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不妊仲間について

無事経過検診も終わり、
今日からまたルティナス漬けの日々が始まる。

そんな迫る3回目の移植日目前に、
最近知った会社の同僚の話を少ししたいと思います。


私はごく小さな会社でまあまあ自由な感じで
働いています(経営しています)が、
みんなが顔合わせる日は大体週2ほどで
あとは当番制だったり、在宅だったりで。

とても信頼を寄せる大好きなデザイナーさんがいて、
彼女(41)とは一緒に働いて5,6年ぐらいになる。
適当で抽象的な要望を投げる私の依頼に
いつも満足度120%返しで実現してくれる神のような人。

そんな彼女が突如電撃婚をかました昨年。
交際期間おそらく3ヶ月ほどの歳の差婚とのこと。
旦那さんは自営で財務コンサルをやっている50代の男性とのこと。
とても愛でたく夫婦箸やらを贈っていたのだが、
まさかその二人が不妊治療をしていたとはつゆ知らず。

6月のとある日、緊急入院になったから会社を休むとの連絡が。
当日通院でいきなり入院は十中八九婦人系の病気だというのはすぐピンときた。
まさか採卵がうまく行かず、何か腫瘍が見つかってとかかな、
と想像力を掻き立てていたら、
ずっと先のステップに進んでいて、
なんと陽性判定日検診で胎嚢が見えないからと
観察入院とのことだった。

そして2週間ほど前から陽性ちっくな反応は出ていたが、
hCG値が低く、ずっと懸念されていたとのこと。

正直この時、
41歳で果敢に挑む姿にとても心強くなったと同時に、
私より後に結婚して、仮にすぐ不妊治療を始めたとしても
私より先に結果まで行き着いたことへのやや落胆の気持ち。
そして経営者として、もし彼女が妊娠していたらいずれ産休へと
入ることへの不安と。いろんな気持ちがよぎってしまった。

いや、素直に心配したり、
喜んだりしてあげられない自分の性悪さに
がっかりするけど、とても羨ましかった。

だって、
彼女は一回陽性の線を見てるんだもんね。
うん、羨ましい。

うまく行かないかもしれないけど、
それでも羨ましかった。

私はまだ何故何の問題もなく、
まあまあの数の卵子も取れて、
受精工程も問題ないのに、
着床しないのだろうという暗闇の中にいる。

せめて妊娠しない理由が確率とか加齢であって欲しかった。
原因不明な着床不全空間はなんの道標もなく、
どこに向かって歩んでいるのかが、
時々分からなくなる。

どこまで我慢して、生活を是正しなければいけないのか。
どこからがやりすぎで、ストレス溜まるラインで、
かえって我慢しないほうがいいのか。
そのラインがとても曖昧で分からない。

ので、3回目にもなって、
とりあえず全て、何も気にしないことにした。
そうでないとどんな気持ちで望めばいいのかが。

来る大好きな夏への周りの誘惑。
ねえ、BBQしようよ!旅行行こうよ!
海外行こうよ!

どれもしたい。
でもどれも今は我慢だ。
予定が立てられないのだもの。

彼女が羨ましかった。


結果として、
稽留流産となり、また次の機会となったみたいだけど、
それでも一瞬でもお腹に生命がいてくれたことを
彼女は体を持ってして、体験できたのだろう。

割と身近に居た仲間に心強さを感じるものの。
なんだか、少しライバル心のような、
ただの羨望だとは思うけど、
ただ、同志として、素直に心からどうか。


彼女にも、コウノトリが
来てくれますように。


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