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京都での暮らし(6/23-26)

京都生活、ついに始まりました。

10年来、ずっと憧れだった京都での暮らし。今、私は本当の本当に京都で暮らしているのだと、なんだか信じられなくて、ずっとふわふわ浮き足立っています。

2ヶ月間、狭い東京の家の中で縮こまって生活をしていた日々がまるで嘘だったかのように、今は鴨川で広い空を仰いでいる。

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これから、京都での生活を日記にしたためていこうと思います。
その日あったことや感じたことを、忘れないように。

6月23日(火) 念願の京都入り

前日は雑誌の撮影があり、クタクタで夜9時に寝てしまった。
まずい、京都へ行く準備、まだ何もしていない。

朝3時に起きて、家の中を片付けつつ、断食明けの梅湯(京都へ行く前に心も体もリセットしたくて、5日間のファスティングをしていたのです)。

京都ではシェアハウスに住むので、家具も家電も揃っており、持って行くのは衣類や化粧品、充電器、調味料くらい。まるで旅行にでも行くかのようなスーツケース1個に全ての荷物が収まった。あれ、私旅行に行くんだっけ?

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12時に東京駅で新幹線に乗り、あっという間に14時過ぎには京都駅に到着。雲ひとつない、快晴の京都。暴力的な日差し。やっぱり京都は暑い。
タクシーで、入居予定のシェアハウスへ。

事前に内見せず、ネットの情報だけで入居を決めたシェアハウス。立地が良くて(私的に)、家賃が安く、初期費用がほとんどかからないためリスクも負担も最小限なのだ。

オーナーさんに案内していただき、いよいよ京都生活がスタート。良かった、イメージ通りの素敵なシェアハウスだ。しかし、キッチンがゴミゴミしていたので、あとで徹底的に掃除するぞと心に誓う。

まずは生活物資の買い出しへ。自転車が必要だと思い、中古の自転車を1万円ちょっとで購入。鴨川沿いを走るのは気持ちが良いなあ。

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一通り必要なものを揃えて、簡単に夜ごはんを食べて、急いで梅仕事。
藏光農園さんの無農薬完熟梅、発送されいてるの全然気が付かなくて、少し時間が経ってしまった。ごめんなさい…。
しばらくは梅のアロマが部屋を満たしていました。

この日は前日までの疲れもあって、銭湯で体を癒しました。東山湯、昭和にタイムスリップしたかのような銭湯で、めちゃくちゃ渋い。

6月24日(水) 執筆な一日と、熱狂の夜

朝6時に起きて、鴨川散歩。気持ちいい。

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7時までに朝ごはんを食べ終えて、今日は執筆関連の〆切(しかも未着手)が一件あるので、部屋にこもって執筆作業。
日当たりが良く、なかなか快適な私の部屋。仕事が捗る。しかし、椅子が硬くてお尻が痛いので、椅子用のクッション買わなきゃ。

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夕方ようやく原稿提出が完了し、自転車で買い出しへ。酒屋さんにも寄って、光栄菊をゲット。近所に最高の酒屋さんがあってラッキー!

夜はシェアハウスのミーティング。ゴミ出しや掃除の分担を決めました。
その後、どうしてもキッチンを綺麗にしたくて、新入りのくせに出しゃばって、キッチンが使いやすいように物の配置を変えたり掃除したり。他のメンバーも手伝ってくれて、おかげさまでピカピカになりました!これで快適に料理ができる!

その後、みんなが夜ごはんを食べているところにそっと忍び寄り(笑)、仲良くなるために振る舞い日本酒。みんな日本酒好きみたいで、大喜び!

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専門学校に通っているという女の子と話していたら、なんと京都が好きになったきっかけが私と同じ森見登美彦作品の影響ということでビックリ!
聖地巡礼していたら京都が大好きになって、3ヶ月に一回のペースで神奈川から京都に夜行バスで通っていたのだとか。海外に行っていた経験もあるそうで、話していてすごく楽しかった。お酒も好きみたいで、今度飲みに行く約束をした。楽しみ楽しみ。

その後また別の子にターゲットを定めて(笑)日本酒を振る舞い、私の考える"日本酒と料理のペアリングのメソッド"について話していたら、「これ、物理の基本原則そのものですね」と。
大学で宇宙物理学の研究をしているという彼は、ミーティング中ずっと何も見ずに数式を解き続けていた。聞いたところ、「もう頭の中に答えは出ているから、あとは手を動かして書き出すだけ」なのだそう。全然意味がわからない。

そうか、ペアリングは物理にも繋がるのかと一瞬思ったけど、いや違う。
物理があらゆる物事の基本になっているのか。

彼は真空管の話を出して、デジタルとの物理的な原理の違いを説明してくれた。共鳴だとか、緩衝だとか、いろんな言葉が出て来たなあ。

で、そんな話を聞いていると、「じゃあ、あれは?これは?」と気になることが沢山出てきて、話は音楽から文学、宇宙、哲学、映画と多方向に広がり、もう止まらない!なんでも知ってる、博識な彼。天才ってこういう人のことを言うのか。

深夜2時半までぶっ通しで話し続け、なんやかんやで最終的には司馬遼太郎の本を借りた。本当にエキサイティングな夜であった。

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「こんな時間までごめんね」と言ったら、むしろこういうことを考える時間が何よりも大事なんだって。

大盤振る舞いしていたら4合瓶の日本酒が2本近く空いてしまったけど、お金には代えられない価値が得られるので、私はいくらでも日本酒を買うよ!

