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私の推し画家 Vol.2(葛 蛇玉)

美術展覧会が好きでよく観に出かけます。その中でも2006年の夏に東博で開かれた「プライスコレクション、若冲と江戸絵画」展は素晴らしかったです。2008年の同時期に開かれた「対決・巨匠たちの日本美術」展と共に心に残る展覧会でした。

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そして、その中でもこの一点に釘付けになりました。屛風絵なのでタイトル画が左隻で右隻はこちら↓

葛 蛇玉「雪中梅に鴉図屛風」

葛 蛇玉かつ じゃぎょく
雪中松に兎・梅に鴉図屛風せっちゅうまつにうさぎ・うめにからすずびょうぶ」1774年です。展示は右隻と左隻が逆だったけど、今橋 理子先生によるとこちらが正解らしい。

どちらも、舞い散る雪の中に左隻は兎が二把、右隻はカラスが二羽描かれていて、雪夜のアクセントになっています。カラスというと、与謝 蕪村の作品も魅力的ですが鳶鴉図屛風とびからすずびょうぶ」18世紀↓私は蛇玉の方が押しです。

与謝蕪村「鷹鴉図」

なお、今橋先生によると蛇玉は寡作でその作品は4点しか今のところ現存していないのだそうで、それも又謎で魅力のあるところです。どちらも江戸時代の同じ頃制作されています。蕪村というと、何と言っても晩年に描かれた国宝のこの絵が好き。「夜色楼台図」18世紀↓ 雪が降り積もった京の町の様子は現代にも通じるものがあります。

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そう云えば蛇玉の兎鴉図も感覚が新しくて、全然古さを感じさせませんね。
今の時代の絵画を見る感覚で見られるところがスキな理由です。

東山 魁夷

東山 魁夷「年暮る」1968年↑と繋がるところがありますね。


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