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社長の条件〜冨山和彦さん×NewsPicks

冨山さんがNewsPicksアカデミアに降臨!!
冨山さんといえば、MBA生にとってはJBCC(Japan Business Case Competition)とか、クラスで発表グループに対して必ずチームに面白い名前をつけるおじさん(爆)でお馴染み。
いやいや、それは冗談にして、経営共創基盤の代表取締役であり、日本大企業の事業再生を何件も手がけてこられた、私が最も尊敬する経営者の一人です。

冨山さんの著書は数多く読ませていただいており、「IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ (PHPビジネス新書) 」と「AI経営で会社は甦る (文春e-book)」は私の中でもバイブル的存在です。グローバルとローカルでの戦い方は違うので、自分がどちらに軸を置きたいのか、基本に立ち戻る時に読むようにしています。

さて、本編です。こちらの講演に行ってまいりました。聴きながらのメモなので間違っている箇所もあるかもしれませんが、その場合はご容赦ください。

感想は、自分が社長向きかどうか、でいうと、社長よりもCxO向きだと思ったので、社長をサポートできるように専門性を磨いていこうと思いました!今回も金言だらけで背筋がぴしっとなりました。さて、ガンガン行きましょうかね。

目次:
1. マネジメントの基本原則は古今東西変わらない
2. マネジメント固有の仕事は「決断」
3. To get things done through other people.
4. 人材の育て方と情理の使い方
5. 打席に立つ
6. 社長の条件
7. 企業に居続けて経験した方がいい?外に出た方がいい?
8.世界での戦い方

1. マネジメントの基本原則は古今東西変わらない
・経済合理性では理解できるが、意思決定をするということは本業を辞めることに対する不条理が発生するため、関わっている人が不幸になる。
・合理と情理をどう付き合わせるかは、トップにしかできない。現場から評判のいい社長は危ない。

2. マネジメント固有の仕事は「決断」
・今トップに大切なのは「決断」。組織をエンカレッジしていくのは社長だけではなくてみんなの仕事。固有の仕事は軋轢や不調和や波風を立たせなきゃいけないのがトップ。
・意思決定力×実行力=結果が大事。実行力は、日本の組織はある。現場力が高い。決断間違えてしまうと、掛け算だから間違えるとマイナスが多くなる。
・決断力にはアジェンダ設定力と的確性、適時性が大事。
・意思決定を先送りすると破綻をする。日本の電機メーカーの意思決定は中途半端なことをやってきた。日本の会社はあれもこれもいくので間違う。

3. To get things done through other people.
・黒字の時が今が撤退のチャンス。リストラしなくていい。でも売却できる?その段階で意思決定するというのは、社内で力を持っているか、政治力がないと意思決定できない。
・オーナー創業経営者はできる。ガバナンス潰すくらいだから。孫さんとか。相当政治的に達人じゃないと意思決定できない。だから政治力が大事。人間に対する洞察力!
・個別な決断は短期的には人を不幸にする。株主利益が全てというが、現実はそんな単純じゃない。結果として株価は上がっていくが、人の集合体なのでその中である種の正反合を繰り返さないといけない。いろんな呵責がぶつかる。


4. 人材の育て方と情理の使い方
・会社としては普通の人材を鍛えて絞り込み選ばないといけない。今時通用する経営者を選ぶにはやらないといけない。織田信長を社長にするようなことは普通はしないが、人事のあり方、ガバナンスのありよう、人材育成の在りようを全部変えていかないと21世紀は持たない。(経団連の会長も言っている)
・情に流されちゃいけないけど、情理を理解してないと失脚する。それがわからない人は経営はできない。情理が分かった上で切るところは切る。安全策を講じて切りに行っている。
・全ての会社が人の取り方、育成の仕方を変えないといけない。5年やそこらじゃ無理。オペレーショナルマネジメント、日々の事業はオペレーションだから理解することは大事。理解するための時間と、違う次元で意思決定をする訓練が必要。

5. 打席に立つ
・今30代の人で仕組みがない会社は、大企業で悶々としても非生産的。一回会社立ち上げた方がいい。
・本気でリーダーになりたいと思った時に、失敗しないとだめ。いい負けっぷりをする。指揮官なのに戦場から逃げるのはだめ。
・日本の社長は異常。ヨーロッパ、アメリカ、東南アジア、中国と比べても日本人比率、男性比率、60歳以上が高い。もっとも比率が高いのは、1回も転職したことがないこと。同質性、連続性の人が今までは社長になっている。
・連続的なインクリメンタルの時は良かった。いまだとそれが欠点、弱点になる。多様性と非連続性が必要で、ゲームチェンジが必要なのに。組織内に内包させなくてはいけない。

6. 社長の条件
・社長は良くも悪くもクソ野郎じゃないと務まらない。ワークライフバランスを考えたら。
・タフな状況で社長を選んでいるのでまともに機能したのは1/3。ほとんどがメンタルやられた。
・最高司令官向きなのか、参謀向きなのか、補佐官なのか。現場のオペレーション、工場長なのか、を自分で選んでいかないと幸せじゃなくなってしまう。
・社長に向いている人の共通点は、性格面はともかくみんなリアリスト。合理と情理が矛盾なく共存している人。例えば、松下幸之助さんはリアリストで合理主義者。

7. 企業に居続けて経験した方がいい?外に出た方がいい?
・出来るだけ勝ち目のないアサイメントを取りに行った方がいい。
・日本の会社の失敗する人事は一番強いやつを一番強いマーケットに持っていく。人事がいう納得感はどうでもいい。なる瞬間の問題、社長が機能して納得する。例えば、昔の自動車メーカーは社長やる前はアメリカ本社の社長となる。昔は日本が圧勝。絶対業績がいいに決まっている。そうすると、その人が社長としていいのかどうかわからない。
・日本は2つ問題がある。まともな先進国は一定以上の給料もらっているのはエグゼンプション。平社員は働かされる。ハーバードでると新入社員でエグゼンプションになる。日本は最初一律500万だとホワイトにやらざるを得ない。
・一番鍛えておかなければならない20代〜30代でぼーっと生きてしまう。いざ、40歳くらいになってグローバルなマネジメントの世界で戦わないといけない時に、中国人、ヨーロッパ人もいて、彼らは鍛えまくっている。すでにそういう世界はある。
・生き方の選択は現実には30代の半ばにはした方がいい。一番かわいそうなのは中途半端な競争に身を置いて、45歳くらいで行き場がなくなって、東京のビルの本社でなんとなくいるんです、みたいな終わった人。

8.世界での戦い方
・今は世界でマネジメントとかそういうフィールドで戦うのはハードルが上がっている。今めちゃくちゃレベル高い。
・例えば、何十億人の人がその競争に入ってくる。日本人がアメリカのMBAにアプライできないのはそう。そういう戦いをやっている。昔の、のどかな話は通用しない。
・今は世界中で開発し、作り、世界中で売らないといけない。完全フルなグローバリゼーションのビジネスモデルをやらないといけない。そこで通用しようと思ったら、世界中の至る所で人をマネジメントしないといけない。労務問題とかも対応しないといけない。グローバル昔と全然違う。今はハードルが高い。己をよく考えないと。

以上。

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