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台風だったわけです。


 起きて窓の外を見ると、目の前の川の水位が上がってる…でも氾濫するほどではなさそうだ。朝の4時頃に警報で何回も起こされたけど、この河川の水位上昇&土砂崩れによる避難警報が出ていたらしい。(よく見ないでそのまままた夢の中へ入っていた)

 でも実際、数年前にはもっとひどい水位の時を見ているのでそんなに危機感を感じていなかった。住んでるマンションの敷地内で、一番低い位置にあるエレベーターホールは小さい池状態になっていたみたいだけど。

 通勤も台風の影響でJRや私鉄が止まっている情報は知っていたけれど地下鉄が止まっているとは思わなくて。ちょうど最寄り駅に着いた頃に動き出して、乗ろうと思うも来る電車来る電車すでに満載状態。そこに無理やり乗っても1箇所のドアに3人くらいで精一杯。無理やり体を押し込んではまるで車両に「ぺっ」っと吐き出されるように押し戻される人たちを見て「あー…」と諦めた。

今日から夜勤の息子 余裕の笑い。チッ。

そこから一旦駅を出てなんとか職場近くへと行くバスに乗れたので通常より1時間かかったぐらいで職場へは着いた。職場に着くと結構みんな来てるしお客様もキャンセルもせずいらしてる。日本人の真面目さ?よ…。怖いくらい。


 故郷の北海道は昔は台風なんてこなかった。というかくる直前で温帯低気圧に変わる。天気荒れてるなー、ぐらいの。
ただ近年はやはり気候が変わってきてるみたいで、数年前にバイクで北海道旅行へと出かけた旦那は初日から「北海道を真横から直撃(東から西へ抜けてった)」という珍しい台風に巻き込まれて「本当に死ぬかと思った」って今でも話す。まぁ北海道走りたい人ってなにもない風景の中(遮るものがない)もしくはずっと続く海岸線とか走りたがるしね…。尚更。

トンネルの存在が本当にありがたく、中の隅っこの方で休んでたら通りかかった軽トラのおじちゃんに「にいちゃんこんな台風の中で死ぬぞ!どこまで行くのさ」って声かけられたとか。まぁ「気をつけてけよ!」で乗せてくれたわけではないらしい笑


 なので私は台風という実感を感じたことがないまま育ったので、東京にきて「台風が近づいているので無駄な外出は避けてください」ってニュースで警告するアナウンサーを見て「おお、台風か。私いま関東にいるから台風くるんだ!」ってちょっと変なテンションがあがった。

夜もふけてきて雨風が強くなって窓を叩く。

この窓も二重じゃないもんだから外の音がまる聞こえで引っ越してきた当初は「窓が空いてるんじゃないか」「不審者がいるんじゃ?」と真剣に思ってた。曇りガラスをガラッと勢いよく開けたら北海道の感覚だともう一枚窓、だったのだけど実際はすぐ外で、下を歩く通行人と目があった。怪しかったのは私の方。

窓の上半分。曇ってないガラス部分を見上げながら雨粒がひっきりなしに流れる様を見つめてみる。

何にも見えない。夜だし。
ガラスにへばりついてみても台風の目とやらが見えるわけでもない。

それでもゴウゴウと響く音と窓に叩きつける雨粒の音で「台風の中なんだな今」って自分を納得させた。

出前もきてくれないし。


 さすがに今は関東に来て10年以上経つし台風にも慣れてきたから変なテンションにはならなくなってきたけれど、近年の災害ニュースを聞くと心が痛む。行方知れずになってしまう方もいるし亡くなる方も。

今では縁あってつながった友達もそこにはいる。

毎年繰り返しても、何度同じようなニュースが流れても
危険なのは変わらないし自分が気をつけなきゃいけない。

みんな気をつけて。無茶をしないで。いつも以上に自分を守るため、まわりを守るため、気をつけてね。


もう「ひゃっほーーい台風だー」なんて言わないから。

「コロッケがー」とかも言わないから。



*最後のコロッケが意味不明な方は「台風 コロッケ」でググってみてください笑


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