027ザ_マスター

#027「ザ・マスター」

真っ当な社会生活が送れない荒くれ者と、新興宗教の話。
こういう言い方は色々問題があるだろけれど、ある一定の人達にとっては、戦場が居場所になってしまうこともあるだろうと思う。全く同じ理由で、新興宗教を居場所にする人だって居るだろうと思う。
戦争によってもたらされるものは、何一つ賛成できないけれど、一般社会ってそんなに大手を振って歓迎されるほど平等で、誰にとっても優しい世界だろうか。
私の周りの現代社会も、一般的、社会的幸せを過剰に要求されている感じがする。社会的タスクをこなして、そこから逸脱せずに一生笑顔で暮らさなくてはいけないというのは、なかなか大変。

語弊はあるけれど、私は1年に1回くらいは、もはや薬か宗教に頼りたいぜこのやろー。とか思う瞬間がある。薬にも宗教にも恐らく信仰心が必要で、どっちもそんなに信用出来ないから素面で居るだけ。
社会から逸脱出来ない人も、社会に溶け込めない人も、どっちも等価だと思う。真っ当であることの苦しさも同様で、逸脱を羨ましいと思うだろう。

影でマスターは妻にコントロールされていて、自分に自信が無い。だから、衝動で動く荒くれ者の主人公をコントールして傍に置いておこうとする。

個人的には、その時だけでも良いから、問題を抱えた自分を受け容れてくれる場所は善だと思う。それが家族であるとは限らないよなぁ。