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『前書き~日記(計三十一冊)を処分したこと』

 こんにちは、野村美月です。
 八月くらいから日記をビリビリ破いて処分していました。
 子供のころからずっと日記をつけてきました。忙しいときなど一週間まとめて書くこともありましたが、それでも日々の出来事やそのとき感じたことを延々と綴ってきて、そうした習慣は二〇一四年の冬まで続きました。
 何故二〇一四年でやめてしまったのかというと、その時期一回目の大きな手術をしたためです。もし万が一のことがあったとき、日記を読まれるのがものっっっっっすごく恥ずかしかったのです。
 以降はポメラやpcで半年ほど書いていたのですが……これだとほぼ読み返すことがないことに気づき、ぱたりとやめました。紙に手書きの文字で綴っていたころは、よくぱらぱらと読み返していたのですけれど、デジタルはなかなかそういう気分になれず、目も疲れます。
 そんな理由で二〇一五年以降の日記はありません。

 大学に入学するため上京した四月から二〇一四年までの日記はまだ手元にあって、たまに読み返していました。
 それ以前の日記については、大変恥ずかしい出来事があります。
 二回目の手術のあとくらいでしょうか?
 故郷の家に帰省した際、私の部屋に積み上げてあった段ボール箱のひとつに『○○(私の名前です)』と大きく書いてあるものがありました。
 なんでしょう?
 開けてみてびっくりです。
 それは私の、主に小中学生時代の日記でした!

 うわあああああああああああああ!
 きゃあああああああああああああ!

 ページをめくりながら何度も悶えました。
 本人さえ存在を忘れていた日記が段ボールいっぱい分もあって、その中身がなにかもう顔が燃えそうに恥ずかしいのです。
 なんでこんなこと書いちゃったんだろう、ということが山ほどあって、中でも究極に恥ずかしいのは、中学生時代の『オリキャラへのお手紙日記』でした。
 月曜日から土曜日まで、当時私が執筆していた小説シリーズの六人のキャラクターたちにお手紙形式で、日記を書いていたのです。
 たとえば月曜日担当の美夜ちゃんには、
『美夜ちゃん、今日はこんなことがあったのよ。美夜ちゃんはどう思う?』
 などと語りかけ、
『そうそう、美夜ちゃんは駿くんと最近はどうですか? あまりツンツンせずに自分の気持ちに素直になることも大切だよ。美夜ちゃんは、駿くんは万里子さんのことが好きなのだとスネていたけれど、本当にそうかな?』
 とアドバイスまではじまってしまい、
『それじゃあまた来週の月曜日にね。駿くんとの恋が進展するよう祈っています』
 と結んであったり。

 さらに、さらにっ、日曜日はなんと、私から私に宛てた日記を書いていたのです!
『親愛なる○○へ。今日のあなたの態度は良くなかったと思います。私はあなたの一番の理解者で親友のつもりなので、はっきり言わせてもらいます』
 とか書いてあって、もうもうもうもうもうダメっ、顔が焼け焦げそうです、死にそうです。
 それらの日記は、翌日から普通ゴミにちまちま混ぜて、すべて処分してまいりました。
 父や母や、向かいの家で暮らす弟一家は、この日記を読んだのでしょうか?
 あああああ、考えたくありません。
 やっぱり日記は危険です。
 
 けれど手元にあった大学生以降の日記は、なかなか手放せずにおりました。
 
 それが近年のコロナ禍で、もし自分になにかあったら、という気持ちが高まったことで、やっぱり残しておいてはダメだ、と決意した次第です。

 こうして合計三十一冊の日記を、ゴミの収集日ごとに一冊ずつ手でビリビリ破いて捨ててゆきました。
 その際に、あれこれ読み返して、ああ……こんなことがあったんだな、こんなふうに感じていたんだな……と胸がしめつけられることが幾度もありました。
 そのときどきで、一生懸命に生きていたんだなぁ……。

 そんな中から、これは記録として残しておきたいと思った内容を、まとめて書いてみました。
 全部で四編で、
『来ちゃった……な父の話』
『シャールと聖羅どころではない年の差カップルな両親の話』
 この二編は、前振り的な内容です。
 これを読んでおいていただけると、このあとに続く二編が理解しやすくなるように思います。
 次の二編
『超~黒歴史・私が過去最大にダメダメだったころ』
『続・超~黒歴史・専門学校編』
 は、非常にプライベートな内容で、また当時の私がバカで未熟すぎて、全編ぐちぐち、うだうだしているので、読まれるかたが不快になってしまうのではないかと、大変心配しております。
 これらに関しては、本当にこの場かぎりの内緒話にしてほしいですし、読んだ内容を他でつぶやいたり語ったりされるのも、どうか、どうか、やめていただきたいため、有料にさせていただきますね。
 
 我に返って恥ずかしくなったら、消してしまうかもしれません。
 どうぞよろしくお願いいたします。