2018_08_Lille, Parc Henri Matisse

画像1 ブリュッセルまで電車で30分で行けてしまう、ベルギーとの国境近くの街、Lille(リール)。フランス国鉄の発着駅リール・フランドルとTalysなど国境をまたぐ電車が止まるリール・ヨーロッパ駅の乗り換え経路の途中に、Henri Mattise(アンリ・マティス)公園がある。
画像2 写真左側の壁のようにそびえたっている高台は、「デルボランス島」という。スイスの自然保護区の名称にちなんで名づけられた。島の上には造った当時に数種類の樹木が植えられ、その後放置され自然の森のようになっている。そもそもデルボランス島は、リールが鉄道の結節点として再開発された時に生じた残土を処理したもので、高さ7m、容積3500㎡にもなるそうだ。
画像3 公園の設計者は、フランス人ランドスケープ・アーキテクトのGilles Clément(ジル・クレマン)。彼が日本で有名になったのは、「動いている庭」の邦訳版が出版されてからだろう。彼は「第三風景」という言葉を使って、空き地や放棄地、車道脇、国境地帯等の空間を、「生物多様性を受け入れる特権的空間」として評価している。つまり、それらが自然保護区と類似した機能持つと想定しているそうだ。
画像4 ちなみに「第三風景」とは、”人間が風景の進化を自然だけにゆだねている空間全体”を指す。ジル・クレマンはこうした空間(放任しておく区画)を積極的に設計に取入れ、そこに第三風景を統合しようとしているそうだ。デルボランス島はその代表事例である。※詳しくはランドスケープデザインNo.104参照
画像5 デルボランス島を取り囲むように小径がくねくねと通っていて、様々な種類の植物が生い茂っていた。
画像6
画像7
画像8 ところどころ木漏れ日に照らされた下草が何色もの緑色に染まっている。
画像9
画像10
画像11
画像12
画像13
画像14
画像15 奥まったところには「バイオネスト」のようなものがあった。バイオネストは、落ち葉などを溜めておいて自然の力で分解させる装置だ。東京だと、味の素スタジアム西競技場の「みどりの広場」に設置されている。
画像16 デルボランス島と駅前の広場のあいだは、だだっ広い芝生広場になっている。
画像17 市街地へは、公園からリール・フランドル駅方面に5~10分歩く
画像18 工事中だったが、ちょっと変わったファサードの教会があった。
画像19

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?