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いつも、救われているのは。

40分どころかアップから試合終了までの2時間、本当に耐えずチームを鼓舞し続けて覇気を出し続ける。そんな日久選手にブースターは救われている

最近、頂いた言葉。
その言葉を最初聞いた時は「ほぇ?」となった。
同じような言葉を何人もの方々からいただいてやっと「はっ!」となった。
自分の中で噛み砕いて最終的には「そうじゃないんです…」となった。

[僕は人を救っているのか]

最初言われた時は僕の理解力不足でその意味を100%は理解していなかった。僕が声を出したりチームを鼓舞するのは簡潔にいうと「勝利のため」である。勝利のために尽くすのはもちろん応援してくださるブースターの方に応えることではある。でもそんなことはチームに所属してバスケをしている以上至極当たり前のことである。救うというのとは少し違う気もする。
しかし、同じようなことを複数の方から言われ、僕は母ちゃんや親しい友だち、先輩に世間話としてこの話をした。目から鱗が落ちた

日久はまだ応援される側だからわからないと思うけど、応援するのって思ってるより簡単でもないし楽しくもない。もちろん応援してる選手やチームが活躍したり勝てば嬉しいしそういう時は応援してる側も良い気持ち。
でも、逆の時は?チームは負けてる。せめて良い戦いをして欲しいと願って見てても選手からは覇気がなくチームの雰囲気も悪い。選手たちにそんなつもりはないと思うけど人によって見えているものは違う。海外では自チームのファンに大量のブーイングを浴びさせられたり、時にはファンと選手で乱闘になったり暴動が起こったりする。日本でだってSNSでそういう批判見たことあるでしょ?
そんな時、ファンの気持ちは「やるせなさ」「憤り」「無力感」「裏切り」…そうじゃない人もいる。けど、ネガティブな感情を抱くのは自然なこと。点差や時間によっては勝利が難しいかもしれない。そんな状況で応援し続けるのは空回りではないか、押し付けではないか、応援する必要があるのか…とかいろんなことを考えて真っ直ぐに応援することがしんどくなる。せっかくの土日にお金を払って試合を観に来るくらい熱い思いを持ってるのに。
日久はエナジー失うことないでしょ?永遠に喋り続けるし、試合中ペンチにいる時間もずっと立ってる。どれだけ点差が広がってもそれは変わらないし、チームの雰囲気が暗くなったらもっと強く鼓舞するし、時には強い言葉でチームに向き合えるし。どんな状況でも絶対闘い続けてくれる日久がいることで安心して応援したり、一緒に闘おうと思えるんじゃないか。

なるほど、明らかに僕の味方の意見である。僕を良い方向に捉えすぎている。でも納得する部分もある。これは僕の周囲の方の意見を要約したもので、言葉をかけてくれたファンの方と解釈が違う可能性ももちろんある。
ただ「そういうふうに見えることもあるんだな」と思えた。

[プレイヤーである限り]

もしファンの方がそのように思ってくれているのなら僕は嬉しい。僕の言動が誰かの救いになっていること。僕の人生観が誰かの救いになっていること。
プレイヤーである限り、いつ何時も闘うことを辞めてはいけない。これは僕が学生バスケを経て得た大切にしている価値観。
高校生の時、試合に出ているメンバーの何人かが不甲斐ないプレーを繰り返して負けた試合があった。次の日のミーティング、
「あんなことをするくらいなら俺が出たかった」
と涙ながらに語る友だちがいた。僕はその試合も集中してやりきったつもりだったが、どうしようもなく胸が締め付けられた。
「コートに立つ限り、どんな時も魂を燃やし続けよう」
その時心から誓った。

大学に進学し、Aチームに上がったりBチームに下がったり。ベンチに入ったり入らなかったり。その経験で更に視野が広がった。
闘わないといけないのはコートに立っている時だけじゃない。ベンチでリザーバーとしている時、それよりも普段の練習から常にだ。自分が機会を得ることで誰かはそれが失うし、思いも背負うことになる。チームメイトだけじゃない。家族や友だち、チームや自分達に関係する本当に多くの人の思いを背負う。それなのにその責任を果たさず、感謝も忘れている。
そんな人には誰もついてこないし、少しずつ大切なものを失っていく。そんなところを何度も見てきた。
プレイヤーである限り僕たちは闘い続けないといけない。

[本当に救われているのは]

なんて、僕がまるで聖者のように書いているけど全然そんなんじゃない。
本当は逆。いつも僕が救われている。いつも応援してくださる方々に。
バスケが大好きだからこそ苦しむことが山ほどある。体育館で自主練、思うようにできない自分にブチギレ(でかい声出してキレるから周りにちゃんと煙たがられる)。公園で一人トレーニング、それすらも上手く行かなくて予定よりも数時間長くやってしまったり。
でも、その先に待ってるのは皆様の声援。ベンチでワーワー言ってるだけの僕に目を配ってリスペクトしてくれて声をかけてくれる。僕がコートに立ったらめっちゃ喜んでくれる。僕の一挙手一投足に一斉にカメラを向け続けてくれる。ホームでもアウェイでもプレゼントを持って来てくださる方もたくさん。時には僕が近く通ったら「こっち向いて!!」「キャー!!」という声援を受けたこともある。(母ちゃんに「俺アイドルなんかもしれへん」と言ったら「勘違いするな。あんたはゆるキャラや。」と言われた。)
自分でも思うし、周りにも驚かれたり茶化されるけど本当に僕はファンの方に恵まれている
そんな皆様がいるから、僕は変わらず毎日1分1秒闘い続けられる。本当に救われているのは僕です。
いつもありがとうございます。

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