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2023年は「受容から変容」の年へ

2022年は「受容」の年


2022年を振り返ると、Natureとしては厳しい状況が続き、「受容」の年だった。

コロナ禍からの経済復興、ウクライナ戦争などを契機にした燃料及び電力価格の高騰。異例の円安水準による製造原価の高騰。どれもNatureの事業には、大きくマイナスな影響を与える外部環境要因となった。一方で、電力逼迫回避のための節電要請が出され、再生可能エネルギーへのシフトについても大きく加速した。

昨年は総じて厳しい環境の中にはあったが、その状況をしっかりと受け止め、次なる手を打つことができていることは必ず今後の飛躍に繋がると信じている。

エネマネに注力


お客さまにご迷惑をお掛けしてしまったことは大変申し訳ないが、電力小売事業からの撤退は大きな判断だった。満を持して始めた事業なだけに撤退となってしまっことは痛恨の極みだ。しかし、その後、エネルギーマネジメント事業に注力し、ようやく実りつつあることは、支えてくれたチームに感謝の気持ちしかない。

スマートホーム事業では、原価高騰によりプロダクトの価格改訂を実施したり、Controllable KW(電力の需要を制御することが可能な容量)というミッションにアラインした最重要KPIを定め、それの最大化に向けて新製品の開発も始まった。ここは今年の展開として大いに期待していただきたい。

また、デマンドレスポンスの文脈では、関西電力NTTドコモとの案件を成約し、エネルギーマネジメントでの活動で収益にも貢献できた。最後に、会社のメンバーの数も50人を超え、目まぐるしく変化する状況により迅速に対応できるように大きく組織もアップデートしてきた。

厳しい環境と結果ではあったことは事実だが、それに耐え、同じ目的地に向かって新たに航路を設定し直して出発できたことは一緒に戦ってくれているNatureの仲間に本当に感謝の気持ちしかない。

個人としての振り返り


個人的には、組織が大きくなる中で、自分の役割を全うしていくためには、健康的な肉体のみならず、穏やかな精神状態を維持することが今まで以上に重要になってきていると感じている。そのために心身共に鍛える必要があることを痛感し、昨年も自己研鑽に励んできた。年始からの肉体改造、トライアスロン、瞑想修行、フルマラソン、滝行。年末には、自転車で3日間で268kmという人生最長ライドを完走した。

肉体的に厳しい環境に身を置く中で、毎回感じることがある。それは、人が心からその状況を受け入れることができると無意識での反応が変化し、五感で感じ取っている感覚の認識に大きく変化する。それまで苦しいと感じていたものが、嘘のように消える感覚がある。その変化を起こすことができると脱皮した自分に出会える。つまり、現状を打破するような飛躍のために変容を起こしたいなら、まずは現状を「受け入れる」ことから始めることが大事なのではないか。

2023年は「変容」の年


Natureのミッションの「自然との共生をドライブする」は、グローバル社会での「地球を守るためのカーボンニュートラル」というテーマと親和性が極めて高く、時代の風は僕たちのミッションの実現を強烈に後押ししてくれている。だけど、まだまだ現状のNatureでは好転した外部環境を果実化できていない。

2023年は徹底的に結果にこだわり、「変容」した姿を結果で示す年にしたい。謙虚に現実を受け止め、その上で成長のために変容し続ける。そして、結果につなげ、成果を残したい。

顧客志向のプロダクト開発


Natureには、全メンバーが閲覧できるSlackのChannelにNature製品に関する「ニュース」「お客さまからのフィードバック」「SNS投稿」などがリアルタイムで流れている。これは、創業当初から大切にしている顧客の声を聞くというものを仕組み化したものだ。商品を発売してから数年間は、僕自身で1日に何十回もSNSでエゴサーチをしていて、お客さまの声にNature公式カウントから反応していた。すると、Natureにはエゴサする自動ボットがあるのか?!とSNSで盛り上がったこともある(笑)。顧客の声をしっかり聞いたプロダクト開発は、今年はますます強化していきたい。

最近、ようやく日本でもMatterという新たなIoT規格が話題になり始めたが、Natureはすでにその開発に着手しており、もうじき具体的なサービスとして提供開始予定なのでご期待いただきたい。今は、あまりにも多くの通信規格が乱立しており、それによりユーザー体験が大きく損なわれている。Matterとはそんな状況を改善すべくIoT機器を製造するメーカーがアライアンスを組んで取り組んでいる新しい規格だ。これにより異なるメーカーの機器同士がよりスムーズに連携できるようになる。

エネマネの分野でのデマンドレスポンスの事業拡大とHome Energy Management System(HEMS)のNature Remo Eの機能強化を実現したい。具体的には、Nature Remoを活用した機器制御型のデマンドレスポンスを国内で大きく普及させたり、Nature Remo Eについてはオートメーションの機能強化により、太陽光発電の自家消費比率最大化を手軽にできる世界を実現していきたい。戸建てのエネルギーマネジメントを手軽に実現できるサービスを提供することで再生可能エネルギーへのシフトを加速させたい。

パートナーシップの強化


Natureの手がけている電力事業には以下のようなビジョンがある。

クリーンな10GWのバーチャル発電所をテクノロジーの力で世界中に創出し、化石燃料に依存したピーク発電所を代替する

この大きなビジョンは、到底Natureだけでは実現し得ない。いろんなパートナーとコラボレーションしながら、クリーンなバーチャル発電所を創っていく必要がある。そのためには、現状のハードウェアプロダクトを中心にしたサービスからよりリッチなソフトウェアのサービス(B向けサービスを含む)を提供する必要がある。

昨年末に、まずは手始めに、法人向けのWebサイトを用意したのだが、これにより法人顧客からの問い合わせが激増している。

最後に


地球の温暖化は日に日に深刻さを増している。個人的にも、すでに2019年、2020年の大型の台風が関東を直撃したおかげでヨットに大きな損傷を受けたり、その猛威を実感している。自宅のある横浜市の風速もここ数年間で温暖化の影響で上がっているらしい。

氷河期と現代の平均気温の差がわずか6度しかない中で、すでに地球の2022年の平均気温は産業革命前と比較して1.15度上昇している。その上昇幅を1.5度以内に抑えるためには2050年までのカーボンニュートラルの実現は必須条件だ。

激動の電力業界にIoTプロダクトから切り込みクリーンなバーチャル発電所を創出し、火力発電所を代替するという旅路はとてもチャレンジングであることは言うまでもない。だけど、自然との共生をドライブするというミッションの実現を通して、地球のこの危機的な状況を救うべく、今年も一歩一歩着実に歩みを進めたい。


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