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著書紹介 #私について

こんにちは。「発信するセンセイ」です。
新潟県で教員をしています。

2022年12月に最初の本を書きました。
この本について、富山県で教員をなさっている能澤さんという方がレビューを書いてくださり、FBに投稿してくれました。

私の考えを知ってもらう契機になれば嬉しく思います。
ぜひお読みください。


能澤先生

◆書籍紹介◆

この夏、ぜひ手にとっていただきたい2冊の書籍を紹介します。
1冊はぼくの書いた『先生2.0:日本型「新」学校教育をつくる』なのですが(苦笑)。もう1冊、「学校のセンセイのためのキャリア構築ガイドブック完全版」(以下「キャリア構築ハンドブック」)をご紹介したいと思います。

この本の著者は、新潟県の高校教諭の柄澤春明さんです。
柄澤さんは、「心の職員室」でも時々、投稿されているので、お名前をご存知の方も多いと思います。

柄澤さんとは、Facebookを通して、度々やりとりをしてきたので、ぼくとは意見が近いことを感じていました。「キャリア構築ハンドブック」の発売は昨年の12月だったのですが、この本は落ち着いてじっくり読みたいと思い、自分の書籍を出してからのお楽しみにしていました。

実際、手に取ると、読みやすさと内容の的確さ、面白さに一気に読み切ってしまいました。

柄澤さんがいつも言っておられる「教師を捨てれば、教師になれる」という言葉の意味を実感しました。

僕と柄澤さんの共通点は「教員30年選手」であること。もう一つ、大きな共有点は、「現在の学校教育や教員の働き方に行き詰まりを感じ、それを何とかしたい」と思っているところです。ただ、その答えを導き出そうとするアプローチがまったく異なります。

ぼくはその答えを、学校がここまで多忙になってしまった原因や、本来の学校制度のあり方を見直すことによって見出そうとしました。

柄澤さんは、これから先の時代に子どもたちや教員に求められる資質を「キャリア形成」という観点から見直し、答えを見出そうとしておられます。

読んでいて驚いたのは、まったくルートの違うアプローチをした結果、ゴールは「ほぼ同じところに着いた」のです。かなり大雑把に言えば、ぼくは「過去から現在へのアプローチ」、柄澤さんは「現在から未来へのアプローチ」。その着地点が極めて近かったということです。

本を読みながら、余りの共通項の多さに、何度も声を出して笑ってしまいました。(以下、柄澤さんの書籍からの引用には【柄】、能澤の書籍からの引用には【能】をつけます。)

【柄】「子どもたちは、目標達成に向けて生き生きと、そして楽しそうに働いているあなたの姿を見て、『いろんな生き方があるんだな』『人生って楽しいものなんだ』『大人になるのも悪くないな』こんなふうに感じてくれるはずです。」

【能】「子どもの身近な大人である教員を見て、『大人になれば楽しい未来が待っている』ことを子どもたちに感じ取ってもらいたい。そのためにも、教員自身が幸せに働いている姿を見せてほしい。」

【柄】「誰もが『学びたいことを学べる時代』がやってきているんです。」

【能】「学ぶということは、個人の自由意志である。これをまず、子どもたちにはっきりと伝えることが必要である。『勉強するかどうかは自分で決めることです。』『何を勉強して、何を勉強しないかは自分で決めていいのです。』」

【柄】「『私は、本当は何がしたいのか?』『もっと私自信を輝かせるためには、どうすればいいか?』このことについて、いつも考えておくことが大切です。あなた自身を解き放つ瞬間を迎える準備が、あなたには必要です。」

【能】「『自分は何がしたいのか』『自分はどんなふうに生きたいのか』『自分の目標は何か』、その答えをもてる子どもたちに育てていきたい。そのためには、教員自身が絶対値の自分を知ることが必要だ。」

あまり書くとネタばらしになるので、これくらいにしておきますが、とにかく笑えるくらい「アプローチが違うのに、ゴールが近い」のです。

共に30年選手の教育オタク教員二人が頭を振り絞って考え抜いた結論です。

学校教育の「過去から現在」「現在から未来」という二つの視点を、あなた自身に実装してください。きっと、混沌とした学校現場が今よりスッキリと見えてくるはずです。そして今、どこに力を入れてどこに力を入れてはいけないかの区別ができるようになるでしょう。

「今まで」の延長線上に、「これから」はありません。

残り半月ほどの夏休みですが、ぜひ手にとっていただきたいと思います。

『先生2.0:日本型「新」学校教育をつくる』
https://www.amazon.co.jp/dp/4908983690/

『学校のセンセイのためのキャリア構築ガイドブック完全版』 �https://www.amazon.co.jp/%E5%AD%A6%E6%A0%A1.../dp/B0BNZ3GZXR

ここまでが能澤先生によるレビューです。
以降は、上記レビューへの質問からどんどん広がっていったお話しです。
よかったらご覧ください。


K先生

ここ最近ずっと考え続けていることです。
僕もお二方と同じ方向で考えているのですが、1つ引っかかりがぬぐえません。

日本の教育は、「半強制的教育」によって学力格差の比較的小さな状態をキープしてきました。それを自由の方に舵を切ると、どうしても格差が広がるようになる気がしてなりません。能澤先生の著書にもその点に言及されているのですが、果たして本当に両立させることは可能なのかな?と。

僕たち教員は、比較的豊かな家庭環境等にいた人が多いわけです。そうではない人たちの状況を理解できるかというと、疑問に思うところがあります。

ということで最近は、自由に舵を切るのは危険だと感じ、これまでの教育環境を変えない方がよいのでは?と思う自分もいます。揺り戻しを起こさせないために、僕は「しれっと変化」をして、分からないように変化を続けていく方法を考えています。

