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詩から短歌を詠う。

そういう試みを、所属していた短歌同人誌で、1999年に試みたことがあります。「材料として」一編の詩を取り上げ、そこから個々の同人が自由に五首連作を詠う。そうした試みでした。あくまで「言葉」「音の響き」のみで自分を触発し、提示された詩の内容に囚われぬことを心がけた特集です。

あれから25年ほどの時間が経ち、今や古びて💦しまった感もあるのですが、お世話になっているA短歌会の中で「連作とは何か」という議案がなされており、何かの参考、「材料」となればと思い、自作5首をnoteに上げてみます。尚、元々の詩は別の同人の作のため、ここに上げることができないことをご理解賜りたく存じます。


題『御手みてにゆられて

高き手の揺するゆりかごまどろみの
影ひとつぶん長き夕ぐれ

闇色の卵が羽化を待ちきれず
弾け飛び交う仮すいの空に

母という記憶の微粉しんしんと
足下ふかくうずめ切るまで

撫でられて抱かれたのちに潰されし
紫いろの罪の残り香

だれもかも帰つたあとに降りてくる
銀の鎖はゆらゆらとゆれ
             詠:春永睦月

御手にゆられて -詩【ブランコ】より- 
初出・短歌同人誌『弓弦ゆづる』1999.8 No.12号 より



以上、座興・一興にてお目汚しをいたしました。難解さ💦もあるかと思いますが、「音」として意味を殊更ことさらに追わず、ご一読いただければ幸いです。

<©2023春永睦月 この文章は著作権によって守られています>
(©2023 HarunagaMutsuki This text are protected by copyright.)

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拙稿をお心のどこかに置いて頂ければ、これ以上の喜びはありません。ありがとうございます。