【毎週ショートショートnote】カエルとウサギを。
#鳥獣戯画ノリ お題に挑戦します(む、難しい…💦)
「これが欲しかったの」
目の前の彼女はやや興奮気味だ。
「俺にはそれ、普通のトートに見えるんだけどな」
「分かってないわね。シンプルなキャンバス地に墨一色で鳥獣戯画。味があるじゃない」
「うーん。侘び寂びってやつか?」
いつもの電車、5駅も乗り越してようやく着いた小さな雑貨店。店内に入って一直線にお目当てのものへと突進する彼女。
「あのときのお前、まるでイノー ー」
「ちょっと待って!女に向かってその台詞はないでしょ!!」
お目当ての品物を入手し、俺たちはショップ近くのカフェで小休止している。アイスカフェオレを飲みながら、彼女の目はいまだ件(くだん)のトートバックに釘付けで俺のことなど眼中にない。い、いや焼いてなんかないぞ、俺は。
焼き餅を焼く相手が鳥獣戯画トート。洒落にならねぇや。脳内で彼女のトートをひったくり、中のカエルとウサギを追い掛ける。俺も鳥獣戯画の猪だ、想像の中だけで。
「あなたも欲しいの?バッグ」
「いや、もう十分だ」
題名:カエルとウサギを脳内で追い掛ける
本文:409字
鳥獣戯画トートバッグは、こちらのお品をイメージに敷きました。
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拙稿をお心のどこかに置いて頂ければ、これ以上の喜びはありません。ありがとうございます。