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出発前夜

先々週から先週にかけて、娘の学級は学級閉鎖になった。
母子共に初体験。
私自身、学級閉鎖を経験せず大人になり、娘もうまくすり抜けて4年生になった。
予告なく(当たり前だけど)学級閉鎖になって、1週間自宅学習になった。
今、家にいられてよかった。お勤めに出ていなくてよかった。。。と思った。

学級閉鎖の1週間の間に、私は保育のボランティアに行く日があった。
事情を話していかれなくなったことを伝えた時、ほんの少し申し訳ない気持ちになったけれど、お勤めしている時とは気持ちの重さがだいぶ違った。

お勤めしていたら、1週間分のお休みをいきなり調整する心が苦しい。
警報が出そうな時も、お勤めしているときはヒヤヒヤしていた。
学校が休校になったら、私もお勤めにいけない。
お休みをもらう連絡をするのはいつも気が重い。

有給休暇は子どもの学校の用事であっという間になくなって。
そのあとは欠勤になっちゃうのも、こころが寂しい。
こういうのがちょっとづつ重くなっていた。
誰のせいにもできない。
思い通りにならない。
代わりに休んでくれる家族いたらなと思っちゃう。


娘が幼い頃は、娘連れでライブハウスで歌うことは続けたけど、私の行きたいところや一人でしたいことを考えようという気持ちが湧き上がる隙はなかった。
娘が3年生になって、私もお勤めを辞めて休養しながら次の人生の歩みを考え始めた頃から、私の心の自由がずいぶん増えた。
だいぶ遠い場所へも、娘を一緒に連れて出かけられるようになり、娘が行きたいところへ私が付き合うのではなく、私が行きたいところへ娘が付き合うことも増えてきた。
でも、やっぱり難しい時はある。

母子二人暮らしはいいことがたくさんある。
娘と二人でよかったなぁと思うことがたくさんある。
でも、家族がいたらな、と思うこともたくさんある。

娘を連れて、大切な用事に出掛けていけるのは、たくさんある大切なことの中の厳選したひと握り。
祈るようにタイミングを測って、計画できた時は本当にうれしい。
でも、計画しても実行しきれないことはたくさんある。
娘が体調を崩すこともあるし、時間的、場所的に困難なこともある。
家族がいたら、私一人で出かけることができるのに…と思うこと、ある。
でも、これは娘に守られてるなと思っている。
無理ない範囲を自分で決めるのは難しい。
でも、娘が基準になると無理ない範囲は決まっていて、わたしたちを守ってくれる。

今日は、主宰する「うたさんしんくらぶ神戸」の定例の日だった。
娘が発熱して学校を休んだ。
どうしようか色々考えた。
一緒に連れていって少し離れたところで静かに過ごしてもらおうか。
いやいや、発熱してるのにそれはいけないか・・・。
3時間程度、家で留守番してもらおうか。
頭の中がぐるぐると回った。

結局、当日の、開始1時間前になって会場のキャンセルをして、来る予定をしてくださっている皆さんに連絡をした。
使用しなかったとしても予約していた分の会場費の支払いの件で問い合わせたら、会場のご好意で、当日1時間前にドタキャンしたというのに、翌週に振替変更してくれた。
世の中はありがたいことばかり。

明日から予定していることがいくつかあって、何度も見送ってようやくタイミングが巡ってきた用事があるのだけれど、
今まだ平熱ではない娘を連れて、その予定は計画通りできないだろうと思う。
娘も楽しみにしていたので、明日の朝元気になっていたら予定通りにしたいと言って布団に入った。

予定通りにはできないだろう。
常識的に考えたら。
でも、何度も見送ってタイミングを待っていたことというのもあるのと、
明日は、おかーさんの1周忌というのもあって
出発前夜のこんな時間になっても決めずにいる。
予定を少し変更したらできるんじゃないか、と諦めきれずにいる。

娘のおでこを冷やす手拭いを替えながら、おかーさんのことを考えている。
おかーさんと私の関わりの延長線上に今、私と娘がいる。
おかーさんが教えてくれた手仕事を娘と一緒にする、とか。
おかーさんが好きな花を買ってきて、娘と育てる、とか。
おかーさんがガチャンガチャンと音を立ててお皿を扱うのを、私もいつかそうするようになっていて、気づいたら娘もそうするようになってる、とか。

明日は早朝出発してお墓参りに行く予定だった。
法事は、お寺と実家の都合でもう終わっているので、私と娘でお墓参りに行こうと思っていた。

そのあと懐かしいみなさんに会いたくて横浜アカデミアに行こうとしている。

横須賀で、神奈川のうたさんしんくらぶのみんなと会う約束をしている。

明日の朝起きて決めようか。
心の中の私のひとりは 何言ってんの!無理に決まってるじゃん。と言う。
もう一人の私は  決めれないよね。決めれないよね。 と言う。

でも、
早朝出発はもう無理だから。
おかーさんのお墓参りは、明日は行けないかもな。
いいね。おかーさん。


そう遠くない将来に、 あぁこんなふうに思ってた時もあったのねって笑って読むと思う。





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