見出し画像

悩みがちな人生である

 私は悩みがちである。
 多分、悩むのが趣味と言ってもいいくらい悩んでいる。何か悩みとかある?と聞かれたら多分常時十本くらいぽんぽんと悩みを挙げられる。それは今日の夕御飯の献立とか次に買うべきファンデーションとか小さなトピックから、子どもの教育についてとか自分のキャリアはこのままでいのかとか、大きなテーマまで多岐にわたる。どれも別に解決したい真剣な悩みというよりは、ぼんやりと常日頃考えていることという感じである。一度消えた悩みが復活したり、気づいたら解決していたりする。要するに色々悩んでいるのが好きなのかもしれない。

 そんな人間なので、人の悩み相談にのるのは好きだし、自分も悩みを聞いてもらうのはもっと好きである。しかし社会人の時間は有限だ。悩み相談を何度も聞いてくれる優しい友人がいたとしても、さすがにあまりに同じ話をするのも申し訳なくなってくる(とか書いておきながら、すでに充分友人たちの時間を無駄遣いさせてしまった自覚がある。申し訳ありません)。というわけで、私はインターネットのお悩み相談コンテンツの愛読者になり、そして投稿者になることを覚えた。昔から新聞の投書に始まり、お悩み相談というのは一大コンテンツなのである。このインターネット時代、あらゆるジャンルの有識者がお悩みに答えている。くだらなすぎて誰かに話すのが憚られるような内容でも真摯に受け止めてくれるのだ。毎回どこにニーズがあるのかわかりませんが、私のお悩み相談遍歴を紹介してみます。

 二十代の私は恋愛に悩んでいた。そんなときに愛読していたのがぱぷりこさんの「妖怪男ウォッチ」である。

 更新が止まってしまって久しいが、当時の私には聖書よりも真理が書いてあると思うようなバイブルだった。ぱぷりこさんというバリキャリの人が東京の有象無象の妖怪男たちと戦った記録がここには記されている。ツイッターではフォロワーからの恋愛のお悩みに「恋愛お焚き上げ相談」と銘打っていろんな相談に乗っていた。相談数が増えすぎたのか、途中から有料相談になっていたが、私は無料時代に何度か相談に乗ってもらっていた。たぶん投稿した数は十件を超えるが、採用されたのは二~三回である。たぶん。テンション高めの文体で「そんな男とは別れたほうがいい!」という結論を導き出され、やっぱりそうだよね、と納得しつつも同じような喧嘩を繰り返してまた同じような投稿をしていた。蟻地獄である。当時友人にも散々迷惑をかけた記憶があるが、インターネット上の見知らぬ他人にすら私は愚痴を吐かないとやってられない精神状態であった。自分の恋愛の落ち着きと共にこれら恋愛系ブロガーの記事を読み漁る日々は終わっていった。



 さて、三十代に差し掛かり次に私に生まれた悩みは「キャリアと子育ての両立」である。第一子を出産し復帰したもののやはり時間が限られ思うように働けず、周りと比較しては焦り、会社の組織変革のタイミングも重なったため自分の仕事が大きく変わって意義が感じられなくなったりと、いろいろ仕事上の悩みが増えた。そんな時期に私がお悩み相談先として頼っていたのが、フェルディナント・ヤマグチ先生である。


 もともとCakesというサイトで悩み相談を受けられおり、私は当時の愛読者だった(フェル先生の記事読みたさに課金していた)。Cakesのプラットフォーム終了後、Noteに移行されてからも続けられているようだ。覆面にスーツという奇特なスタイルで活動されており、本人はビジネスマンとのことで素性はかなり謎だが、悩み事をばっさり斬る際の語り口調はやさしさとロジカルさがミックスされて毎回読み応えがあった。不倫や浮気などドロドロ系恋愛コンテンツがやたら多く、他人の恋愛裏事情を垣間見ることができたのも面白かった。私が復職してからの仕事の焦りを投稿した際には、優しい口調で落ち着くように宥めてくださったのを覚えている。やばめな投稿にはばっさりと、切実な悩みには寄り添うように回答してくださっていたように思う。Noteに移行してからあまり見に行かなくなってしまっていたが、現役でお悩み相談を続けられているようなのでまたたまに読みに行きたいと思う。



 そして最近よく悩み投稿をしているのは、バチェラー3に参加していた岩間さんとその友人のさきっぺさんがやっている「なんちゃって東京女子」というラジオである。


 岩間さんのシニカルなトーク、友人のさきっぺさんとの信頼感あるやりとりが面白くて毎週聞いている。バチェラー3のエンディング後、しばらくは岩間さんに対してアンチ的な感情を抱いていたが(※あくまであの結末に対してのみで、本人に関するものではありませんし、外部でそれを表明したこともありません)、このラジオを聞くうちにすっかりファンになってしまった。コロナ禍に始まったラジオだったので、女子会や夜のお出かけがしづらい中、軽妙な女子トークに癒されていたのもあると思う。

 二人にレターを読んでもらいたさ過ぎて、私は悩み相談以外にもいろんなレターを送っている。私が高級レストランに行って感動したというどうでもいいことを送った際、岩間さんは「真也と銀座のレストランに行ったら、おまかせで何十万のワインを勝手にあけられていてぼったくられた」というセレブエピソードを披露してくれた(この回https://stand.fm/episodes/60a109a1ae69345aa3efe597)。バチェラーの世界はやはり格が違うと感じたものである。

 バチェラー出演者はバチェラー視聴コンテンツをよく配信しているが、私はもっぱらこのなんとん(なんちゃって東京女子、略してなん東(トン)である。二人が東女出身なのでトン読みなのだ)のバチェラーレビューを愛聴していた。岩間さんの元参加者としての視点、そして視聴者としてのさきっぺさんの視点が絶妙なバランスで面白い。2024年4月の配信からYoutubeに切り替えるようで、これからも更にリスナーを増やして飛躍してほしい。


 年齢によって悩みの相談先を変えながらも、私は悶々と悩み続けている。人生は悩み事の連続であるし、悩みは果てることがない。私はこれから先もくだらないことや重大なことに悩み続けながら、いろんなところに投稿していくのかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?