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選ばれし者。
これはレブロンの背中に入ってるタトゥーで、子どもの頃見たときにめっちゃ衝撃受けた。
ほんまの、ほんまに選ばれたやつだけが自分でそう名乗れる。
でも、まじで神に選ばれたやつと神の悪戯でちょっとだけ選ばれてしまうやつとがおる。

「関野君は選ばれた側やから頑張ってほしい」

これは先日、子どもの頃からお世話になってる整骨院の先生と食事に行ったときに言われた一言。
今回の大怪我の際に一番最初にいろいろ面倒を見てくれた方。退院して挨拶に伺って食事に連れて行ってくださって、いっぱい話した。そこで言われたのが上記の言葉。
僕は全くもって天才ではない。ドリブルは下手だしシュートは波あるしスピードはない。数少ない武器のフィジカルは毎日のトレーニングで掴み取ったもの。強いて言うなら「少し背が高い」。プロを目指すならまあなんとか、くらいには背が高い。
もしかすると、僕より練習しててもドリブル・シュートが下手でスピードもなくて、いくらトレーニングしても体が変わらない人もおるかもしれん。その上、身長もない人も。
人それぞれもって生まれたものや上達の速度は違う。ここに罠がある。
中途半端にもってるやつが1番辛酸を舐める
僕のこと

天才

本当の天才はそうそう躓かない。
高校では全国で活躍し、大学は関東に進学して下級生から頭角を表し、特別指定でBリーグとの繋がりをもち、卒業後はそのままプロの世界へ。
自分が本当の天才であるかどうかは歩いた道を見ればわかる。後ろを振り返った時に自分が紛うことなく天才であると思えれば、天才は加速する。自分が天才であるという実績や確信は最高の助け舟になる。

一方、一度でも疑ってしまった人の運命は大きく変ってしまう。
「自分は天才だ」
とそれでも盲信できた人間は、
①天才に恥じないプレーをするために努力する
②天才だと過信してしまい、いつか変われる

の2パターンに分かれる。
「自分は天才ではないかもしれない」
そう思った人間は、
③天才ではないかもしれないからとにかく努力するしかない
④天才ではないかもしれないから諦める

の2パターン。
4パターンのうち、②、④の人間は何者にもなれない。
①は1番成功する、③は五分五分、仮に失敗してもいい方向に変われる。

僕の天才遍歴

中学生のときは躓かなかった。凡そ試合をする相手に、チームとして敗戦することはあっても苦戦することはなかった。
高校生くらいから。調子が悪いのか、相性が悪いのかたまに
「思ったよりできないことがあるな」
と思った。それでも大阪府内では十分に活躍することはできたし、大きな挫折はなかった。
大学時代が僕を迷わせた。最初はチーム内で1番の雑魚だった。
ここで俺は「やっぱり天才ではないよな〜」と確信した。高校生の頃からもうほぼ気づいていたが、それは確信になった。
でも、やればできてしまった。中途半端にもってる俺は。

「あれ、俺できるやん。」

大学に入学して体重は10KG以上落とした。ウエイトもめっちゃした。今まで全く打ってなかった3Pも必要やと思って練習し続けた。誰よりも自主練してたと思う。
「やるだけやって無理やったらしょうがない」って諦める前提やったかもしれへん。
でも、少しずつ成果になってきた。2年の夏にはAの遠征に行って、最後の2日の試合だけ出た。そこでとにかくできること全部駆使して少しだけ試合に貢献した。
それが転機となってリーグ戦に初めて戦力として出た。自分がしたいプレー、好きなプレーではなくともできるプレーをすれば勝利に貢献できた。
「あれ、俺できるやん。」
一度、俺はもうここらが限界やろうなあと思ったのに。全国の強豪校から集まってきた奴等の中で、俺できるやん。やったらやった分、力になってるやん。
一度活躍すれば自信になる。2年のシーズンはそれ以後も1試合10分程度やったけど出番をもらい続けた。インカレをかけたチャレンジマッチにも、ファールトラブルはあったけど15分は出た。最後までコートに立っていた。
3年になって、少し自分のしたいプレーもできるようになってきた。2年のときは「育成」も込められたが、今や試合には戦力としてでている。でも、大怪我をしてシーズンは終わった。
4年になった。20点取る試合も何試合もあったし、オフェンスリバウンドは関西の日本人で1位だった。
「あれあれあれ。今までどこでも評価されてこんかったけど、もしかして俺ってこのステージでもこんなにできちゃうんですか?」
そう思った。裏には間違いなく他人より少し多い努力があったと思う。それでも努力したら手の届く範囲にこの世界はあったんや。きっと、俺より努力しても手が届かん人もおる。
俺は、中途半端に選ばれてる。