わたし

学力が高くなくても個人の主体性や職業選択の多様性、それを支えている雰囲気を持つ国が、きっとあるんじゃないでしょうか。

確かに、学力格差は小さい方がいいような気もします。ただ、一面的な「学力」だけで個人の選択肢が拡大・縮小する現状は、その社会に生きる人たちを幸せにすると思えないんですよね。

その意味で、学力維持と主体性育成の両立は、必要不可欠ではないかもしれません。

習得内容を最大公約数に抑えて、あとはできるだけチャレンジを促す。失敗を容認(奨励)し、小さな自信を積み重ねていく働きかけをすべきだと思います。

K先生の言う「しれっと変化」することが、多くの教師に求められています。「号令」に従った行動は、副作用が大きいです。個人レベルで静かに進行させ、雰囲気を作ってしまうことですね

K先生

なるほど!
僕は学校を基準に考え過ぎていたのかもしれません。

現状を見ると、いわゆる「偏差値の高い」学力をもって就いた職業の年収が高い傾向にありますが、そうではない仕事がこれから出てくるかもしれませんもんね。

主体性育成を目指すのは、確かに必須のことかもしれないと思いました。

わたし

ですね。学力格差=生涯収入格差は事実ですが、「みんながそうなれるわけではない」し、「みんながそうである必要はない」わけです。この2点が腑に落ちれば、多くの人にとって可能性に満ちた社会になると思います。

これからの学校は、率先して従来型教育および価値観から脱却を図る必要がある。学校は、社会の先を歩いていかなければならない存在です。

なーんて。

K先生

1つだけ教えてください。

学校の勉強以外の学びとはいったいどのようなものなのでしょうか?

今ある職業ならば子供たちもイメージできると思うのですが、未来に創られるものを想像することが難しいです。

また、将来の職業としてYouTuberが一時期とても人気になりましたが、これは20年前にはなかったもので、憧れの職業に見えたからかもしれません。しかしこのように新しい仕事というのはなかなか生み出されていませんし、専門性も高いです。

現状、やはり「とりあえず学校の勉強をしておこう」となりがちだと思うのですが、これを打破するためにどのような視点をもてばよいのでしょうか?

わたし

私もよくわかんないです。
ただ、こんなふうに思ったことはありませんか?

「私たちは、いつも私以外の誰かの人生を生きている」

私は、いつもそう感じています。いつもないものねだりをして、誰かを羨み、自分がそうでないからと言って卑下し、”何か”に駆り立てられながら生きている。”自分”がないんだと思います。

学校の役割は、「生きるとはこういうことだよ」と教えること。「こうすれば生きやすいよ」と教えることですかね。これは、日本人が「どのようにアイデンティティを育むか」ということを、かなり真剣に考えるところから始めなくてはならないでしょう。

あとは、「人生って、そもそもかなり流動的だよ」っていうコンセンサスが得られていれば、多くの人が自分を追い込むことなく、明るい展望を持って生きていけると思います。

K先生

有難うございます。
結局はそこに行き着くように思います。

人生は自分を中心に回っている、ということに気づくことで、主体的に生きていけるのではないかと。

他人へのベクトルと自分へのベクトルのバランスを真剣に考える時、なのですよね。

わたし

ですよね。
能澤さんへの質問に、私が答える形になってしまいました。
すみません。

能澤先生

柄澤さん、お答えいただきありがとうございました。
遅くなりましたが、ぼくの答えも書いておきます。

例えば、テストをものすごく簡単にして全員がAになるようにすれば、子どもたちの意欲が上がり、勉強から離脱していく子らを学習につなぎ止めることができます。これをすると全体の学力は落ちます。しかし、勉強嫌いの子を減らします。底上げによって格差を小さくすることができます。

授業のゴールが「評価」(ランクづけ)という思い込みが、歪みの原因の一つです。全員A(もしくは全員B)を目指して評価規準を低レベル化していけば、格差は見えにくくなります。

もう一つの決め手は「豊かな学び」です。楽しい、熱中できる、自分の成長が感じられるなどの要素をもった授業を展開することです。離脱者を防ぐのは、半強制ではなく、授業の魅力であってほしいと思います。

ぼくは今、県独自の小学生向けの学期末テスト(ムダに難解)を取らないようにすることを交渉中です。

お答えになっていたでしょうか。気になるところは、また重ねて質問してください。

わたし

私は「評価」が限界に来ていると感じます。
「公文式」みたいにどんどん個人別に進んでいって、究めたい生徒には道を開き、方向転換したい生徒にも新たな方向性を見せることが学校の役割としてふさわしいと思っています。

「豊かな学び」とは、「生徒の成長にフォーカスした働きかけ」でしょうか。ならば、すべての教科を「人生」や「社会」や「人の営み」に結びつける必要があります。

だったら、面白いですけどね。

能澤さん、ご紹介いただきありがとうございます。ともに「30年選手の踏ん張り」ですが、能澤さんは「現実を深く分析しながら理想を高く掲げていく方向」で語り、私は「自分が信じる未来を夢想する方向」で裏付けのない文章を書きました。

とはいえ、ぜひいろんな方に読んでいただきたいと思っています。


以上です。
こんなに話が盛り上がると、楽しいですよね♬

この記事を読んだあなたも、教育に関していろんな思いをお持ちかと思います。よかったら、ぜひ聞かせてください。

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sakidori.sensei@gmail.com


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「7つの習慣®実践会ファシリテーター養成講座」修了
 


思いつきと勢いだけで書いている私ですが、 あなたが読んでくれて、とっても嬉しいです!