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#6 拝啓 洋子様

その人の事は、娘の出産祝いでいただいた絵本で初めて知った。まずは一人で読んだのだと思う。
涙が止まらなかった。次は娘に読んだ。その絵本をくれた人は旦那の店の従業員の子だった。
彼が娘にくれた「100万回生きたねこ」
ちょうど干支が私より一回り下で私とおんなじ亥年。好きなものはそばよりうどん、そしてやわらかめ。マクドのポテトもちょっとふにゃふにゃが好きで、ジブリも好きだった。不思議と何やら好きな物が一緒だった。そのせいかどうかはわからないけど、彼からもらった絵本は私が何より好きな絵本になった。洋子さんの事を知って他の作品を探しては読み、むさぼるようにエッセイを読んだ。退廃的で少し冷めたような、何の遠慮もなく遠くへ投げつけてしまうような文章が好きで読んでいてスッとした。洋子さんのエッセイに出てくる身の回りの人は憎たらしいけど何故か憎めない人だったりする。にやにやしたり、じんとしたりで忙しい。
洋子さんが旅立たれて10年と6ケ月。もしどこかでお会いできるなら、是非ともみかのはらに来てもらって一緒にギターを弾いて歌いたいです。
煙草をプカプカ吸いながら、毒舌をいっぱい浴びせて欲しい。そしてこの耳で声を聞かせて欲しい。 その時の曲は勿論、洋子さんのこよなく愛する美しきジュリーさまがセクシーに歌う曲。小さい時から耳にしていた メロディは  こんなタイトルやったんや。「悪魔のようなあいつ」
「時の過ぎゆくままにこの身を任せ   男と女がただよいながら  堕ちてゆくのも幸せだよと  二人冷たい身体合わせる」
昭和の匂いプンプンの、めちゃくちゃカッコいい曲。洋子様のために心を込めて、ギター部一同ジャカジャカ弾かせていただきます。         
                                                              かしこ

以上    秋生のとまらない妄想に、お付き合いいただきありがとうございました。

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