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前十字靭帯を断裂した

プロを目指してバスケをしている。
25歳と2週間。
前十字靭帯が切れた。半月板も切れた。
積み上げてきたものは全て奪われた。

ものすごく泣いた。診断されるまでもされてからも。怖いし辛かった。
それから少し時間が経った。
起こったことをこれから少しずつ記録したい。
自分の現状を気にしてくれている人。
そしていつかこれを読み返す自分へ。

日曜日:挫傷

プレー中に接触。激痛。強烈なバキボキという音。一切動けず悶えた。10分程度で痛みは治った。アイシング等をして、歩くことはできた。
噂に聞く前十字靭帯の症状と似ている。日曜だったので救急しか空いていない。行っても専門医に行けと言われるだけ。
その日は知り合いの整骨院の先生に連絡して少し話した。翌朝1番に整形外科の予約を取ってくれた。
それ以外にも何人かとは連絡を取った。
恐怖で仕方なかった。前十字靭帯が切れてるかもしれない。もしそうだったら俺はどうなるのか。1年バスケができない。復帰しても元通りかはわからない。先のことを考えると本当に何もわからなくなった。とにかく泣いた。

月曜日:触診・レントゲン

朝一で中学生の頃から通っている整形外科へ。触診とレントゲン撮影を行なった。
その時はポジティブだった。
昨日から腫れや内出血はない。靭帯が切れてるなら大体この辺はある。
触診で動かした時も前十字靭帯、内側側副靱帯の可能性はそこまで高くないという様子だった。
安堵した。靭帯は治らないが骨折なら治る。
でも確実にそうと決まったわけではない。100の不安が85に減った程度。
この日の夜は暑いのか寒いのかわからなかった。前十字靭帯が切れたら熱が出ると聞いたことがある。
熱は38度まで上がった。85の不安は95になった。

火曜日:MRI撮影

整形外科の先生が総合病院のMRIを予約してくれた。この日はMRIを撮影しただけ。
腫れもまだなかった、朝昼は。
夜に膝をアイシングしようとした時に気づいた。明らかに腫れている。
自分の中でパズルが完成していく。
・内に入った膝
・聞こえた音
・挫傷の瞬間は激痛、しばらくしたら治る
・怪我をしても歩ける
・熱が出る
・腫れ
前十字靭帯断裂の症状がほぼ全てある。どうしようもなく不安だった。逃げ道のない自分に涙が止まらなかった。むしろ不安は確信に近かった。

水曜日:MRI診断

MRIのデータが入ったディスクを持って朝一番にいつもの整形外科へ行った。
不思議と落ち着いていた。全ての事象が自分に前十字靭帯断裂を突きつけていたが、「歩ける」「痛みは弱い」ということから前十字靭帯断裂は実感が非常に薄い。そのため、落ち着いてたが、実際には現実を理解できていなかった。
名前を呼ばれて診察室に入った。モニターにはMRI画像が映されている。

「膝にあるはずの線が見えなくなってる」
え?どういうこと?撮るの失敗したってこと?

「ここに繋がっているはずの靭帯が見えなくなってしまっている。高確率で前十字靭帯が損傷している」
意味わからん。
痛ないですて俺、歩けてますやん。

「とりあえず今すぐ医大行って検査しよう。」
わからんわからん。何を言うてんねや。

一言も言葉を発せんかった。めちゃくちゃ泣いた。意味がわからん。何でこんな真面目に毎日やってきて俺が怪我せなあかんの?おかしいって。どうなってんねん世の中。他の何犠牲にしてもバスケしてきてんのに、バスケも終わり?

先生はいろいろ声かけてくれてた。
取り乱してたからいまいち覚えてない。
ただ、診察室入って結果を聞いて、全部現実やと知った瞬間のあの気持ちは忘れることない。

今日はここまで。書くの疲れた。

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