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地下アイドルと地上のアイドルの違いの考察

ここ最近、地下アイドルと呼ばれるアイドルと、地上と呼ばれるアイドル、そして、その境界線上にいるであろうアイドルのステージを見る機会が多くあった。そこで気づいたアイドルの構図というものを述べたいと思う。

まず、大きく分けるとアイドル産業には、一般的に地上のアイドルと地下のアイドルの二つの産業が存在する。(今回、メンズの話は除外しています。)
この二つは、一見すると規模や実力などで上下に区分されているように見えるが、実際には全く別の産業として、それぞれが存在している。
そのため地上のアイドルよりも人気の地下アイドルというものも当然存在する。

地下アイドルはメジャーになれない?

その二つの産業は実は繋がっておらず、地下アイドルは最後まで地下アイドルだし、地上のアイドルは結成した瞬間から地上のアイドルである。

この二つの違いが何かというと、地上のアイドルというのはいわゆる企業からの収益すなわち広告というものをメインとしているのに対して地下アイドルは、アイドルファンからの直接の収益がメインになっているという特徴がある。もちろんパキッと別れているわけではなく、地上アイドルもグッズやチケット、ミーグリといったファンからの直接収益もあるし、地下アイドルに関しても広告からの収益があるグループもいるでしょう。

そのため地上のアイドルの至上命題はイメージの向上というものがメインになる。企業がアイドルを広告に使った際に企業や商品のイメージをどれだけ向上させられるのか?というのが戦闘力になる。もはやCDのセールスやドームでの集客というのも、人気アイドルであるというステータスのために数字が必要という仕組みである。

一方で地下アイドルはというと、アイドルファン一人から何円を引き出せるか?というのが至上命題である。そのためチェキの販売やグッズの売上、ライブでの集客というのが収益源になるので、それを頻繁に繰り返すという商業スタイルになる。

このように運営の目的が大きく違うため、地下アイドルはどれだけ頑張っても地上のアイドルにはなれないという現実は存在する。
もちろん、その中でも例外的なスーパースターは過去にも存在しているが完全なるイレギュラーと思った方がいいだろう。具体的には「最上もが」「橋本環奈」「あのちゃん」と言ったレベルの極端に飛び抜けた才能を持ち合わせている必要がある。それでいても彼女たちの所属しているでんぱ組.incやゆるめるモ!などは未だに地下で活動している。地下にいた頃の運営を切り離してテレビタレントになっているということからも、地上と地下が繋がっていないということがわかるだろう。

ここ20年ぐらいの歴史を振り返ってもアンダーグラウンドから地上の世界に這い上がってきたアイドルグループというのは私の知る限り存在しないと言っても過言ではない。

際どいのがWACKだが、代表の渡辺淳之介が最初にBiSを始めた時はレコード会社の社員であり、レコード会社の社員が始めたアイドルグループが純粋な地下アイドルなのかというと、地下アイドルを市場にしていただけで、根本は地上と言っても良いだろう。そう言った意味では新しい学校のリーダーズやFRUITS ZIPPERも似たようなものだし、ももクロなんて言わずもがなだ。最初は売れなかった地上アイドルが売れただけだ。

このように、どれだけ地下アイドルとして人気が出ようが、それが地上に上がって生息し続けられる世界ではない。もちろん前例がないだけで絶対不可能ではないが、アイドル本人としては地下で努力することがアイドルとして地上に出る近道とは言えないだろう。

地上地下に優劣はない

ここまで来て勘違いしてほしくないのが地下、地上という言葉の印象で地上が上、地下が下と解釈してしまいがちだがトップ地下アイドルが不幸なのか?というとそうでもない。例えばFES☆TIVEは現在トップクラスの地下アイドルのポジションを取っていることには異論はないだろう。おそらくだがメンバーの収入は一般的な同年代のOLと比較しても多くもらっているだろう。またワールドツアーを回ったり、アイドルとして充実した日々を送っていることが想像できる。
現状、駆け出しの地上アイドルである僕青やWHITE SCORPIONよりもFES☆TIVEの方が世界的に見ても高い人気であることは間違いない。それでも紅白歌合戦に近いのは?と聞かれると、やはり僕青やWHITE SCORPIONだろう。今のFES☆TIVEの位置が地下アイドルの大成功の限界点ではないだろうか。