6月25日(木) ハッピー太郎さんと再会

久しぶりに仕事のタスクがほとんど無い日。
昨夜は遅くまで飲んでしまったので、8時過ぎに起床。

ちょこっと残っていた仕事を終えて、さあ何をしようかな。
とりあえず、自分好みに部屋をカスタマイズしたかったので、近所の雑貨屋さんで可愛いカゴと、お花屋さんで紫陽花をゲット。

よし、どんどん良い空間になってきたぞ。

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リサイクルショップに行って冷蔵庫(8500円)もゲット。
一年後に無料で引き取ってくれるとのことで、大満足。

そろそろお腹が空いたので、お昼ごはん。朝のご飯の残りにお味噌汁をかけて、梅干しや薬味やちりめんじゃこをかけた汁かけご飯。これが驚くほど美味しい!

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夕方からは、彦根で糀の工房を営むハッピー太郎さんとの約束。
ワクワクしながら、バスで京都駅へ。

久しぶりのハッピーさんと、握手で再会。ああ、嬉しい!
(その後すぐにアルコール消毒。笑)
この瞬間を、どれだけ待ちわびたことか。ステイホーム期間中は、なんだかんだ映画や読書や料理に興じたりオンライン飲み会をしたりしてそれなりに楽しかったけど、実際に人に会うことは何にも変え難い。

浅野酒店で角打ち。ああ、美味しい。

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昨夜の興奮のままにハッピーさんにペアリングと物理の話したら、なんとオーケストラに近いと。(ハッピーさんは大学時代オーケストラでトランペットを吹いていた)
オーケストラの人たちは、"それぞれの音が共鳴して、音が増幅して、ボワっと広がる瞬間の快感"を得たくてやってるのだとか。それを聞いた私は、「それってグルーヴとは違いますか?」なんて厄介な質問をしたりして、またまた話が白熱。

いろんな話をしたなあ。
木之本の「古橋焼肉」という郷土料理が、地元流通の七本槍とまんま同じ味がするとかで、やっぱり日本酒の地域性は奥が深いよねえ、とか。近所の美味しいお豆腐やさんも教えてもらったり。

ハッピーさん、私のことをすごく褒めてくれて嬉しい。
自分のいる環境を変えることができる私は、自己肯定感が高いんだって。
そっか、私って自己肯定感が高いのか。初めて知った。

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やっぱり「いる環境によって自分は変わるよね」と私は思っていて、京都に来たのも、京都の環境が好きだから。「どんな環境であれ、自分自身が変わるしかない」という考え方もあるけど、環境が与える影響は大きいと思うのです。
私が法政大学を選んだのも、市ヶ谷のお堀があって空が広い環境が好きだったから。私はとにかく広い空が好きなんだな。笑

空が広いと、心も広くなり、気持ちが軽くなる。
時間に追われず、のびのびと深呼吸できる。
気分が変われば、行動も変わる。
やっぱり私は京都に来るべくして来たのだ。

それにしても、昨夜の語らいがハッピーさんとの語らいにも繋がっていったのが面白かった。まるで話が命を得て、旅をしているような。
昨日が今日に繋がり、今日が明日に繋がっていくなんて当たり前のことなのだけど、それをやけに強く、生々しく感じた夜。ああ、楽しかった。

ハッピーさんとお別れしたあと、あまりの楽しさにマスクの下でニヤニヤしながら(怪しい)、テクテク歩いて「酒とつまみ蓮」さんへ。引っ越しのご挨拶で燗酒をちょっぴり頂きました。
(むろん、ちょっぴりでは終わらずしっかり2合飲みましたが)

ここでもハッピーさんと話した話題を持ち込み、店主の優さんとも白熱。
優さん、物理の話も文学の話も歴史の話も全て通じて(というか想像の上を行く返答がくる)、あらゆる分野に精通していてめちゃくちゃ面白い。空海についてスラスラ語られたときは度肝を抜かれたなあ。

美味し過ぎるおつまみ2品と燗酒2合飲んで、2,500円。安すぎて大丈夫かなって毎回不安になる。週2くらいのペースで通うことになりそう。

6月26日(金)ぐるぐるお散歩

今日もあまりタスクがない日。
まったり過ごしながら、今後の計画を練ろうかしら。

まずは朝のお散歩。
京都用に新しいサンダルを買って、ウキウキ。

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鴨川をぐるっと歩いて、出町ふたばで豆餅を買って。
そうだ、下鴨神社に挨拶しなきゃ。

「近くに越してきました よろしくお願いします」と手を合わせてお詣りした直後、一瞬だけサアッと雨が降った。下鴨さんが微笑んでくれた気がした。

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桜の季節に京都に来られなかったのは残念だけど、梅雨の京都も風情があっていい。

晴れたり曇ったり、しとしと雨が降ったり、バケツをひっくり返したような通り雨が降ったり、今日は変な天気だなあ。

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近所の古書店で本を沢山ゲット。
「物理学と神」は、ここ最近の関心事そのもの。読み始めたばかりだけど超面白い。「ホモ・ルーデンス」はすでに持っているけど、京都用にもう一冊。「平安京遷都」を読んだら、「空海の風景」を読もう。

雨音を聞きながら、今日は本の虫になります。

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