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日々、懸命に生きることの方が。

夢を追って生きると絶対に言われることがある。
「自分の好きなことに向かって全力ですごい」
これは絶対に違う。絶対に違うんだ。
もっとすごいのは、それを言うあなたの方なんだ。

[日久は毎日本当に頑張ってる]

毎日のトレーニング、ワークアウト、練習。
誰かに見てもらうためにやっているわけではないし、その姿の全てをSNSにあげることはない。
ただ、日々僕がバスケに向き合っていること。苦手なことや少し遠回りに見えることも取り組んでいること。それを見た人の多くは、
「日久は毎日本当に頑張ってて"偉い"」
と言う。偉いじゃないかもしれない。「すごい、かっこいい、強い」…何かしらの褒め言葉。
肉体的にハードなことが多く見えるから、きっとそう言ってくれる人が多いんだと思う。僕に関心を持ってくれて褒めてくれたり元気づけてくれることは凄く嬉しいし有難いこと。
でも、偉くもないしすごくもないしかっこよくもないし強くもない。
ただ、好きなことをやっているだけだから。

[僕はただ恵まれただけ]

当たり前。「好きなこと・望むこと」を全力でやることなんて。それを全力でやらないなんて、それを好きじゃないか覚悟がないか、何にせよそっちの方がおかしい。
俺は"奇跡的"に第一線でバスケを続けられて、"奇跡的"に夢だったプロになれた。多くの人はいろんな事情で夢から離れていく。
経済的事情、家庭の都合、身体的な理由、能力的な挫折、興味の薄れ…本当にいろんな理由で競技から離れていく。その人の才能や能力、想いの如何に関わらず。
僕は裕福ではないけど親はこの道を誰よりも推してくれている。いろんな怪我もあったけど何とか今も身をコートに置けている。自分の才能の無さに挫折することもあるけど自分を信じ続けて毎日歩み続けている。そして誰よりもバスケを愛し続けることができた。
だからたまたま今もバスケを続けられている。自分が優れていたからじゃない。環境に恵まれたことと運が良かっただけだ。

[だからこそ、あなたの方が]

僕は今26歳。周囲の方々は社会に出て企業に勤めていたり、教員になったり、独立したり、何かしらの形でいわゆる「働く」ということをしている。
B.LEAGUEに辿り着くまで3年半。僕にもその経験はある。事務所理系の仕事、サービス系の仕事、営業系の仕事、他では経験のできないような仕事に就いたこともある。だからこそわかる。
【働くのって、しんどい】
毎日決まった時間に起きて定時に終わるかはわからない。むしろその可能性は低くて、残業、前残業、もしくは家に持って帰ることなんてザラ。上司、部下、取引先…伺い続けないといけない顔色。トラブルがあった時には学生の頃には負わなかったような重い責任。数えきれないものを背負う。
そして何より、その仕事をずっと続けないといけない。人によっては好きでもないその仕事を。
今は転職や独立も多いし、もちろん仕事が好きな人だってたくさんいる。そうじゃない人だってたくさんいる。好きじゃない仕事をいろんな理由で続ける人がいる。
できればやりたくない、本当は他のことがしたい。そんな思いを背負いながらでも、何かのために日々懸命に働き、大切なものを守り、生きていくこと。僕はその方が絶対に偉いしすごいしかっこいいし強いと思う。

僕が頑張るのは当たり前。恵まれて、幸せで、自分の好きなことをしているだけだから。しかもそんな好きなことをしているだけなのにこんなにも応援してくれる方がたくさんいる。もちろん嫌なことや辛いことだってある。プロとしての重圧もある。時には痛くも痒くもあるけど、大丈夫。
それよりも、自分や想いを犠牲にして日々何かのために働く人。何があっても大切なものを守り続けられる人。そんな人たちの素晴らしさを僕は何度も見てきた。
貴方たちは本当に美しい。そんな貴方たちが美しいと言ってくれる僕も、本当にそうなれるよう毎日生きていきます。

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