半端もんが一番痛い目見る

バスケ始めたてとか、中高生の頃に完全な挫折をしていたら。大学に入ってから頑張ったけど試合には出れなかったら。俺はそこで区切りがついていたんやと思う。でも、完全な挫折はなかった。
そのカテゴリーに適応するために必要なことを考えて、努力すればなんとかなった。
ただ、それは運が良かったから。出された試合の少ない時間で役割を果たせたのも、そもそも試合に抜擢されたのも。チャンスを掴んだ瞬間は、努力があってこそやけど運が大きく関わってることを否定する余地はない。
俺はそこに関して運が良かった。と思ってるけどもしかしたら運が悪かったのかもしれん。
学生までで諦めて普通に就職したら、先生になってたら今より明るい未来が待ってたかもしれん。バスケとの付き合い方を趣味にして、普通にお金稼いで休みの日は遊んで、それでも人生はたぶん充実してた。
ただ、まだできるのに辞めたくなかった。自分の可能性に蓋をしたくなかった。ちゃんと選ばれて、もっと大きな才能があればこんな風には悩まんかった。なまじできるところがあったから、悩み続けてる。今も。
中途半端にできてしまうと、いつ諦めたらいいのかもわからずに続けてしまう。

それでも俺は、「選ばれた側」

ほんまにバスケすごいやつってのはおる。
シュート抜群に上手いやつ、ドリブルほんまに器用にできるやつ、ありえへんくらい脚が動くやつ、本気でぶつかったら気飛ばされるくらい当たり強いやつ、ガチでかいやつ、なんて言えばいいかわからんけどゲーム感えぐいやつ。いろんなバスケの才能があって、これを1つもってるだけでプレイヤーとしての格はほんまに変わる。たまに、2つ3つどころか6つくらいもってるやつもおる。
俺は、どれもない。シュートは普通、ドリブルは苦手、細かいステップは小さい頃からめっちゃ不細工、筋肉は少しずつつけてるけど当たり方は下手、身長は普通、5対5のゲーム感はあまりない方。
周りから見たら俺の自己評価より高い評価を受けることもある。でも、俺が求めるプレイヤー像とかステージは、今の俺では到底無理。才能的に足りてない部分があるって思ってる。

でも、努力したらなんとかなるんちゃうかなってまだ思ってる。今までずっとそうやったから。
俺は周りより優れてるとこある。
・諦めへんとこ
・なんでも続けられるとこ
・逃げへんとこ
・自分のこと信じれるとこ

何かを諦めたことは、まだない。
必要なことやのに途中で辞めたこともない。
全部自分に矢印向けて向き合える。
これまでそうやって生きてきた俺のことは、信頼できる。
これは俺の武器。意識的・精神的な問題やし、はっきりいって気の持ちようやから誰にでもできる可能性はある。でも、そうしたくてもできへん人もおる。そういう意味ではこれは才能やと俺は思ってる。
この才能には、多々苦しめられることもある。
諦めたり途中で辞めたり逃げ出したり、「自分なんてどうせこんなもん」て自分に賭けずに適当に過ごせたら。めっちゃ楽やろ。
でも、今更そんなんカッコ悪いやん。
もう一個才能あんねん。
「主人公でありたい」
俺はこれを心の底から思ってる。だから主人公ならしないことを俺はしないし、主人公ならすることは絶対にする。
全部纏めて端的に言えば、俺はめっちゃ子ども。それでも俺はそうやって生き続けたい。
よく言うことやけど、一度しかない人生振り返った時になんもなかったら、おもんないもん。

神に選ばれたやつも、選ばれへんやつも、ちょっとだけ選ばれてしまったやつも。みんな何かでしんどい思いする。で、自分が一番しんどいと思ってたら良いと思う。だから自分が一番頑張るし、自分が一番良い人生歩もう、って思えたら。
結局選ばれたかどうかなんて大きな問題じゃないし、それに嘆き続けて生きるには人生は長い。もったいないよ。
自分がどうするか、どうありたいか。


まあ、イケメンとボンボンは神に選ばれとんちゃうか。そいつらは、あんま大きい声で「しんどい」とは言わん方がええんちゃうかな。

おしまい。

サポートしていただいたお金は、全てコートの利用費、プロテインやサプリメントの購入などプロバスケ選手になるための費用に使わせていただきます。よろしくお願いします。