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土星の輪っか。

『カッシーニ』は2008年7月16日に発売された元ちとせの4作目のアルバムです。初回生産限定盤には「冬のハイヌミカゼ inオーチャードホール」が収録されたDVDが付属していました。DVDについては、コーラスを務めた河井英里さんの記事で書きましたので、そちらをご一読頂ければ幸いです。

その冠をなす曲『カッシーニ』、歌詞情報を貼ります。

ずるいなぁ、「現ちゃん」。こんな曲を残して逝くなんて。

現ちゃん、というのは、この歌をはじめ『ワダツミの木』などを作詞作曲し、元ちとせのプロデュースを務めた上田現さんのことです。その上田現さんは、2008年3月9日に旅立ちました。今では土星の輪っかの上でちとせさん達を見守っているのでしょうか。

私はレピッシュ(LÄ-PPISCH)をはじめとした上田現さんの活動に胡乱な為、元ちとせのプロデューサーとしての側面しか知りません。ゆえに、上田現さんのファンの方々からは叱られてしまうでしょうが(汗)何卒お見逃しくださいませ。

上田現という偉大な存在の喪失は、様々な人々に深い悲しみを与えました。その一人、元ちとさんのインタビュー記事を以下に貼ります。

その思いを越えて、14年越しに生み出された『虹の麓』。

公式YouTubeより1曲目と2曲目を。私は無論のこと音楽評論家ではなく1ファン。もっともらしいことを綴るつもりはありません。その上で以下。
今の元ちとせというシンガーがそこにいると感じます。カリスマを纏っていた(『ワダヅミの木』など)彼女が、一端それを脱いで裸足のまま大地に立って空を見上げているような、そんな感慨を覚えます。

『ワダヅミの木』を初めて聴いたとき、私が思ったのは「……え?……何だ、これは」。絶句、でした。良い悪いではなく驚きがまず先だったことを、今もよく覚えています。その驚きは、これからも続くでしょう。良い意味で「期待を裏切って」欲しいです、ちとせさんには。

元ちとせさんも私たちも「今を生きている」から。変わっていくでしょう、これからも。今の元ちとせを、私は聴き続けたい。現ちゃんの分まで。

元ちとせ(上田現)について拙くも綴った記事が二つあります。

最初の記事であげた「コリアンドル」は二人が(プロデューサーとシンガーという)コンビを組みきっかけとも言える曲だそうです。
元ちとせさんの所属事務所(オーガスタ)社長が上田現さんの「コリアンドル」に惚れ込み、自社の所属タレント(歌手)である元ちとせに引き合わせた、という逸話を耳にしたことがあります。同様のことを分かりやすく解説されているサイトを見つけました。以下にリンクいたします。

もし「コリアンドル」が存在しなかったとしたら、もしくはオーガスタ社長が「コリアンドル」を知らなかったとしたなら。
……(元来、上田現の曲である)「ワダヅミの木」により元ちとせがデビューすることはなかったのかもしれません。
物事はすべからく「必然・運命」を纏うものなのだ。
そんなことを思いつつ、軽やかな中にも哀愁を感じる「コリアンドル」を私は今日も聴いています。

以上、ここまでお目通しいただき、ありがとうございました。

二人の『ワダヅミの木』をそっと貼っておきます。上田現さんの歌唱は貴重だと思います。

最後の最後に。『ワダヅミの木』は今も進化し続けています。今の元ちとせが歌う『ワダヅミの木』を貼ります。

それでは、また別の曲でお目に掛かりたく。

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