座っているだけで動悸_息切れ_とにかく苦しい

座っているだけで動悸・息切れ、とにかく苦しい【体調変化/妊娠後期】

妊娠後期とは、妊娠28週~出産までの期間を言います。お腹も大きくなってきて、胎動も力強く感じる時期です。

それぞれの時期で体験して初めてわかる驚きの実感があるのですが、妊娠後期が一番、事前に持っていたイメージと食い違っていて驚きが多かった時期でした。

何が起こっているかを理解していれば耐えられるリケジョとしては、自分の身体がどうなっているかを調べては驚く、の繰り返しでした。

1.妊娠前に持っていたイメージ

妊娠するまで、妊婦の大変さのイメージは、
 ・つわり
 ・お腹が大きくなると重い
だと思っていました。
お腹が大きくなり重ければ、バランスも悪くなるので転倒の危険がある、常に『お腹が重いから』息切れもするし、動きづらい、のだと思ってました。

また、お腹が大きくなるのも、通常の体形にプラスして、胎児分お腹が前に出る、というようなイメージでした。
そう、妊婦体験ジャケットのようなイメージ。

が、実際に妊娠してみると、そんな甘っちょろい話ではありませんでした。

2.座っているだけで動悸・息切れ

実際に感じていた諸症状を記録しておきます。

■動悸・息切れ
座っているだけで動いていないのに、動悸・息切れがしてとても苦しい。
妊娠30週の頃には、この症状が出てきており、現在妊娠39週ですが未だにあります。

■脳貧血
妊婦検診で血液検査をし、鉄分量は問題ない、にもかかわらず。
ゆっくり動くことを気にかけないと、脳貧血で目の前真っ暗、転倒しかける、という状態になります。

■胸やけ(逆流性食道炎)
のどが焼ける感じが頻繁にあります。
ひどいときは眠っていても、気持ち悪さで目が覚める。
夜、左向き・右向きに横になると、ほぼ確実に気持ち悪い。
※かといって仰向けに寝ると、お腹が重くて息苦しい。

■便秘
妊娠中期から引き続き。
毎日の下剤と食物繊維豊富な食事が必須。

■不眠/過眠
必ず夜中1~2回は目が覚め、再度寝付くまで1時間以上かかる。
日中、それでも起きていられる日もあれば、関係なく一日中食事以外は眠らずにいられない日もある。

■脚の付け根の痛み
胎動の一つ。胎児の頭で脚の神経を圧迫しているのか(?)、ビーンと脚に痛みが走る。

■肌荒れ
初期からの継続だが、体幹部に触れる生地は綿100%でないとかぶれる。
これまで問題なく使えていた生理用品などもかぶれる。
また、お腹の皮膚が伸ばされて痒み・湿疹が出る。

■妊娠線
下腹部の真皮が伸ばされ、ひび割れる。
地割れのような模様ができました。。。

■爪が割れやすくなる
手も足も。しょっちゅう爪が割れる。

3.お腹が重い、だけではない。身体に何が起こっているのか?

■胃、心臓や肺までも変形している

上記動画は、シカゴ科学産業博物館が製作した『赤ちゃんのためのスペースを作ろう』というタイトルのインタラクティブ動画。
これを観ると、胎児が成長するに従って体内にどのような変化が起きるかがひと目でわかる。

妊娠前のイメージとは全然違い、内臓がことごとく圧迫されている。
横隔膜も子宮に押し上げられるので、肺・心臓・胃の形が変わる。

普段、縦長に配置されていた胃は、持ち上げられて横位置に近くなり、胃液の流れが悪くなって、ぜん動もうまくいかなくなる。子宮は、さらに横隔膜全体を押し上げ、心臓や肺のカタチまで扁平にする。そのために、心臓はときに頻脈や不整脈を起こし、肺活量も小さくなる。

腸も子宮に押しやられ、普段の場所とは違う位置に移動する。縮こまった腸は働きが鈍くなり、血流も悪くなります。水分の代謝も変わるので、便が硬くなって出にくくなる。

そりゃ、苦しいわ。

■血液量は非妊娠時の1.4倍
血液量は非妊娠時の1.4倍まで増える。血液成分の割合も違い、血液中の水分は約1.5倍にもなるが、赤血球量は約1.2倍。つまり水っぽい血液になるので、貧血にもなりやすくなる。
血液量が増え、水っぽい血液になるのは、お産時の大量出血に備えるため、だそう。

■呼吸も脈も速くなる
妊娠前は80回なかった脈拍は、90回を超えるようになります。心臓が1分間に押し出す血液の量も、40%近くまで増量。呼吸回数も15%増しになる。

そりゃ、苦しいわ。

■物理的に、お腹が重い
妊婦の体重増加は、子宮1kg、胎児3kg、羊水500g、胎盤500g、血液増加分2kg、脂肪分1kgで、合計するとおよそ8kg
血液・脂肪はお腹だけじゃないけれど、それ以外の子宮・胎児・羊水・胎盤の約5kgはお腹。

つねに、5kgの米袋を胴体に巻き付けて生活している状態。
仰向けに寝れば苦しく、横向きに寝てもお腹が重力に引っ張られる。
歩けばすぐに足腰にくる(^^;

4.なぜこんなに妊娠の知識がないのか?

高校の家庭科で妊婦体験スーツの着用もしたことあったけれど、はっきり言って物理的なお腹の重さや動きづらさって、他の諸症状に比べるとそれほど印象的なことではないように感じました。(いや、もちろん重いけどさ)

よく、マタニティマークを使っていても公共交通施設で席を譲ってもらえない、とか問題になるけれど、どれだけ苦しいかという知識がないからでは?

義務教育中の性教育で、こういった体の変化(後期だけでなく初期・中期に関しても)含めて教えてほしいなぁ、と思ったのでした。

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