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ムンバイで車窓から朝焼けを見た日。

インドで最初に降り立った地はムンバイだ。
そう、世界史で習った東インド会社の拠点だった、「マドラス、ボンベイ、カルカッタ」のボンベイである。

ボンベイに来た理由は単純で、1回目とは違うところから旅を始めよう、と思ったからだ。

何かとても緊張感やワクワク感もなく、インドに降り立ったが、トラブルは初日から襲った。

初日だけはドミトリーではなくワンルームを予約していたのだが、そのホテルがまさかのインド人のみ宿泊可だったのだ…!

空港から車でホテルへ送ってもらったのだが、到着時はすでに深夜1時前。ムンバイの観光地から離れたホテルだったため、移動するのも困難。そして、スタッフも英語に慣れておらずお互いGoogle翻訳を使って深夜に試行錯誤……。


結果としては、ホテルのレセプションにあるソファーで数時間仮眠をとって朝に新たなホテルへ移動することとなった。(返金できず泣)


この時に、初日からやらかしてしまったー…と、かなり落ち込んだことは今でも忘れない笑。幸先の悪いスタートで、この先本当にトラブルに巻き込まれないか不安で仕方なかった。

そんな中、次第に外も明るくなり、第二のホテルへ出発する時刻となった。

それにしても目的地までかなり遠い。ホテルを選ぶセンスがなさすぎた。

高速道路やバイパスのような道から外をぼーっと眺めて、日本と違うなーとか何の看板なんだろうと思っているうちに、太陽が登り始めた。気候は日本の夏と同じくらいなのだが、日の出は7時過ぎと少し遅い。


すると、なぜか深夜に抱いた不安とか恐怖とか、ネガティブな気持ちがなくなっていくのを感じた。逆に、旅の始まりを歓迎してくれているような、励まされているような気持ちになれた。

気持ちの変化に深い理由はないだろう。ただ、朝が来たから、それだけだと思う。

それに、別に、山頂から見た日の出でも、特別な誰かと見た日の出でもない。強いて言えばムンバイで初めて見た日の出、というくらいだ。

だが一つ言えるのは、あのホテルに泊まれなかったからこそ見ることができた景色であること。きっと、ホテルに泊まれていたら何事もなく爆睡していただろう。


気持ちに浮き沈みはあったが、心が軽くなった初日であった。


車で新たなホテルへ移動する前にパシャリ

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