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ひと 01|職人| アロマトリートメントの魔法

この記事では、日々の生活で出会った"職人"をご紹介しています。

決めた道を探究している職人ってグッときます。
「明日もがんばろう」と思わせてくれるそんな人たちとの出会いの記録。


サリーさんは、東京・井草にあるアロマトリートメントのプライベートサロン、salon de sally サロンドサリーで施術を行う女性です。

4年前に友人の開催するイベントで出会い、サロンに一度おじゃまして以降、コロナ禍に突入。私は長野に引っ越したこともあり、すっかりご無沙汰していました。

昨年、私がFacebookに久しぶりの投稿すると、親戚のお家がある長野の諏訪でも施術を開始したとの朗報を頂きました。
2023年の師走はあれやこれやと予定が詰め込まれていて、きっと呼吸も浅くなっているはず。早速11月に予約をさせて頂き、サリーさんとの再会を待ち焦がれる日々を過ごしました。

「今日は特別な1日になる」

施術の当日、そんな予感に、諏訪湖を左に眺めて向かう運転の道すがら、胸が高鳴っていました。
車を停めると、長野に降り積もる雪のように真っ白ツヤツヤなお肌のサリーさんが、満面の笑顔を浮かべて手を振り玄関からお出迎えしてくれました。

サリーさんが小学校6年生までを過ごしたというお家は、サリーさんの祖父が愛されていたという立派なお庭が前面に広がり、玄関の引き戸を開けると、なんとも懐かしい、おばあちゃんちに来たような雰囲気。

入ってすぐのところに、畳の広がる和室が二部屋。
奥にはふかふかのお布団がのぞいています。
設えのここそこらに、サリーさんの美しさを愛おしむ優しい眼差しと気配を感じます。

まずは、茅野市にあるハーブの専門店ハーバルノートさんのハーブティーを頂きます。
お次に、サリーさんから最近の身体や心の調子を尋ねられながら、小箱からオイルをひとつずつ嗅がせて頂き、トリートメントに使用するアロマを選びます。

小さなガラス瓶からひとてきひとてき調合されるオイル。
光を浴びてなおさらゴールドに輝くオイルを見ていると、時の流れがその地点だけ緩やかになっているのでは?と勘違いするほど。
サリーさんの手元の神々しさに見惚れます。

「今日は特別な1日になるぞ」

そんな予感が胸に湧き戻ってきました。

さあ、待ちに待ったトリートメントの時間。
サリーさんの施術は、下着を思い切りよくぜんぶ脱ぎ捨て、生まれたまんまの姿に、肌触りのいいガウンを羽織って行われます。
お布団の中に横たわると、ふっくらとした暖かさに包まれます。

そこからは、私の身体は、サリーさんの誘いにされるがまま。
身体を緩ませる優しいタッチと、素早くタオルを捌いてトリートメントを進めていく動きの鮮やかさに、思わず「よっ!お見事!」と声をかけたくなります。
何かに例えるとしたなら、優しいタッチは、森のようなリズムを思い出させ、素早い動きは旅館の若女将さながら。
自然とひとの叡智の両方を贅沢に味わっている気分。

私の身体を高貴で繊細な、唯一無二の宝物のように扱ってくれるよろこびと、それをもたらすことができる職人芸の尊さに、深い感動が何度も訪れ、気づいたら、夢の中。

しばらくして、私はフガフガという自分のイビキで目を覚ましました。
「いま、中年男性みたいなイビキをかいてましたよね??」
「頭を普段使っていると、そういうイビキが出ます、いいことなんですよ」
頭でっかちに心配ばかりしていた日常の私から、不要なものが出ていったのか。嬉しいなぁ。

トリートメント後に和室でゆっくりさせて頂き、
ハーブティーと米粉クッキーを頂き、再会してから、計3時間。
すっかりやわらかくなった私の身体とハートは、まるで世界のささやかな奇跡や美しさをすべてを目に留められるかのごとし。

サリーさん家のお庭に降り注ぐあたたかく明るい光に包まれて、サリーさんに「さようなら。また!」と伝えます。

特別な1日。
それは、魔法使いサリーにすっかり魔法をかけられた1日でした。


salon de sally
HP:https://salondesally.jimdofree.com/
instagram:https://www.instagram.com/salondesally/?hl=ja
note:https://note.com/salondesally/



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