の味方でいるために

          最近の情勢のせいか、少々精神的に不安定になっている私です。 深夜、「今日こそは早めに眠ろう」と思ってたらはや四時半。 なんとなく考え事をしていると、現在の自分のストレスの原因を考え始める。 結果は「先の見えない(今年ではないが)就活への焦り」「残る授業課題への焦り」「授業課題へのやる気がわかないことへの焦り」という感じで(二つ目と三つ目は同一かもしれない) 最近できてないことばかり考えてるな~と、最近の思考がそもそも負の方向を向いていることに気づく。 「できてないこ

          自分だけは最後まで自分の味方でいるために

          触れ合わないグラスの音

          「「かんぱーい」」 二人してグラスを掲げる。 それぞれ好きなお酒を買ってきて、それぞれの家で飲んでいた。 画面越しに相手の美味しそうな顔が見える。 「ほんと幸せそうに飲むね」 「そう? だっておいしいから」 世界的に遠出が敬遠されるようになってから、地元が同じでも都会に出た人と飲むときはオンラインで家飲みが当たり前になってきた。 でも、私はそこまで重く受け止めていなかった。 「この状況ってさ、ちょっと寂しいけど、ちょっと嬉しいな」 「嬉しい? なんで?」 「だ

          触れ合わないグラスの音

          モヤモヤは文字に

           こんばんは。楸です。夜も暑くなってきましたね。夏ですね。  さて、今回は「悩みは悶々と持ち続けるより文字にしてみた方がいい」という話です。  これというのも私が就活で悩んでる中、先輩にチャットで相談したところ、頭の中を占有していた悩みがコンパクトにまとまったということから来ています。  方法論として「文字に書く」「声に出す」というのはあるらしく、社畜ちゃんの漫画にも後者が出てきてます。  声に出すことのメリットは ・ノーモーションで繰り出せるので全てを出せる ・言う

          モヤモヤは文字に

          トイレはきれいに使いましょう

           疲れて帰った日、私はトイレの二段蓋を間違えてどちらも開けて座ってしまった。  ひんやりした感覚と共に、魂が抜けて水の底に落ちる。  床(のようなもの)に尻餅をつく。周りは暗闇。起き上がってみると、一点だけ光が指している場所があった。  近寄ると、そこには黒い泥の塊があった。光は目玉のように二つあった。自分に気づいたのか、こちらに光が向く。  ズズズと向かってくるのが怖くて逃げた。 「……んぅ」  気がつくと、尻をトイレにはめて気絶していたようだった。  改めてトイレを

          トイレはきれいに使いましょう

          猫との生活

           ぼく、けんじ。九才。  うちには黒ねこがいっぴきいる。なまえはクロ。四才。  クロはよくぼくとお話してくれる。 「ねぇクロ、今日は何がしたい?」 「ぼーっとまどの横で日向ぼっこ」  クロはいっつもそれだ。ねこじゃらしをふっても何もしないから、クロのとなりで本を読む。 「ねぇクロ、遊ぼ」 「いいぞ」  クロは『おやつ入ってるのどーっちだ』げーむが好きだ。五回やったら四回はずすけど。 「ねぇ、クロ」 「かみなりがこわいのか?」  雨の夜は、クロといっしょにねむるやく

          猫との生活

          どこまでも、すれ違い

          「どんなやつでも、俺は受け入れるよ。そんくらい俺の懐は深いからな!」 「ばっかみたい」 「んだよ!」  そんないがみ合いをしていた二人だった。  俺はあいつがすきだった。  私はあいつがすきだった。  でも、あいつがすきじゃなかったら。  そう思うと、話題を変える一言と、運命を変える一言が、口から喉の奥へ、どんどん下がっていった。  時は過ぎて十余年。  世の中ではVRが普及し、俺もようやく手に入れた。  初めて入る世界で、どうせならと少年のアバターにした。  いつもとは

          どこまでも、すれ違い

          アリスと殺し屋

          「こんにちは、アリス。私、あなたを殺しに来たの」  何処からともなく現れた同年代の少女に、そんなことを言われたことのある人がいるでしょうか? 「あの……どちら様?」 「あなたを殺しに来た、てことは、殺し屋でしょ」  両手に携えた拳銃が、太陽の光を浴びて黒く光っています。 「なんで私は殺されるのです? 私は元の世界に戻るために冒険を」 「嘘ね」 「……え?」  落ち着いた声で、私の言葉にメスを入れるように、静かに彼女は言いました。 「あなたは元の世界に戻る気なんて更

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          山姥とお坊さんの恋愛譚

           ある寺のお坊さんが、住職から「向こうの山の山姥を封印してこい」とおおせつかった。  しかし向こうの山の山姥に悪い噂はなく、それどころか彼女に助けられた童もいたという。  住職からは「その親を含め、皆が気味悪がって近づかぬ。あそこには山菜もたくさんあるし、山姥がいなくなれば皆が喜ぶ」と言われた。  確かに年齢の若い自分にはあまり納得できない話だが、我々の親世代は山姥の残酷な話を聞いて育ったことだろう。そりゃ一ついいことをしたとしてもその観念を変えるほどの力はないかもしれ

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          夕源郷

          ここは、いつでも夕焼け いつも同じような夕焼けで でも何時も違う夕焼けで 人々はその時間に流れる哀愁に心を浸し 遠き日の思い出を甦らせる 時が経つうちにその場所に流れ着くのは 人々から忘れ去られた悲しいものたち ここは哀しみを分かち合う場所 哀しみを哀しみのままにしない場所 その名は、夕源郷