あの世とこの世の架け橋
お彼岸ということもあって今日は近くの霊園が賑わっていました。
私も父や祖父母のお墓に行きたいところですが遠方ですぐにはいけないため、子どもたちと食事の前に父や祖父母のことを改めて思い出す時間を取りました。
今日は、この作品を紹介させてください。
この作品「PRAY」は今から7年前、2017年にリリースしたもので、中に収録されている曲の一つは、般若心経の一節にメロディを付けて歌ったものです。
7年前といえば、私が父の亡くなった年齢になったときでした。
大好きだった父。
本当はきっと音楽をもっと、もっと、したかったのにできなかった父。
世の中的には良しとされない亡くなり方をしてしまったけれど、どうかあの世で元気でいてくれますように。
彼が安心して天国へと旅立てるよう、父の代わりに私がその想いを引き継ぐことを誓って、この一節を収録しました。
この曲を歌うと不思議なことにいつもその場が温かな空気に包まれます。
それは私の力ではなく、私の周りや、聴いてくださっている人の周りにいる
「目に見えない存在の力」がそうさせるんだと毎回思わずにはいられません。
そんなことを言うと怖がる方もいらっしゃるかなと思って余り言いませんが、
お彼岸はそういう存在をオフィシャルに近く感じられると言いやすいいいタイミング。
それに、きっとみなさんそれぞれの感覚でそういうことを本当は感じていらっしゃるんだと思います。
7年経ち、私のこの願いはちゃんと父に届いているような気がしています。
もちろん、父自身後悔していることもあるでしょう。
けれど、人間には計り知れない長い長い命の営みの中で、きっとその後悔を学びに変えてやり直せるチャンスが、父にもいつか巡ってくるのではないかなと思います。
今はただ、私はこれからの人生を父から託された音楽を通して、みなさんと、みなさんの今は亡き大切な人が、少しでも「繋がっているな」と感じてもらえる瞬間を届けていけたらいいなと思っています。
亡くなってしまった人との関係は「なくなる」のではなく繋がり方が「変わる」だけ。
少しでも悲しみの奥に必ずある、ぬくもりと愛を見つけるきっかけになることを願ってこれからも歌っていきたいです。
山口春奈
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