自分の中の_モウレツ社員_と向き合うことが_最初の課題だった

自分の中の”モウレツ社員”と向き合うことが最初の課題だった【コラム】

1.想像以上に成果が出せなかった妊娠初期

以前、「睡眠時間が3倍必要になった妊娠初期【体調変化/妊娠初期】」というエントリーでも書いたが、妊娠初期から眠りつわりやマイナートラブルがあり仕事の定時時間内と食事の時間以外はすべて眠っている、という状態でした。
そのため、同エントリーに書いたように仕事への影響も少なからずあり、感覚的には仕事効率は妊娠前の1/4以下に落ちた印象でした。

2.何が辛かったのか?

妊娠したからといって、仕事をセーブしたくない(立ち仕事を他の仕事に変えるなどはするけれど、成果量は下げたくない、という意味)という想いが強かった当初、実際にはできると思っている1/4程度しか仕事が進まず、いろいろと悩みました。
具体的にどんなことを考えていたのかを上げてみようと思います。

①これまで出していた価値であるメインの仕事ができなくなった
 メインキャリアはプロジェクトリーダー兼エンジニアですが、新卒採用の会社説明会でのプレゼンターやリクルーター活動、技術営業として営業に同行し話をする、懇親会に参加し後輩ケアをする、などの活動も行っており、そのオールマイティーさと同時並行で複数持てるのが売りのつもりでした。
 ところが、妊娠により、会社説明会プレゼンターなど立ちっぱなし・移動ありの仕事ははずれ、営業に同行なんて乗り物移動が辛すぎてもってのほか。懇親会などのイベントも体調不良で全く参加できず、となってしまったのです。ましてや、通常業務でいっぱいいっぱい、同時並行でいろいろなタスクを持つ、ということはできなくなっていました。

②体力に物言わせて「やる」方向に倒していたことができなくなった
 講演用資料作成を朝活や夜活として作成したり、IT勉強会に夜活で参加して登壇したり、リクルーター活動で夜学生と飲みに行ったり。いくつか重なってしまうとそれなりに大変な時期もありましたが、持ち前の体力を活かしてすべてやるのが、自分スタイルだし、自分の価値の出し方だと思っていました。
 いわゆる「モウレツ」社員です。体力の許す限り、やりたい仕事を全部やる自分カッコイイ!的な価値観だったのだと思います。

 が、それがまったくできない。プラスアルファとなるような活動が何一つできませんでした。

③自分がこだわっていた領域でさえも頭がまわらなくなった
 妊娠してすぐにアクロクエスト最大のイベントであるHappy査定360(全社員査定)がありました。私自身、この全社員での査定会に共感しての入社です。想い入れは人一倍あります。
 アクロクエストの全体査定は、上司・同僚・部下360度に対して、それぞれがより良いキャリア・人生を歩むために、改善してほしいことやもっと伸ばすとよい特性などをオープンに話し合います。お互いのことを考えて、意見を言い合うからこそ、次の1年すべきことが明確になるという会です。

 その時の査定でも一部参加したのですが、体力的にも体調的にもまったく頭が回らず、仲間に対して意味ある一言を発することができなかったのです。上司とも相談し、それ以降の査定会関連のイベントはすべて休ませてもらいました。
 まさか、査定に参加しない日が来るとは、入社以来思ってもみないことでした。

上記のような理由で、自分の価値であると思っていたやり方が全く通用せず、自分の価値の出し方がわからなくなってしまった時期がありました。
また、そのことを深く考える暇もなく、通常業務をこなして眠るだけで精一杯の日々でした。

3.辛い原因は自分の中にあった

妊娠中期(安定期)に入り、眠りつわりも少しマシになったころ、上記の辛さと向き合う余裕がやっと出てきました。

つわりやマイナートラブルを自分の身で体験して、はっきり言って気合や根性ではどうにもならない、ということは嫌というほど理解できました。
であれば、辛さのもととなっている現象は「しょうがない・どうしようもない」ものばかり、ということは頭では理解できました。

ただ、自分の出している価値という考え方をしたときに、今まで自分自身に課していた「モウレツ社員」的な価値の出し方はできなくなってしまい、自分を認められなくなってしまった。

自分の価値の出し方を「モウレツ」以外にもっていなかったのが原因でした。

4.価値の出し方に対する考えを変えてくれた一言

そんな状態について、メンター的存在である当社女性副社長に何とはなしに話してみました。
副社長が話してくれたのは以下のようなことでした。

・あなたはこれまで女性社員が妊娠・出産・育休・復帰を経験したことがない当社でその道を切り拓こうとしている。それ自体に価値がある。また、その経験を今後の社員の人生に活かすことができる。
・体力勝負ができないこの時期は、人生の中では一瞬のこと。その間はできるやり方で貢献すればよい。
バリバリのプレイヤーとしてではなく、体力や時間での制約がある一歩離れた立場から見ることでわかることもある。それをフィードバックすることに価値がある。

「人生も次のステージに行くのだから、働き方も次のステージに行かなければね^^」という微笑みとともにもらった言葉に、私は「働き方の次のステージ」の模索を始めたのでした。

5.”モウレツ社員”ではない価値の出し方とは?

とはいっても、それまでの働き方がいきなりすっぱり切り替えられるわけでも無いので試行錯誤・悩みながらの日々でした。

また、「無事にうまれてくるのが当たり前、ではない【妊娠トラブル/切迫流産・切迫早産】」に書いた通り、妊娠中期からは自宅安静になってしまい休職していました。その休職から復帰した際には、寝たきり生活からの復帰ということもあり、体力は激減していました。復帰直後は2時間の稼働が精いっぱいという状態。
その後、回復してきてからも1日6時間の稼働が限界でした。

その限られた時間と体力の中で意識し始めたことは、「自分がプレイヤーとなるのではなく、得られた気づきを共有することでチームの効率が上がるようにすること。

妊娠前はプロジェクトリーダーとして、共通ルールを定めたり、それらをwikiに残して共通認識が取れるようにすること自体が自分の仕事でした。
しかし、サポートの立場としてプロジェクトに参画するようになってからは、プロジェクトリーダーをやっていたからこそ持っている観点をもとに気づきを得て、プロジェクトリーダーにフィードバックしたり、チームに共有して改善活動ができるようにすることで価値をだそうと動くようになりました。
まだまだ、うまくやれるときとやれないときがあるけどね(^^;

そういった価値の出し方を意識するようになると、これまでよりずっと周りの人、部下に成果を出してもらうためにどのような伝え方が必要なのか、など考えるようになります。また、どこまでを自分がプレイヤーとして自分でやって、どこからをお願いするのか?なども。

まだまだ試行錯誤の日々ですが、今後子育てが始まっても時間的制約はあるし、むしろ緊急での割り込みなどが増えるでしょう。
ワーキングママとしての価値の出し方を模索していこうと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?