地下アイドルが地上に出られない理由

これまでは地下アイドルは地上で生息できないという話を実例を交えて解説してきたが、ここからは、その理由を解説していこう。
地下アイドルが地上アイドルになれない理由は政治力である。

芸能界は政治力が非常に重要

昨今、芸能界の事情というのが以前に比べて露呈してきているため読者でも想像しやすいと思うが芸能界というのは政治力というのが非常に重要な世界である。ジャニーズ帝国や吉本興業を見てみれば明白だろう。
そんな政治力が重要な業界に新規参入するのは非常に難しい。
先ほど例に挙げたWACK代表の渡辺淳之介も早稲田大学卒業後に新卒としてレコード会社に就職という真っ当なルートを辿って芸能界入りしている。BiSHの人気が出て地下から芸能界に参入してきているわけではない。

結局は事務所の大きさ、すなわち運営の能力(政治力)が全て

もちろん、同じグループ内での人気に関しては本人の努力の係数も小さくないだろう。運営に推されるという努力も含めてアイドル本人の能力値として捉えることもできなくはない。しかしアイドルグループ全体の人気というのはアイドル本人の能力が影響するのは限りなくゼロに近いといっても過言ではない。戦闘力5の坂道メンバーと戦闘力100の地下アイドルで戦っても、坂道メンバーの人気が勝つだろう。もちろん、実際はオーディションの母数が桁違いなので戦闘力5が坂道に混入することはないのだが。

地下アイドルの運営が紅白の枠を取りにいけるのか?

地下アイドルの運営、特に底辺に近い部分の運営というのは所謂バンドマン崩れや、ボカロP崩れ、地方のイベンターなどが多い。そのポジションの人間が芸能界の政治競争でTV番組の出演枠やCMの出演枠を取りに行けるのか?ということである。学歴至上主義というわけではないが、芸能界というのは偏差値65以上の人間が大多数を占めます。TV局や広告代理店、レコード会社などは日本でもトップクラスの優秀な人材が集まっています。勉強ができる人は仕事もできます。そんな世界で地下アイドルの運営が戦っていけるはずがありません。これが地下と地上が繋がっていない理由です。

アイドル本人に伝えたいこと

それを踏まえた上で、アイドル本人は、どうしたら良いのか?という話題に入っていきたいと思っている。

アイドルは時限性の職業である

これは、ある程度理解できていると思うが、アイドルとして活動できるのはかなりの実績がある状態でも30代前半までだろう。もちろんアイドル市場で新規のファンを増やしていける年齢となると、20代中盤が限界である。

その後どうするの?という話だがルートとしては「タレント」もしくは「芸能界引退」のどちらかの道に進むことになる。そして地下アイドルからタレントになるというのは先に名前を挙げたようなアイドル業界を塗り替えるようなレベルのスター選手のみである。そのようなスター選手は加入して活動を開始すると1年もかからずに世間に見つかることになる。地下アイドルのグループであればエースクラスというレベルではなく圧倒的に一人突出というレベルです。

圧倒的に一人突出というのは、この状態を指す

現時点で1年以上活動していてワンマンで1000人入らないレベルのアイドルグループのメンバーであれば、まずは、自分はそのスター選手ではないということを自覚すべきである。グループではチェキ列が一番長いとか、SNSのフォロワーが多いとかそのレベルでは芸能界では生き残ることが不可能である。

どこのレベルを目指してる?

あなたはアイドルとして、どのレベルを目指していますか?ということによって今後の立ち振る舞いが変わります。アイドルグループとして紅白に出てTVのレギュラーを持って、俳優と結婚してママタレとして芸能界で生きていきたいのであれば、確実に運営を選択する必要があります。本人の能力でそこにたどり着いたのは歴史上あのちゃんのみです。アイドル時代のあのちゃんの圧倒的な突出具合はアイドルであればご存知でしょう。明らかに自分のフォロワーのアイドルが何百人もいるレベル感です。

運営を乗り換えるしかない

自分には実力があるが、なぜ売れないのか理解できていないのであれば、すぐにでも運営を変える必要がある。すなわち卒業して鞍替えです。一番簡単なのは秋元康プロデュースグループのオーディションに合格することです。
他にもメジャーな事務所、レコード会社がオーディションを行なっていることがあります。そういったオーディションに合格することが地上アイドルへの唯一の道筋です。メジャーオーディション合格だけに焦点を絞って活動するべきです。オーディションに合格するためのダンスレッスン、ボイトレです。


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